昨日の配信で、今日から3日間留守にするので、しばらくお休みと書いたが、台風のお陰で3日間が2日間に短縮になってしまい、大慌てで今日の分の撮影に行った。いきなり土砂降りになるかと思えば、カーッと陽が射すという、なんだか人を小馬鹿にしているようなお天気で、おまけに道はどこも渋滞、さんざんな1日になってしまった。来週からお盆休みという人が多いのか、今週中に済ませておきたいお仕事がたまっていて、それが渋滞の原因なのだろう。
出かけた先は新座市営墓地。広い墓地の斜面林に、毎年この時期になると、キツネノカミソリが咲く。一輪一輪はなんということはない、オレンジの地味な花なのだが、これだけの群落になるとそりゃあ豪華だ。あまり知られた場所ではないので、カメラマンの姿もちらほらとしか見られない。静かに撮影できるポイントだ。
この花、彼岸花と同じ種類で、やはり猛毒を持っている。花が枯れないと葉が出てこないのも同じだ。鋭い剣のような葉が出るので、それを剃刀に見立ててこういう名がついた。昔は、薄暗い林の中にはけっこうたくさん咲いていたような気がするのだが、最近はとんと見かけない。まあ、林自体が少なくなっているということなんだね。
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【使えるワザ】広角端で、手前に大きく花を入れて絞りをできるだけ絞り、パンフォーカスになるようにする。立ったままでカメラを構えるアマチュアが多いが、それでは花が全部小さく写ることになって、確かに「花一杯」の写真にはなっても、画像としてのインパクトには欠けることになる。何かによじ登る、しゃがむ、寝転ぶ、というような姿勢の変化が画像の印象を大きく変えるので、被写体を見たときは、ちょっとだけでも姿勢を変えてみる癖をつけよう。
土砂降りの直後なので、葉についた雫が光っている。このキラキラが邪魔になると思えば、PLフィルターを使って撮ればいい。ボクはフィルターあるなしの、両方を一応押えておいたが、最後まで迷った末に結局これを選んだ。斜面林の雰囲気が捨てがたかったからだ。花だけを目立たせたいなら、フィルターありの方がいい。
もう一つ迷ったのは、奥に林の縁を入れるかどうか。けっこう遅いシャッター速度なので、光が滲むだろうという予感はあったし、白い空が画面でどういう働きをするか、咄嗟に判断できなかったからだ。これも両方押えておいたが、やはり斜面林の雰囲気に軍配が上がった。この部分がない画像は、上が重くなりすぎるし、林の印象も暗くなりすぎる。
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