Kit the genius'
☆ 1日1枚 

Fujifilm Finepix4500 Camedia C-4100
黄色の輝き 2003/07/21 MON
撮影データ
カメラ Finepix 4500
撮影日 2003/07/21
ISO感度 200
絞り値 F2.8
シャッター 1/588
露出補正値 -0.3
WB オート
その他 オートAE
毎日、多数のメールが寄せられるので、直接のご返事は原則としてご勘弁いただいています。数日遅れになることもありますが、下のコラムに掲載してご返事とさせていただきます。ただし、実名は掲載いたしません。ご了承ください。
姉妹メールマガジン
氷の国の一人旅
天才キット世界を撮る
もどうぞよろしく!
バックナンバーは
「天才キットの
フォトギャラリー」
に展示してあります。
ご意見、ご質問はこちらから
このメルマガの購読解除は
こちら
 キャンプ大会も無事に終わって、ようやく社会復帰した。しかし、どうも勤労意欲が今ひとつ湧いてこない。例のポーランド製ウォッカの後遺症であろうか。カメラ片手にお散歩に出かけたものの、小雨模様ではあるし、ろくな被写体も見つからないしで、撮影は諦めて市民球場に少年野球の地区決勝戦を見に行ってしまった。なんと怠惰なキットくん!
 うちのマンションの子も参加しているチームはとっくの昔に予選敗退しているのだが、お隣の町内のチームが決勝に駒を進めている。常勝チームと言われるだけあって、下手な高校野球チームよりよほど上手い。めでたく優勝を勝ち取った。
 帰り際に田んぼの中に1本だけニョキッと生えている向日葵を発見。ちょうど雲が切れて、黄色の花弁を透過した陽射しが輝いている。プーティさんからのメール(下記)が頭にあったので、向日葵であってもピントは蕊(しべ)という写真を撮った。
【使えるワザ】これだけ黄色が輝いていて、なおかつ、画面の半分以上を占めているのにマイナス補正はおかしい!という声が聞こえてきそうだが、ピント合わせでシャッターを半押ししたときは、画面のほとんどが蕊の部分だったので、補正なしでは黄色がトンでしまう恐れがあった。実際は補正なしでも数枚撮ってあったから、帰宅してからそれと見比べてみたが、やはり花弁の部分のトーンがかなりやられてしまっていた。
 比較するために、蕊の部分がボケた写真があれば良かったのだが、さすがにこれほど大きな被写体だとピン抜けはしないね。みなさんには、この写真で蕊の部分がボケていたら、どういう写真になったかを想像していただくしかない。
 ボクのファインピクスはオートAEしか機能がないので、絞りはカメラが勝手に決めたF2.8になっている。しかし、かなり早いシャッターが切れる状況なので、絞り優先で撮れるカメラならf5.6かf8あたりまで、三脚があって花が風に揺れていないのならf11まで絞って撮りたいところだ。

読者からのメールや質問やヤジ

プーティさんから
 いつもくだらない初心者の質問に答えてくださってありがとうございます。写真もやっぱり「これを撮りたい!」「上手く画像として残したい!」っていう気持ちが上達の秘訣なんですね。しかし、撮影者近影としてあの「角さかずきの写真」を提出するのはいかがかと思っちゃいました。お茶目すぎです〜。

 さて、今日も質問しちゃいます。「投稿写真をけちょんけちょんにけなすコーナー」で、「昆虫写真の基本中の基本である『触角にピント』の原則」と書いておられましたね。そんなことも知らないズブの素人の私が、他の被写体の基本について考えて見たんですが、じゃあ、花ならおしべやめしべに、犬や猫なら正面なら目の間に、斜めや横からなら鼻と目の間くらいにピントをあわせればよいですか?あら、でもひまわりなんかだとどうしたらいいのやら???
 そういういわゆる基本とかって、「カメラ入門」みたいな本があって、そういうのに書いてあるんでしょうか?その手の本って、なんか難しそうで手に取ったことがないんですよね〜。


返信
 こういう原則というのは、あくまで「原則」であって、なにもそうでなければ絶対ダメというものではありませんから、それを勘違いなさらないようにしてください。ただ、そういう原則を知った上でないと、「そこからわざと外す」という意図も意味のないものになってしまいます。

