Kit the genius'
☆ 1日1枚 

Fujifilm Finepix4500 Camedia C-4100
落し物 2003/10/09 THU
 お昼を吉還留(ヨシカエル)さんとご一緒した。月曜日に昭和記念公園をぶらぶらしていた折、お声をかけていただいたのだが、そのときに「そのうち、一杯」ということになっていたのだ。そしたら、昨日、水上高原の帰途に携帯に連絡が入った。なんでも、郷里のうまい焼酎があるので、それを差し上げたいとおっしゃる。いそいそと出かけていったもんだ。
 なかなかの紳士でいらっしゃる吉還留さん、焼酎と一緒に三遊亭歌之介のテープも持ってきてくださった。鹿児島弁の落語で人気沸騰中だという。まあ、初対面の変なひげおやじに、ここまでしていただいて恐縮至極である。寿司屋でビールと熱燗を間にしばらくの談笑を楽しませていただいた。また、真昼間から飲む酒がたまらんのだよ!
 明日は朝の5時に家を出て熊本まで飛び、1泊しただけでとんぼ返りの予定。なので、明日の配信分は明後日に2日分一括とさせていただく。現地ではこき使われること確実なので、とても配信作業など覚束ないと思われるからだ。なんとか人の目を盗んでデジカメのシャッターが切れればめっけもんだろうな。


使えるワザ吉還留さんとの待ち合わせの駅に10分ほど早く着いたので、待っている間に2枚撮った。そのうちの1枚が今日の写真。だれかが落としていったのだろう、車のキーである。拾った人が、街路樹の枝にぶら下げたのだと思われる。風にゆらゆらと揺れていた。
 しかし、すぐ目の前に交番があるのだから、そこに届けてあげればいいものを、街路樹なんかにぶら下げてたものだから、多分、落とした人も気がつかなかったらしい。もうずいぶん長い間晒しものになっているようで、かなり錆がきている。それに、そもそも落とした人はどうやって車を動かしたのだろう。なんだか、鍵と一緒に謎もゆらゆらしている駅前風景だ。
 鍵だけのアップなら通常設定のままで撮れるが、駅前風景を一緒に写しこんでやらないと絵にならないので、補正をゼロに戻している。感覚的にはプラス補正だ(通常設定は-0.7)。風に揺れているので画面上の鍵の配置やピントを考えてシャッターを切らないといけない。幸い、ボクのカメディアはシャッターラグがほとんどないので、こういう時は助かる。ラグありの機種なら枚数撮っておかないと当たりが出ない。
撮影データ
カメラ Camedia C4100
撮影日 2003/10/08
ISO感度 100
絞り値 F5.6
シャッター 1/100
露出補正値 0
WB オート
その他 絞り優先AE
コントラスト+1
彩度+1
マクロモード
バックナンバーは
「天才キットのフォトギャラリー」
に展示してあります。
毎日、多数のメールが寄せられるので、直接のご返事は原則としてご勘弁いただいています。数日遅れになることもありますが、下のコラムに掲載してご返事とさせていただきます。ただし、実名は掲載いたしません。ご了承ください。
天才キットが送るメルマガ


もどうぞよろしく!
このメルマガの購読解除はこちら

読者からのメールや質問やヤジ

hermesさんから
 Kit先生、講評大変ありがとうございました。
 蜂が2匹を整理して1匹にするワザはなるほどと納得いたしました。ただ実際に写真を撮る時に、そういうことにいつも気が回るようになるまでには、まだまだ相当場数を踏まなきゃならないような気がします。ガンバリます。また、蜂やトンボや蝶などは、こちらの狙いの位置に来てくれるのを待つしかないので根気の要ることですね。いつもついつい待ちきれずに、適当なところで妥協してしまいます。 「写真は引き算」ということはいろんな場面でkit先生や他の写真家も言われていますので、頭では分かっているのですが、なかなか実際の撮影場面では忘れがちです。
 講評の中での御指摘は自分にとってとても有効な気がします。次からはもっと意識が働くと思います。

 本格的に写真を意識して撮りだしたのはついこないだの5月からでしたが、kit先生のメルマガに出会って更に写真に対してのめり込んでしまいました。その反面、写真の出来は我ながら随分よくなってきたように感じます(自分勝手にそう思っている可能盛性大ですが...)。
 それから画像の赤みですが、私のカメラの色調補正は赤を強調するか青を強調するかの二通りの補正方法がありますので、若干青みを強調する設定で早速、調整してみます。

 以上長々と書いてしまいましたが、講評、とても勉強になりました。ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。


