Kit the genius'
☆ 1日1枚 

Fujifilm Finepix4500 Camedia C-4100
キック 2003/07/20 SUN
 子ども会キャンプ大会のサポート役をやった大人たちで大反省会をやり、いま帰宅した。すごく反省したのですっかり酔っ払っているのだ。
 心配された天候もなんとか持ってくれて、楽しいキャンプになった。「楽しい!」という子どもたちの声をつまみに飲む酒も格別だし、鬼嫁の顔をなんと2日間も見ないでいいという、極め付きの贅沢を味わった。おまけに、草加の密造酒研究家さんがわざわざキャンプ場まで持ってきてくれた度数96度というポーランド産ウォッカが楽しみに花を添えてくれた。なんでも、世界一強い酒だそうで(そりゃそうだ!ほとんど純粋なエチルアルコールだもんな)、ラベルには「飲むときは火気厳禁」などと書いてある。瓶の半分ばかりを1人で飲み干したら、さすがに腰が抜けた。男たちは徹夜して夜回りをやることになっていたのだが、ボクだけは気を失ってグーグー寝ていたそうだ。朝起きたときもまだふらついていたもんな。ラジオ体操で吐きそうになったのは初めてだよ。

【使えるワザ】九州地方では集中豪雨という昨日の午後、関東地方も今にも降り出しそうな雲行きで、走り回る子どもたちを写すにはシャッタースピードがちょっと心配な明るさだった。カメディアのISO設定値を上げて写すこともできたのだが、ファインピクスの方は始めからISO200なので、そちらを使った。レリーズラグにも慣れているので、動きが早いものを撮るときには信頼性が高い。
 デジカメの泣き所の一つがこのレリーズラグ。シャッターを切った瞬間と、実際に露光する瞬間のタイム差のことだ。最近発売される新鋭機は、これがずいぶん改善されてはいるのだが、それでもまだフィルムカメラには及ばない。人間の運動神経の宿命で、フィルムカメラであっても、「今だ!」と思った瞬間からシャッターを切る瞬間までには0.数秒ほどズレがあるものだが、デジカメだとこれにレリーズラグまで加わるから、シャッターを切る作業はある意味で「予測」の領域であるとも言える。幸い、撮った直後に液晶画面で画像を確認できるので、自分のタイミングを修正することはそれほど難しくない。何十枚か写しているうちに、大体のタイミングは掴めるようになる。日頃から練習しておくといい。
撮影データ
カメラ Finepix 4500
撮影日 2003/07/19
ISO感度 200
絞り値 F2.8
シャッター 1/78
露出補正値 -0.6
WB オート
その他 ストロボ発光禁止
オートAE
バックナンバーは
「天才キットのフォトギャラリー」
に展示してあります。
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hermesさんから
 kit先生、大変ご丁寧な講評を頂きありがとうございました。辛口の批評を期待しておりましたが、逆にお褒めの言葉を頂きお恥ずかしい限りです。ありがとうございました。
 ところで講評にありましたラティテュードの意味は、辞書には「許容度、寛容度、許容範囲」とありますがそういう意味でよろしいのでしょうか。確かにコントラストを上げると全体に鮮やかさが増すということがよく分かりました。早速ブラケットで設定して試して見ます。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

返信
 ラチチュードという言葉の意味はそれで正しいのですが、写真用語では「フィルムが再現できる輝度の範囲」という意味で用います。この言葉には「緯度」という意味もありますので、地球の緯度を使って分かりやすいように説明しましょう。

 色にはそれぞれ輝度というものがあります。カラーだと分かりにくいので、白黒で説明します。カラー写真をモノクロ変換すると、たとえば黄色はかなり白に近いグレーになります。逆に緑や赤は黒っぽいグレーになりますね。輝度が高い色は白に近いグレーになり、輝度が低い色は黒っぽいグレーになると考えてください。

 では、地球を思い浮かべてみてください。一番上の北極を純白、一番下の南極を純黒とします。日本があるあたりはかなり白っぽいグレーですから黄色に近い色、逆に南半球のニュージーランドあたりは緑か赤に近い色ということになります。
 さて、人間の眼で見ると、同じ白っぽいグレーでもかなり区別がつきますね。大体カナダの北のあたりまでの薄いグレーが見えます。ところが、フィルムに塗ってある感光剤は、人間の眼ほど精密に輝度を写しとってはくれません。アリューシャン列島のあたりから上は全部白になってしまうのです。南半球でも同じで、タスマニアあたりから下は全部真っ黒になってしまいます。

