Kit the genius'
☆ 1日1枚 

Fujifilm Finepix4500 Camedia C-4100
稔りの秋 2003/09/16 TUE
 うっかりしていたのだが、今日はカード利用代金が銀行口座から引き落とされる日だった。残高がちゃんと残っているかどうか確認していなかったので心配になって、市内をぐるぐると銀行探し。結局、ボクの長年の取引銀行は支店を置いていないということが判明した。電話で東京の本店に確認したら「落ちました」ということだったので一安心。昔、海外取材中に残高不足になり、突然カードが使えなくなって困った経験があるので気をつけていたのだが、国内取材なので油断していた。まあ、何ごともなくてよかった。
 午後から入来町へ。武家屋敷が残る有名な街並みを見物したあと、内の尾の棚田を撮影。撮影中に農道の路肩が崩れ、車が脱輪してしまった。車底が完全に接地してしまったので、いわゆる「亀の子」状態になり自力脱出は不可能。仕方なく、近所の農家に助太刀をお願いする羽目になってしまった。
 81歳というおばあちゃんがあちこち電話を掛けてくれて、お隣りの宮之城町から牽引車が来てくれた。片道30分だ。ところが、その牽引車が農道に入れない。下手をすると二重遭難の危険性があるのだ。そこで、いったん宮之城まで引き返して、20メートルはあろうかという長いロープを取って来てくれた。
 引っ張り上げるのはあっという間の作業。幸い柔らかい路面だったので車にも傷はなかった。作業代金を払おうとすると、牽引車を運転してきたくれたおじさんは、「いらんよ」と言う。「こんぐらいのこっで金貰うわけにゃいかん」と言い張るのだ。片道30分を二往復もしてもらってタダだというのも申し訳ないと思ったが、こういうときに無理に金を渡そうとすると、鹿児島の人間は本気で怒り出す。ありがたくご好意をお受けした。以前、栃木で同じ目に合ったことがあるが、その時は5000円だった。待っている間、お茶やらお菓子やらをご馳走してくれたおばあちゃんにも感謝。鹿児島の人たちはほんと親切なのだ。
 夜は同窓生と飲み会。37年ぶりに再開するヤツらも何人かいて、懐かしいやら嬉しいやら、焼酎がほんと美味かったよ。


使えるワザ 田んぼの稲があと一週間もすれば刈り入れという時期。天候不順だったにもかかわらず、この辺りでは平年並みだそうだ。救難の手が来るまでの間、おばあちゃんが田んぼを案内してくれた。鹿避けの霞み網が張り巡らしてあるので、下手をすれば絡み取られてしまう。撮影して歩くルートはよそ者にはなかなか分からない。助かった。
 田んぼのあちこちに手鏡がぶら下げてある。案山子代わりの鳥避けである。風でくるくると回り、ときどきキラッと光を反射する。その鏡に畦の彼岸花が映る瞬間を撮った。始終くるくると回っているので、レリーズラグが大きいデジカメだとけっこう難しい撮影になる。ボクのカメディアはラグが短いので、数枚で当りが出た。液晶画面で確認できるというのもデジカメの強みだ。ブレては元も子もないのでシャッター速度が肝心。被写界深度は背景の稲が確認できる程度であれば申し分ないので、絞る必要はない。小雨模様の曇天だったが問題はなかった。
 構図上の注意点は状況描写だけ。手鏡を吊るすための支柱が写らないと「?」という写真になってしまう。かといって、広く切り取りすぎて手鏡が小さいと、そこに写っている彼岸花の印象が薄れる。その辺のバランスを考えればいいということ。
撮影データ
カメラ Camedia C-4100
撮影日 2003/09/16
ISO感度 100
絞り値 F2.8
シャッター 1/400
露出補正値 -0.3
WB オート
その他 絞り優先AE
コントラスト+1
彩度+1
バックナンバーは
「天才キットのフォトギャラリー」
に展示してあります。
毎日、多数のメールが寄せられるので、直接のご返事は原則としてご勘弁いただいています。数日遅れになることもありますが、下のコラムに掲載してご返事とさせていただきます。ただし、実名は掲載いたしません。ご了承ください。
天才キットが送るメルマガ


もどうぞよろしく!
このメルマガの購読解除はこちら

読者からのメールや質問やヤジ

丑兵衛さんから
 丑兵衛(2回目)です。キリ番を踏むまでは、「次はコレにしよう!」とか考えてあるんですけど、いざ踏んでみると、欲がでて、出て、デテ、うーんと悩んでしまいますね。

 ぅぅぅ、決めました!「ばんば」の「雪の丘」をお願いします。果てしない白さが、神聖な気持ちにしてくれそうです。さっきまでの、物欲もみるみるなくなって・・・とは、いきませんが、冬の朝(とびきり寒い)に見たい写真だと思いました。

