Kit the genius'
☆ 1日1枚 

Fujifilm Finepix4500 Camedia C-4100
照葉 2003/10/08 WED
 水上高原にコスモスを撮りに行った。
 朝、出かけようとすると、なにを血迷ったか、鬼嫁が「わたしも行く」と言い出した。若い頃は何度か撮影行に付き合ったこともあるが、なんせ、写真家と一緒にいると、変なところで止まる、歩かされる、待たされるの三重苦(場合によっては担がされるも加わる)がつきまとうから、そのうちに絶対に同行しないようになった。それが、突然行くと言い出したのだから、思わず震えてしまったよ。なにか秘密をかぎつけられたか、悪事が露呈したか、とにかく、1日中気を許せない状況に陥ってしまったわけだ。
 肝心のコスモスは咲きそろわないうちに霜でやられてしまっていて、「入場料返せ!」と言いたいほどだった。しかし、帰路に片品に抜ける山道を選んだら、途中の照葉峡がほぼ8割がた紅葉していて、利根源流の流れと色づいた山肌という、願ってもない組み合わせを堪能できた。ひょっとしたら鬼嫁のご利益かも知れないな。たまには孝行してみるものだ。
 しかし、狭い山道を運転しているボクに、「ねっ、あれ見て!」とか、「わぁ綺麗、ね、ねっ」とか叫ぶので参った。崖下に落っこちるのなら、できれば鬼嫁と一緒は勘弁願いたいものだ。


使えるワザ久しぶりにじっくり腰を落ち着けて撮った。持参した器材は35ミリと中判、大判のフィルムカメラ3台、それにカメディア。いずれもPLフィルターを装着し、限度一杯近くまで絞った。デジカメも一杯のF11まで絞っている。フィルターのお陰で葉の表面の反射光がカットされているので、深い色合いが出た。ピントも左上の隅がちょっと甘いだけで、ほぼパンフォーカスになった。
 被写体が黄色という反射率の大きな色なので、露出補正はなし。通常設定-0.3か-0.7で使っているカメラなので、ゼロということはややプラス補正をしたという感覚だ。
撮影地情報照葉峡は水上高原から片品に抜ける県道63号線の、ほとんど鳩待峠に近いあたりの利根源流である。県道のすぐ下が渓流で、幾つもの小さな滝が連なっている。今日の感じでは、紅葉のピークは来週半ばから週末ではないかと思われる。ここの紅葉はお勧めだ。今年は色づきもいい。交通量も多くないし、駐車できるスペースにも不自由しない。
 片品から金精峠を越えて日光経由で帰ってきたが、戦場ヶ原、光徳牧場周辺も紅葉のピークを迎えつつある感じだった。来週あたりだろう。いろは坂はまだまだ。
 照葉峡へは関越水上から約1時間、日光からも同じぐらい。関越でも東北道でも、東京から4時間見れば十分。この時期、あちこちでキノコを売っている。晩飯はキノコ汁だった。
撮影データ
カメラ Camedia C4100
撮影日 2003/10/08
ISO感度 100
絞り値 F11.0
シャッター 1/2
露出補正値 0
WB 曇天
その他 絞り優先AE
コントラスト+2
彩度+5
PLフィルター使用
バックナンバーは
「天才キットのフォトギャラリー」
に展示してあります。
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読者からのメールや質問やヤジ

砂名ちゃんから
 夏の避暑地での家族写真が、送られてきました。「夜をキレイに撮りたいから」と言うことで、カメラ屋さんにすすめられた「ISO800」のフィルムを装填していたようですが…。
夜の写真は荒めでメリハリがなく、「ナイトサファリの虎やないねんから…」って感じ。昼の写真はいまいちクリアでなく暗い感じで、とくに両端は、ちびまるこちゃんの額に掛かるスダレみたい。先日の「ヘアピン棚田(9/30号)」の「感度の違い」の説明を何度も読み返し、「荒め、クリアでない=きめが細かくない」ということで納得しましたが、昼の写真が暗いのはどうしてなのでしょう?それとも、他の要因?あるいは、暗い印象自体が気のせい?

撮影者は全員、フィルムやカメラのせいにする、初心者ばかりです。 それに、デジカメの質問じゃなくて、すいません。先生のおかげで目が肥えて…昔のアルバムを眺めながら、溜息ばかりついています。でも、生まれて初めて、フィルムの箱に書いてある説明を読みました。勉強します。


返信
  お使いになったカメラが分からないので確かなことは言えませんが、フィルム感度を手動で設定する古いカメラだったとしたら、まず真っ先に「感度設定忘れ」を疑いますね。ISO800のフィルムをISO400で写したとしたら、原画(ネガ)の段階で1段オーバーになっているわけで、それを焼付けの段階で補正していることになりますので、当然画質や発色に影響が出ます。ISO100で写していたら3段ものオーバー露出ですから、これはもう、かなりめちやくちゃなプリントになるはずです。

感度を自動設定する最近のカメラを使ったのであれば、夜の写真が粒子荒れを起こしているのは光量不足のアンダー露出が原因でしょう。もともとISO800のフィルムは粒子が粗いのですが、ちゃんとした露出で撮ってあれば、L版程度の大きさのプリントでその粗さが目立つことはありません。ISO800を過信しすぎてストロボなしで写したとか、ストロボは光らせたけれど、被写体までの距離が遠すぎて光が届かなかったとか、そういう理由ですね。