 このように、フィルムが再現してくれる輝度の範囲をラチチュードと呼ぶのです。ラチチュードが広いと、かなり北極や南極に近いあたりまでのグレーを再現してくれますが、これが狭いと、真っ白になってしまったり真っ黒に潰れてしまう割合が増えてしまうわけです。
 フィルムでは、ネガフィルムのラチチュードはかなり広いのですが、それに比べるとリバーサルフィルムのラチチュードはとても狭いのです。ただ、ラチチュードは広ければいいとは必ずしも言えないのが面白いところで、リバーサルフィルムのラチチュードの狭さが逆に、メリハリのある写真を作ってくれるということで、特に風景写真などで好まれる理由になっています。

 デジカメのラチチュードはネガフィルムほど広くはないと言われていますが、コントラストを上げるとよりラチチュードが狭まったように見えます。カメラの機能設定でコントラスト調整ができる機種も最近は増えていますから、露出補正と同じように、コントラスト調整も活用されればよろしいでしょう。
投稿写真をけちょんけちょんにけなすコーナー
さっちゃんの投稿写真
 Kit先生 こんにちわ。
 梅雨明けも間近となりました。Kit先生のお作品を拝見して勉強をしています。
 熊蝉の羽化は、例年よりも早いようです。自宅の小庭で羽化しましたが、早朝の六時過ぎ迄、未だ名残り惜しそうに目の前のゴーヤの蔓に留まっていました。
 Kit先生のご講評、ご指導方よろしく御願いいたします。尚、私の添付写真は、題名を「羽化の朝」といたします。カメラはNikon Coolpix880です。


講評
 庭にニガウリを植えておられるんですね。さっちゃんは沖縄か鹿児島の方ですか?もうクマゼミが羽化しているというから、南の国ですよね。

 なかなか色合いが素敵な写真ですね。特に、緑色の発色がとても綺麗で、これがこの写真の価値を高めています。ニガウリの葉の色は黄緑に近い明るい色なので、その色の特色がよく出ています。背景のボケも綺麗ですね。多分、絞りは開放(f2.8)ですね。
 送っていただいた640*480ピクセルの画像で詳細に拝見すると、ピントがほんの数ミリ奥ピンになって、ゴーヤの蔓や第一節足に合っているように見えます。セミは触角が短い昆虫ですから、この場合は目にピントを合わせるのが正解ですが、デジカメでそこまでピント合わせをするのは至難のワザなので、これで合格としましょう。

 一緒に送っていただいた撮影データでは、露出補正が-3となっていましたが、Coolpix880は最大限+/-2までの仕様になっていますので、多分-0.3の補正ということだと思います。ボクはニコンのデジカメを1回しか使ったことがないので露出の癖までは分かりませんが、フィルムカメラでこの写真を撮るとすれば、ボクも-0.3か-0.5の補正をかけると思いますので正解です。

 構図的には典型的な「図鑑写真」になっていますが、なにも図鑑写真が悪いということではありません。これはこれでいいのです。ただ、羽の先が切れてしまったのがちょっと惜しかったですね。それから、相手は生き物だし、この写真を撮ったときの周囲の状況もボクには分かりませんが、このセミの場合は、透き通った羽の紋様が一つの美しさですから、45度ぐらい背面からの写真も撮れれば撮って欲しかったと思います。いずれにしろ、セミの羽化がご自宅の庭で見られる環境ってうらやましいですね。こういう美しい写真がこれからも何枚も撮れることと思います。
写真を講評しますよ!
 みなさんが撮ったデジカメ写真を送って下さい。この欄で講評します。「こうしたらもっと良くなる」「こんな見方もアリだよ」など、今後の参考になる(かもしれない)意見を述べさせていただきます。本名で送ってきても、こちらで勝手にあだ名をつけさせていただきますので、撮影者名は仮名で構いません。「掲載はして欲しくないけど講評だけお願い」というのはご遠慮ください。

○ 写真はなるべくリタッチしないままで。サイズだけ640x480pxに縮小してメールに添付してください。

○ 1通のメールに添付するのは1枚だけにして、複数の写真を添付しないで下さい。重くなりすぎて届かないことがあります。

○ 使用したカメラを教えてください。

 現在の在庫は9枚です。原則として1日に1枚掲載しますので、しばらく順番待ちになります。ご容赦ください。
 それから、ひょっとしたらボクのホームページの「写楽道場」に載せるかも知れません。ご了承ください。
送り先はこちらです。