 一応、花は蕊(しべ)。めしべが目立つ花はめしべ、おしべに特徴がある花はおしべと憶えておいてください。でも、撮影者の意図で花弁にピントを合わせても反則ということではありませんよ。たとえば、花弁に水滴が付いているところを作品にしたいというような場合は、ピントは花弁でしょうからね。
 人間や動物のピント位置も一応「原則」があります。睫毛(まつげ)なんです。斜めや横向きのときは、手前の目の睫毛です。週刊誌などのグラビアで女優の写真などを見つけたら確認してみてください。ほぼ例外なくこの原則通りに撮ってありますよ。

 こういう基本は、他の人の写真を鑑賞する癖をつければ自然と分かってきます。写真集や写真雑誌に掲載されている写真には、必ず撮影者の意図するところが写されているはずですから、どこにピントを合わせているかを見れば、撮影者が「何を写そうとしていたのか」が分かるものです。
 こういう基本については、写真技術の指南書などに書いてあることもありますが、プーティさんのおっしゃる通り、大体は「小難しく」書いてあるものなんですよね。

マックさんから
 前略、大胆にも天才キット先生の写真に疑問を。「キック」のうしろで見ている子どもの頭と顔が半分切れて、というか「切って」いますが、その辺の意図するところをお聞かせ下さい。
 それから、先日「鏡面」の時に返信していただきました「Macで写真が切れる」件で、ご回答のようにしましたが、だめでした。メルマガ「氷の国の一人旅」の写真はうまく収まっているのですが・・。くどいようですが、他にもそんな方がいるのではと思い再度おたずねいたします。


返信
 あれは「切れている」のであって、「切っている」のではありません。ボクがヘタクソなだけです。

 キックベースは、ボールを蹴る位置がけっこういい加減な遊びなので、野球のようにバッターボックス内だけにカメラを向けていればいい、というわけにはいかないんですね。転がってくるボールと、それを蹴ろうとして走ってくる子どもが遭遇する地点を一瞬の間に予測してそこにカメラを振り、シャッターラグを考慮に入れながら事前にシャッターを切る(実際はカメラを振りながらシャッターを切る感じ)わけなので、構図の細かいところまでは「野となれ山となれ」的に頭から振り払ってしまわないと、ブレた写真やタイミングのずれた写真しか撮れなくなっちゃうって具合です。まあ、言い訳ですけどね。あの写真は、無料配信のメルマガだから使えるのであって、商売には使えませんね。

 Macの写真切れについては、読者のsasaさんから次のようなアドバイスが届いています。

sasaさんから
 キット様へ、sasaです。 いつも楽しく拝見しています。
 今回は質問ではありません。今日配信分の質問コーナのマックさんの質問についてです。 実は私もMac使いです。「写真が大きすぎて縦でも横でもスクロールしないと見えません」とのことですが、私のMacでは大丈夫です。

 ブラウザではフォントの大きさは変えられても写真の大きさは変えられませんよね。モニター解像度の変更で大丈夫だと思います。私は17インチCRTで1152x870にしています。 1024x768以上あれば何とかなるでしょう。コントロールバーにあるモニター解像度で変更できます。コントロールバーがわからなければ、画面左上のAppleメニュー(リンゴのマーク)からコントロールパネルに行き、その中の「モニター」を開くと、そこからもモニター解像度を変更できますので、なるべく大きな数字を選んでみてください。今の状態が一番大きな解像度ならば、このままではこれ以上の解像度は得られません。

 マックさんはiMacをお使いだそうですが、もっとも初期型のiMacでも1024x768(フルカラーにはなりません、32768色)までは表示可能のようです。これは標準VRAM(2MB)でです。6MBまで増設可能ですから、増設すればもっと上げられるようになります。高い解像度でもフルカラーになります。まず解像度の変更からやってみてください、これだけで大丈夫と思います。ちょっと余計なことかなとも思いましたが、お困りの様子のようでしたので。


返信
 sasaさん、ありがとうございます。ボクはMacをほとんど使ったことがないので、実を言うとちょっとお手上げ状態だったんです。助かりました。
 マックさん、sasaさんのアドバイスで改善が見られたらお知らせください。
投稿写真コーナー
BIWAKOKAYOさんの投稿写真
 はじめまして、BIWAKOKAYOと申します。お散歩デジカメ毎日楽しく拝見しております。
 デジカメの進歩がめざましく、新しい物がほしいです。私が使っているのはソニーサイバーショットP-5。最初から小さいサイズで撮ったものなので、画像がきれいじゃないかも知れません。初めて日の出にチャレンジしました。撮り方のコツを教えて下さい。よろしくお願いします。


