Kit the genius'
☆ 1日1枚 

Fujifilm Finepix4500 Camedia C-4100
もう秋 2003/09/02 TUE
 涼しくて寒いぐらいだ、と昨日書いたら、今日は多少は暑くなった。しかし、猛暑、残暑と形容するほどのものではなく、仕事部屋の窓からは爽やかな風が入ってくるし、お昼のお茶も冷たいのではなく暖かいのが飲みたくなった。
 夏休みが終わって、マンションの中庭が俄然静かになった。朝、まだ目覚めぬうちからキャーキャーいう歓声でうるさかったのだが、しんと静まり返ったいつも通りのマンションに戻った。去る夏を実感することしきりである。
 車で10分ほどの健康福祉村に行った。1周1.8キロの遊歩道があるので、お散歩にはうってつけの公園だ。平日だというのに、中年のジョガーたちが黙々と走っていた。遊歩道には落ち葉がたくさん落ちている。見上げたら、桜の木の葉はすでに紅葉し始めていた。まだ9月になったばかりだというのに、名実共にもう秋だ。

使えるワザいくら曇り空といっても、こういう風に見上げて空に抜く構図だと大幅なプラス補正が必要になる。補正幅に決まりはない。勘でだいたいの見当がつくプロでも、空抜きの構図のときは補正幅をずらして何枚も撮るものだ。この構図では+0.7から+2.0まで5枚押さえた。+1.7以上だと、回折した光がかなり強すぎた。それはそれで面白い絵(小さな画像は+2.0)にはなるが、見た目の印象を保ちたかったのでボツ。+1.0以下の画像は、木の葉の緑色の部分が濃すぎて重い印象の絵になった。
 紅葉した黄色い部分がポイントなので、その色を引き立たせるためにコントラストを上げ、彩度もプラスにしている。
撮影データ
カメラ Camedia C-4100
撮影日 2003/09/02
ISO感度 100
絞り値 F5.6
シャッター 1/25
露出補正値 +1.3
WB オート
その他 絞り優先AE
コントラスト+5
彩度+3
バックナンバーは
「天才キットのフォトギャラリー」
に展示してあります。
毎日、多数のメールが寄せられるので、直接のご返事は原則としてご勘弁いただいています。数日遅れになることもありますが、下のコラムに掲載してご返事とさせていただきます。ただし、実名は掲載いたしません。ご了承ください。
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読者からのメールや質問やヤジ

ワードさんから
 キット先生、先日は小生の質問にお答え頂きありがとうございました。早々に、しかもメルマガ紙面で回答を頂いたのに、御礼が遅くなり申し訳ありませんでした。

 私も仕事柄(小さな広告代理店に勤めております)撮影して良い所悪い所に関しては、気をつけるようにしております。印刷物に掲載するような写真の場合は当然のことでしょう。そう言えば、うちの会社では以前、某ホテルの近所の公園のような所で撮影しようとして、「ここはまだホテルの敷地内だから、あの柵の向こうで撮るように」と言われたこともあったようです。別にガードマンと喧嘩する必要もないので(苦笑)、今後は今以上に気をつけたいと思います。

 ちなみに、よく雑誌に掲載されている写真(読者投稿のフォトコンなど)でショーウィンドーを被写体にしたものがありますが、あれも厳密には、無断で撮ればルール違反なんでしょうねぇ。。。今回はどうもありがとうございました。

 追伸:私も普段は、撮影禁止場所ではカメラはバッグの中にしまっています。


さらにワードさんから
 キット先生、おはようございます。 昨日送らせていただきました御礼メールに間違った表現がございましたので、訂正というか、お詫びいたします。
 昨日の内容で「わざわざメルマガ紙面で回答いただいた」と書きましたが、「撮影データ」の下のコメントに「直接の返事は勘弁を」と明記されていました。コラムでの回答が通常なんですね。
 しかし、回答いただけたということは、それだけキット先生の目に止まったということで、改めて感動しております。以上、用件のみで失礼します。


返信
 わざわざどうも、御礼には及びませんよ。
 ショーウィンドーを無断で撮るのもルール違反なら、それを公開するのもルール違反ですね。しかし、考えてみれば、ショーウィンドーというのは、もともと大勢の人に見てもらいたいためのアドバタイスメントなのだから、その写真を公開するってのは、言わばお手伝いにもなるわけで、お店によっては「どうぞ、どうぞ」ってなもんでしょうね。肖像権にしろなんにしろ、難しい問題です、ほんと。


hermesさんから
 Kit先生、講評大変ありがとうございました。1枚目の写真、やはり「小さく写っている見物人」はまずかったということですね。この写真で見ていただきたかったことをずばりと指摘されたと思います。この写真を撮ったとき、自分ではこの程度なら「まーいいかな」と思いました。指摘されて見ますと、なるほどと納得してしまいました。この辺の判断がまだまだ甘いということが認識できました。講評していただいてとってもよかったと感謝しております。