返信
 確かに、撮影している最中にいろんなことを考えて撮るというのは難しい。おっしゃる通りです。考えなくても手や目が勝手に動いてくれるようになるには、毎日カメラをいじっていても、最低でも1年ぐらいかかります。でも、考えなくてはいけない基本はそれほど多いわけではないので、思っているほど大変な作業じゃないですよ。駅員さんの指差し確認と同じで、

[1]何を撮ろうとしているのか、自分の気持ちを整理、
[2]撮った後の画像を想像、
[3]想像した画面になるように露出(絞り、シャッター速度)やコントラストを設定、
[4]フィルターやコンバーターなどの小道具が必要なら、面倒臭がらずにそれを装着、
[5]辛抱してじっくりと待つ必要があるときは、あせらない、
[6]必ず複数枚(縦、横や構図、設定を変えて)撮る、このときに、引き算、足し算をいろいろやってみる、
 という手順を憶えれば、自然とそれが癖になってきます。ボクは初心者の頃、大先生から「1シーン最低10カット」と言われ続けました。

 hermesさんの写真、確かに最近上手くなりましたね。しかも、よく考えて撮っているというのが分かる作品が多くなってきました。明日分の配信で1ヶ月ほど前に投稿していただいた写真を講評しますが、その頃と比べると長足の進歩ですよ(ということは、明日分の講評はボロクソ?)。


草加の密造酒研究家さんから
 「穴の底」を講評する。
 う〜む、むむむ。キット先生がこの写真を撮る瞬間を、見ぬふりをして横目で見ていたのだ。
 この穴の底は立ち入り禁止の中庭になっているのだ。キット先生は通路から片腕をサッと伸ばし、ファインダも覗かずシャッターを切った。これがその写真。恐るべし神業。
 天災キャットに忠告した。よもや「キット先生が目標」などという恐れ多い野心はいだくな、無駄である。そしてキット大明神すら手元で遊ばす「仏嫁様」こそ崇めろと。

 奥様にお会いしてから当家では、「鬼嫁」でなく「仏嫁様」と呼ばせて頂いているのです。皆さんの多くも気づかれていますが、恐るべきはキットの神業、更に恐るべきはキットの仏嫁様。


さらに草加の密造酒研究家さんから
 キット様、草加の密造酒家です。
 本日仕事で、某県の工業試験所に行き計測器の講習会をしたところ、醸造課の方から貴重なお酒を頂きました。

 これは試験所が県の蔵元後継ぎを対象に指導して作らせたときのお酒だそうです。この無名の作品はプロを目指しているだけに、われわれが作る密造酒とは格段の差です。去年も頂戴したのですが吟醸の素晴らしい作品でした。

 今回は、小布施で入手した栗の焼酎「栗どっこ」と火気厳禁スピリッツと一緒に撮影会の燃料として持参します。

返信
 「仏嫁様」に関しては大いに異議あり。「名無しの銘酒」「栗どっこ」「96度ウォッカ」に関しては、まったく異議なし。東北撮影会では腰が立たなくなりそうだ。

八ちゃんから
 ここ数日、ようちゃんの言うとおりメルマガが2回送られているようです。「照葉」は9日1:49と9日4:57の2回届いています。

返信
  不思議な現象ですね。他の読者の皆さんも同じでしょうか?
 まぐまぐの配信システムにどこか不具合が生じているのかも知れません。ボク自身は1回しか配信していないので、それが2回(4回)も届くはずがないのです。

 まぐまぐのQ&Aを見てみたら、同じようなことが過去にもあったようで、次のようなことが書いてありました。

 『次のような原因が考えられます。
[1]メールソフトの振り分け条件が二重に設定されている。
[2]発行者さんの手違いで、実際に2回発行された。
[3]2種類のメールアドレスをお持ちで、両方で読者登録している。
[4]POP3サーバ上に届いた1通のメールを、何回もダウンロードしている。
[5]配送経路上のサーバが何らかの理由で再送している。
 原因がお分かりにならないときは、複数届いたメールマガジンのメールヘッダを添えてお問い合わせください。メールヘッダの見方は、こちらをご参考にしてください。』

 ちなみに、ボク自身のところには1回しか配信されてきません。申し訳ないのですが、どなたか、上記の手順でまぐまぐに問い合わせていただけないでしょうか。お願いします。
【どうでもいいお知らせのつもりが、かなり重要なお知らせになった件について、各方面から続々と苦情が・・・!】
 10月9日(木)の午後6時から8時過ぎまで、洋行帰りの伊良湖のじいちゃんを東京・新橋でご接待する予定が、肝心のじいちゃんがオーストラリアで拘束されたためにキャンセルになった件につき、「新橋で飲むのを楽しみにしていたのに、コノヤロ」という苦情が多数寄せられました。また、中には昨日の「お散歩」を見損なって、キャンセルを知らぬまま新橋に行ってしまった人がいないとも限りません。
 このように、多方面にご迷惑をおかけしたことに関しては、もし万一終身刑などを免れてじいちゃんが帰国することがあれば、重々説教をしておきますので、どうか、お許しください。
も一つお知らせ
 撮影会に参加したことがある人たちのために、「撮影会ネット」のメーリングリストを立ち上げました。お互い顔見知りになって、交流が盛んになってきているようなので、ボクを介しての意思疎通ではどもならんじゃろ、というのが立ち上げの動機です。