昼間の写真が暗いのは、多分、お天気が良すぎたせいでしょう。カメラのシャッター速度の最大値を確認してみてください。真昼間の戸外で絞り開放で写すと、F2.8だとシャッター速度はISO100でも1/1000を超えます。
仮に1/1000で適正露出だったと仮定してみましょう。これをISO800で撮ると、シャッター速度1/8000で適正露出ということになります。よほど高価なカメラでない限り、こんなに早いシャッターが切れるカメラはありません。カメラの最速シャッターが1/2000までしかなければ、原画の段階ですでに2段のオーバー露出ということになります。これをプリント段階でなんとか誤魔化すわけですから、明るさが適正になるわけがありません。
もっとも、ネガだからプリント段階でなんとか見られるようになるわけで、ポジだったらそのままゴミ箱行きです。

それから、ご家族の方に、そのカメラ屋を今後は信用しないようにお伝えください。夜を綺麗に撮る=感度の高いフィルム、という発想が一体どこから出てくるんでしょう!


ビワコカヨさんから
 毎日楽しみに拝見しています。今日の講評はとっても参考になりました。旅行中に写真を撮ると、単なる「行って来ました写真」になってしまい、どう表現したらいいのかなと思っていました。苦し紛れに「行って来ました写真コーナー」というのを作ってもらおうと考えたりしました。
 というような経緯でしたので、今日の講評は特に良かった。私と同じように感じた初心者の方もいらっしゃるでしょう。キット先生ありがとうございました。


返信
 ビワコカヨさん、お久しぶり。読者の方から反響があると、とても励みになります。けちょんけちょんにされたエンジンマンさんも、「オレが犠牲になった甲斐があった」と喜んでくれていると思います。

ようちゃんから
 大変ですー。 (T-T) グスッ。
 今日のお散歩「孤独」がもう4回届いてます。私はフリーメール使ってるんで容量はたった2MB。先月から時々2回届く時がありましたが、連休出掛けた時が心配です。一度購読を取り消ししてみた方がいいんでしょうか。ちなみに私はまぐまぐで登録してます。
 毎回バカな質問ですみません。


返信
 おうおう、そりゃあ大変だ!
 でも、ボクには原因不明、グスッ。読者の中に原因の見当がつく方おられませんか?

 あっそうだ、メーラーの設定で、「メールをサーバーに保存する」とかなんとかいう項目にチェックが入っていると、接続するたびに同じモノが送られてくるそうですよ。でも、それだと「お散歩」以外のメールも同じように何度も届くはずですもんね。やっぱ、分からんなあ・・。まぐまぐに問い合わせて見られては?
【どうでもいいお知らせのつもりが、かなり重要なお知らせになった!】
10月9日(木)の午後6時から8時過ぎまで、洋行帰りの伊良湖のじいちゃんを東京・新橋でご接待する予定でしたが、じいちゃんから緊急メールが入り、
キャンセルになりました。なんと、じいちゃんはオーストラリアへの入国時に税関で一悶着起こしただけでなく、どうも現地で相当な悪事を働いたらしく、1晩留置されることになったようです。したがって、帰国が1日延びるわけですが、ボクは翌日は熊本で仕事なので、新橋には行けません。よって、変人二人の初対面は延期されることとなってしまいました。駆けつけてくれる予定を立てていた方には、ほんと、申し訳ありません。じいちゃんに、も少し身を慎むように言っておきます。
も一つお知らせ
 撮影会に参加したことがある人たちのために、「撮影会ネット」のメーリングリストを立ち上げました。お互い顔見知りになって、交流が盛んになってきているようなので、ボクを介しての意思疎通ではどもならんじゃろ、というのが立ち上げの動機です。まだ2日目ですが、会話と画像が飛び交っています。

 で、
●まだ撮影会には参加していないけれど、いずれ参加する方向で家族会議中の方、
●参加したくはないけれど、ひょっとしたら弾みで参加してしまうかも知れないという恐れを抱いている方、
●人から誘われたら断りきれなくて参加してしまいそうだという意志薄弱な方、
●とにかくなんにでも口を挟まないと気がすまない方、
 などの入会も受け付けます。「ご質問」からメールアドレスとハンドルネームをお知らせください。
投稿写真をけちょんけちょんにけなすコーナー
海彦さんの投稿写真
 いつも楽しい写真を有難うございます。ずーっと見ているだけでしたが、最近はデジカメを手に入れて、写すことを楽しんでいます。白い彼岸花が咲いたので雨が小降りになるのを見計らって写しました。(Finepix S602 オートAE F2.8 1/26)

講評
 構図よし、ピントよし、被写体もごちゃごちゃしてなくて納まりよし、露出も問題なし、なんですが、1つだけ、背景の葉っぱのテカリが目障りです。花についている雫のキラキラ感が、背景のテカリで目立たなくなってしまっています。非常に残念ですね。

 これを解消するには、白花彼岸花の色を多少犠牲にして1段ほど露出を切り詰める(背景が暗くなる)か、PLフィルターを使うかです。露出で背景を落とすと、同時に被写体の描写も影響を受けるので、あまりお勧めはできませんが、被写体の明暗や発色にあまりこだわらなくていい場合は有効だし、手軽です。
 一番いいのはPLフィルターを使用することです。コンバーターリングが2000円ぐらい、フィルターもそれほど高いものではありません。ただし、PLフィルターを装着すると露出2段分シャッター速度が落ちますので、三脚が必要になることがうんと多くなります。なんだかんだで15000円ぐらいの投資になると思います。

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