 それから、2番目の蓮の写真に対しては「額縁効果」のまずさをご指摘していただきました。これも講評にありました、「縦位置で左側を中心に作図してみては」というアドバイス、確かにそのようにトリミングしてみましたらこちらの方がぜんぜんいいですね。自分で勝手に撮って満足しているだけでは、こういうところには絶対に気づきません。感謝、感謝!!です。

 3枚目の山百合の写真、マイナス補正の行き過ぎを指摘していただきました。これも自分では勝手にこれくらい暗くしたほうが「いいかな」と思って補正しすぎたようです。この場合も自分の判断がまったく客観性に欠けていることを露呈してしまいましたね。

 でもKit先生のようなプロの写真家に指摘していただくと、すぐ納得してしまいます。まだまだ修行がたりません。でもこうして講評していただくのはとても効果的だと感じます。プロの写真家に無償で懇切丁寧な講評をしていただき、ほんとにいいのかなとちょっと不安になってしまいますが。
 また、講評していただきたい(迷った)写真を撮ったときには、お願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。


返信
 プロだろうがアマチュアだろうが、そのへんのおじさんだろうが、とにかく、他人様に見てもらって意見を述べてもらうってのは、一番いい勉強ですね。ボクは人から何か言われるとすぐカチンとくる心の狭い人間なので、これまでにずいぶん損をしたと思っています。虚心坦懐に人の声に耳を傾ける・・・難しいけど大切なことだと自らを戒める今日この頃でござんす。

ゆーくんから
 「非常時」と前回と続けて写真の部分が空白になっておりました。当方のPCの調子によるものでしょうか。ご返事をいただけたら有り難いです。

返信
 ゆーくんのパソコンの調子、というより、ウィルスソフトのいたずらじゃないかなあ。「非常時」と「前回」にバックナンバーへのリンクが貼ってありますので、バックナンバーでも写真が出てこないかどうか確かめてみてください。

 パソコンの調子、メーラーの設定、ウィルスソフトの設定など、原因によっていろいろ対処法がありますので、8月17日号6月20日号のコメントを参考にしてみてください。
投稿写真をけちょんけちょんにけなすコーナー
ジュンくんの投稿写真
 先日茶房の紫陽花の写真を載せていただいた者です。そのときの作画意図を申し上げれば、梅雨寒にほっとする心情とでも言ったらよいでしょうか。

 お盆明けの今日は、そのときにも増して肌寒い天候でした。近くの園芸農園で遅咲きの薔薇が雨にぬれて寒そうに見えました。背景の斜め格子のトレリスが以外なアクセントを添えてくれてます。


講評
 ほんとに寒そうな風情のバラですね。雨の雫が光っていて、なかなか雰囲気のある絵になっています。

 一輪だけの花をうまく構図にまとめるのはとても難しいものです。一応、原則論というか、基本ワザだけを述べてみます。花の種類や背景などでいくらでも変わってしまう原則ですので、必ずしもすべてに当てはまるというものではありませんが、基本は基本で押さえておくと応用も効きやすくなると思います。

 まず、花の向きを考えることです。花も人と同じで、向いている方のスペースを多少多目にしてやると安定感が出ます。逆に、後ろ側が広いと、そちらから押されているような緊張感が出てしまいます。

 次は「切り取り方」です。花一輪をスミからスミまで全部画面の中に収めようとすると、どうしても周囲の空間に入れるものを考えなくてはならなくなります。それに、いったん空間で途切れてしまったイメージは、それ以上は続きません。つまり、「この花はこれで全部!すべて見せたからもうないよ」と宣言してしまったのと同じことになるので、よほど工夫しないと図鑑写真になってしまうのです。

 逆に、適当なところで切ってあげれば、見る人は切れたところから先の「見えない部分」を想像で補おうとしますので、イメージが限りなく広がるのです。一輪だけの花のはずが、見えない部分にももっとたくさん咲いているように感じます。

 最後は「日の丸写真」にならないように気をつけることです。花が画面のど真ん中に居座っていると、確かに安定感は抜群ですが、すぐに見飽きる絵になってしまいがちです。カメラを動かして、ファインダーや液晶モニターで座りの良い位置を見つけるように癖をつけるといいでしょう。参考までにトリミングした画像をつけておきます。
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【撮影会のお知らせ】
9月の撮影会はhermesさんの地元、埼玉県日高市の巾着田です。
関東一の彼岸花の群落を撮影します。
天候不順な今年のこと、例年並みの美しさが見られることを期待しましょう。
下見をしてくださったhermesさんによると、「多分OK」との感触のようです。
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