 で、
●まだ撮影会には参加していないけれど、いずれ参加する方向で家族会議中の方、
●参加したくはないけれど、ひょっとしたら弾みで参加してしまうかも知れないという恐れを抱いている方、
●人から誘われたら断りきれなくて参加してしまいそうだという意志薄弱な方、
●とにかくなんにでも口を挟まないと気がすまない方、
 などの入会も受け付けます。「ご質問」からメールアドレスとハンドルネームをお知らせください。

 お陰さまで、撮影会ネットの会員が34名に達しました。すでに活発にくだらないおしゃべりが飛び交っています。
投稿写真をけちょんけちょんにけなすコーナー
jbean1976さんの投稿写真
 はじめましてこんにちは。jbean1976と申します。初投稿でございます。

 最近、先生のメルマガを拝見させていただき、とても良い勉強になっています。これからも素敵な写真、待ってます。

 さてこの写真は、先日、ある町を散歩がてら撮影をしていたときの写真です。ちょっと一休みしようとお寺の本堂の入り口に腰を下ろしていた時に、地元の方がお参りにこられました。その時に撮りました。どうか、けちょんけちょんにご批判よろしくお願いします。

撮影データ
【画像1】ニコンF80S ISO100 F4.8 1/30 露出補正なし 絞り優先AE
【画像2】ニコンF80S ISO100 F4.8 1/60 露出補正なし 絞り優先AE


講評
 なかなか雰囲気のある組写真になっています。こういうなんでもないシーンに目が行くというのは、すばらしい感性だと思いますよ。お堂の前に、赤い鼻緒の草履が置いてある1枚目で、「一体誰がお堂の中にいるのだろう」という興味・期待感を植え付け、出てきたおじさんの足元の2枚目がオチになっています。おじさんの足が被写体ブレしていて、いかにもあわただしそうな雰囲気を伝えてくれてるのも味付けになっています。

 ただ、写真技術という点から見ると、いくつか問題があります。
 まず、2枚とも切り取り範囲がやや広すぎるように感じます。お天気がいい日のようで、日向の部分と日陰の部分の露出差が大きいシチュエーションですから、肝心のポイントがある日陰部
分に露出を合わせると、どうしても日向部分が飛び加減になってしまいます。その飛んだ部分が大きいと、画面そのものがだらしなく見えてしまうのです。ですから、この場合は、できるだけ日向部分の割合を少なくすべきだと思います。

 次に、この2枚をそれぞれ単写真として撮ったものであるなら、1枚目はもっとお堂の存在感が欲しいところです。もっと引いて、見ただけでお堂だということが分かる距離感があるといいですね。赤い鼻緒は小さくなりますが、目立つ色なのでそれでもいいと思います。露出をもっと切り詰めて、お堂の雰囲気を出してやるといいと思います。左下のところにちょっとだけ影が見えますが、多分木の影かなんかでしょう。この影の方向から、影を手前に大きく入れた縦位置で撮ってみたかったですね。あるいは、木立ちの間から、赤い鼻緒が見える位置で、木立ちを前に入れて撮るのもいいかもしれません。
 2枚目は、単写真としては意味不明です。組写真だからこそ生きる1枚ですね。

 もし、最初から組写真として意図したのなら、もう1枚欲しいところです。上記のお堂の写真を1枚目にして、2枚目に赤い鼻緒の草履のアップ、それに3枚目、と3枚で組み合わせれば完璧だったと思います。

表示されない場合はこちら
アンチウィルスソフト「ノートン」をご使用の方へ

ノートンのセキュリティ機能がブロックするため、「問合わせ」「投稿」などの送信機能が遮断されます。また、ホームページの掲示板への書き込み送信もできません。これを解決するためには、「ノートンのアイコンをクリック」⇒「オプション」⇒「インターネットの欄の電子メール」⇒「スキャンする対象」と進み、「発信電子メールをスキャン(推奨)」という項目のチェックを外します。「OK」をクリックし、ノートンのウィンドウを閉じます。以上の操作で送信機能が働くようになります。