終日雨が降らなかったのはいったい何日ぶりだろう。どんよりとした曇り空ではあったが、とにもかくにも雨ではなかった。空の一部にかすかながらも青空が覗くこともあり、ほんの一瞬だが陽も射した。
雨のせいで撮影できなかった、例の越谷の古い写真の現代版の仕事を再開した。ほんとはもっといいお天気のときに撮影すべきなのだが、なんせ今月中という期限が切られている仕事なので、とにかくやれるときにやっておかないと、またいつ降り出すか分かったもんじゃない。それに、撮影ポイントを確定するという難関をまず突破する必要があるわけだから、動けるときに動いておかないと後が厳しくなることは目に見えているのだ。
とりあえず、すでに場所も確定し、雨でさえなければいつでも撮れるところは後回しにして、撮影された場所が分からない写真の場所探しから始めた。たぶんこのあたりだろうと見当をつけて、その近所の60歳以上ぐらいの住民を取っ捕まえては話を聞くのである。古い写真のほとんどは昭和30年代に撮られたとおぼしきものだから、それぐらいの年代の人でなければ分からないと思えるからだ。良くしたもので、当時の越谷なんて人口も少なかったし、住宅密集地なんて駅前と商店街ぐらいしかなく、あとは田んぼだったから、近所でなくても「これは蒲生だよ」とか、「ああ、この店は越谷銀座のあのあたりに昔あったよ」と教えてくれる人もいて、けっこうハカが行った。午後だけで6ヵ所も探し当てることができたのだった。中には当時のお店がまだ残っているなんてところもあって、そのうちのばあさんからえらく懐かしがられたり、お茶をご馳走になったりすることもあった。立ち話好きのボクには楽しいお仕事なのだ。
しかし、50年というと半世紀である。昔の面影などどこを探しても残っていない。市制制定が昭和33年、当時の人口48,000人が、今は30万人である。変わらないほうがどうかしている。しかし、50年前の写真に写っている木がまだ残っていたり、今はビルになってはいるけれども、同じ名前の商店の看板が見つかったりすると、なんだかとても嬉しくなってしまう。今日立ち話をした10人ばかりの人たちにもずいぶん懐かしがってもらえた。なかなかいい仕事である。 |
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撮影データ |
カメラ
OLYMPUS
Camedia C8080 WZ |
撮影日 |
05/10/19 13:43 |
ISO感度 |
50 |
絞り |
F4 |
シャッター |
1/160 |
露出補正値 |
-2/3 |
WB |
晴天 |
露光方式 |
絞り優先AE |
測光方式 |
評価測光 |
合焦方式 |
スポットAF |
焦点距離
(35mm換算) |
10.1mm
(40mm) |
その他 |
手持ち撮影 |
レタッチソフト |
ちびスナ |
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