講評
 綺麗な写真ですね。サイバーショットP5は発色特性(記憶色)が良いということで大人気になった機種ですが、その特徴がよく出ています。記憶色というのは、実際に目に見えた色を忠実に再現するというよりは、人間が記憶として呼び起こす色を再現しようというもので、たとえば、こういう朝焼けの色みたいな特徴的な色だと、その特性が生きるわけです。晴れた朝に、これだけ高く太陽が上ってしまえば、朝焼けの色はこんなに鮮やかなオレンジにはならないものですが、かなりオレンジが強調されたのでしょう。

 全体的にのっぺりした感じがするのは、補正幅が不足しているからです。exifデータでは-0.3の補正になっていますが、もう少しマイナスにしても良かったと思います。オレンジがもっと鮮やかになりますし、手前の陸地や中ほどの半島の影はもっと黒く潰れるので、画面にメリハリが出ます。画面の中に太陽のような明るいものがあるときはプラス補正と思いがちですが、陸地をもっと描写する意図でない限り、こういう写真ではマイナス補正なのです。

 構図的にはちょっと広く切り取りすぎたと感じます。しかし、exifデータを見ると24o(換算117o)の焦点距離になっていますので、P5の光学ズームの最大限で撮っているわけだから、これ以上画角を狭くするのは不可能ですよね。残念ですが、これがカメラの限界ということですから、仕方ありません。
 太陽の位置を少し右に寄せたのは、なにか意図があるのでしょうか。ボクなら、「太陽=安定した存在感」というイメージを強調したいので、真ん中に置きます。トリミングしてみた画像を参考にしてください。

 それと、ボクだったらもう少し低い位置の太陽で「日の出」のイメージを強めたいと思います。太陽の位置が高いと、見る人が水平線と太陽との距離(空間)を埋めたいと無意識に思ってしまうので、夕陽のイメージになってしまうのです。撮影時間が5時29分になっていますが、10分ほど前に撮りたかったですね。もちろん、そのときに太陽が雲に隠れていなければ、の話ですが。
 
 ものはついでなので朝日、夕陽を撮影するときのアドバイスを一言。朝なら日の出の1時間前、夕方なら日が沈んだ後30分はその場でねばりましょう。太陽が地平線の下にあるときの空の色の変化はとてもドラマチックです。思っても見なかったような写真が撮れることがあるものです。天候次第なので当たり外れがありますが、BIWAKOKAYOさんはせっかくこういう良いポイントを見つけられたのですから、折を見て再挑戦して見られてはいかがでしょう。右手に見える塔のようなものが良いアクセントになるし、中ほどの半島の影もなかなか味わいがあります。こういうポイントはなかなか見つかるものではないので、ボクだったら「これは!」という写真が撮れるまで何回でも通いますね。

 構図と露出の話をしましたので、画像ソフトでそれらしく修正したものを参考に付けておきました。ソフトで修正したものなので、撮影時にカメラで補正した画像とまったく同じにはなりませんが、まあ、こんなイメージになるということで見てください。
写真を講評しますよ!
 みなさんが撮ったデジカメ写真を送って下さい。この欄で講評します。「こうしたらもっと良くなる」「こんな見方もアリだよ」など、今後の参考になる(かもしれない)意見を述べさせていただきます。本名で送ってきても、こちらで勝手にあだ名をつけさせていただきますので、撮影者名は仮名で構いません。「掲載はして欲しくないけど講評だけお願い」というのはご遠慮ください。

○ 写真はなるべくリタッチしないままで。サイズだけ640x480pxに縮小してメールに添付してください。

○ 1通のメールに添付するのは1枚だけにして、複数の写真を添付しないで下さい。重くなりすぎて届かないことがあります。

○ 使用したカメラを教えてください。

 現在の在庫は8枚です。原則として1日に1枚掲載しますので、しばらく順番待ちになります。ご容赦ください。
 それから、ひょっとしたらボクのホームページの「写楽道場」に載せるかも知れません。ご了承ください。

  送り先はこちらです。