 そういえば、先日、知り合いの方に向日葵の写真をいただいたのですが、貰った瞬間から、「トイレにぴったり!」とその日のうちに飾ったんです。本当にそれ以上のものはないと思ったんですよ。でも、トイレに飾ってるとは、なかなか言いにくいものですね。

p.s. 先生、お小遣いが足りなかったら、L版でいいですからね〜


返信
 ぅぅぅ・・・なんて優しい丑兵衛ちゃん!でも、ご心配なく。ちゃんと四つ切で額装しますよ。トイレにはちょっと大きすぎるかも・・・。

ゆーこちゃんから
 キット先生おはようございます。 先日は「ぬけがら」へのアドバイスありがとうございます。なるほど〜、そういう撮り方もあるのね〜と参考になりました。 また、ご丁寧にメール三部作構成のまま載せていただいてありがとうございました。大笑いしながら一日が始まったのでした〜(笑) 鹿児島での8日間、お仕事でお忙しいでしょうが、どうぞメルマガから解放されてごゆるりとなさってくださいね。

返信
 メルマガから開放されて、眼一杯楽しんできました。アナログ生活の良さを思い出しましたよ。

JUN1さんから
 千葉県鴨川市に大山千枚田というのがあります。棚田オーナー制度というのもあるようなので、棚田ファンの先生、ぜひオーナーになってください。1区画(約100平方メートル)30,000円、収穫したお米はオーナーに手渡される(平均40キログラム前後)とのこと。

返信
 大山の千枚田にはそのうちに行こうと思っています。情報ありがとう。棚田オーナー制度はあちこちの田んぼでやってますね。発祥の地は鴨川だそうですが・・。すでに山陰のとある田んぼからお米が届いています。棚田はほとんどが背後の山の湧き水で作っているので、とても美味しいですよ。

はるちゃんから
 こんばんは。はるちゃんです。鹿児島でのお仕事ははかどっていますか。青春時代を過ごした地での仕事はつらいでしょうね。毎日友人と芋焼酎?

 ところで、私が入っているMLで、ルーマニアの写真展をやっているから・・と紹介がありました。12日から18日だそうです。もう帰ってらっしゃいますか。一応添付してみます。

 私も、この返信に、キットさまのルーマニアのサイトを添付して知らせました。旅のMLだから、みんな見ると思います。


返信
 残念ながら見に行けませんでした。ボクとまったく同じコンセプトで写真撮ってるようですね。
投稿写真をけちょんけちょんにけなすコーナー
よしくんの投稿写真
 初めて投稿します。
 まさに、お散歩の途中でマンホールの作業に出会いました。露出オーバーは偶然です。しかし、ほかのきちんと写ったものよりも、なんとなくおもしろいように感じました。日付を消すべきだったと考えています。カメラはソニーサイバーショット3.2mega pixelsで自動露出です。

 もう一枚、「マンホール中の人」を送らせて頂きます。炎天下の道路はまだまだ暑いようです。マンホールは、直訳すれば「男の穴?」ですが、まさに穴の中で一人工事をする男は熱射病にかからないかと心配でした。


講評
 面白いですね。マンホールの穴を撮ろうという思いつきに素質ありです。偶然の露出オーバー写真を単に失敗作として削除しないで、「面白い!」と感じた感性もいいですよ。日付は余計と反省する心掛けも立派、立派!

 上の写真は画面一杯に穴を入れたところが非凡です。写真はこう撮らなくっちゃいけません。大きく撮ってやれば穴も本望ってもんです。
 それに引き換え、下の写真はちょっと遠慮しましたな。中に人がいるので腰が引けたのでしょう。穴の中にカメラを突っ込んで、シャッターを半押ししてから声をかけ、男の人が上を振り仰いだところを撮るぐらいの度胸が欲しいところですね。

 実は、ボクもかつて、わざと露出を外した写真を撮っていたことがありました。たとえばこんな写真です。こういう写真を撮ることの利点は、目で見たものをデフォルメするとどうなるかという感覚を養うことのほかに、露出に対する感覚が鋭くなるというところにあります。露出を外していくに従って、消えていく色と残る色がありますが、それを知ることで画面の中の余計なものを目立たなくする露出というものが分かってくるんです。まあ、遊び半分ですが、訓練としてはいい方法だったと思っています。

表示されない場合はこちら

撮影会のお知らせ
9月21日(日)の撮影会は埼玉県日高市の巾着田です。
関東一の彼岸花の群落を撮影します。
天候不順な今年ではありますが、
例年並みの美しさが見られることを期待しましょう。
下見をしてくださったhermesさんによると、
「多分OK」との感触のようです。
詳細はこちら
お問合わせ、お申込みはから、

表示されない場合はこちらからどうぞ。
アンチウィルスソフト「ノートン」をご使用の方へ

ノートンのセキュリティ機能がブロックするため、「問合わせ」「投稿」などの送信機能が遮断されます。また、ホームページの掲示板への書き込み送信もできません。これを解決するためには、「ノートンのアイコンをクリック」⇒「オプション」⇒「インターネットの欄の電子メール」⇒「スキャンする対象」と進み、「発信電子メールをスキャン(推奨)」という項目のチェックを外します。「OK」をクリックし、ノートンのウィンドウを閉じます。以上の操作で送信機能が働くようになります。