卵の検査をやりながら、今日は卵の運命についてじっくりと考察した。とにかく、手と眼だけを稼動させていればいいだけの単純作業なので、なんか別のことでも考えていないと退屈してしまうのだ。昨日は第九4楽章を最初から最後まで(周囲に聞こえない)小声でハミングするというのをやってみたが、何度繰り返しても、どうしても途中でつっかえてしまうところがあって失敗に終わった。合唱部分のドイツ語の歌詞が思い出せないところがあったのだ。
それに懲りて、今日はただ考えるだけにした。考えるといったって、写真関連の考察などは、こういう場合は愚の骨頂でしかない。行き詰ったら、やってみりゃ分かる・・・・になるに決まっているからだ。
で、せっかく大量の卵を取り扱っている分際として、普段まったく意識に上ることさえない卵ちゃんたちの運命について考えてみようと思い立ったわけ。というのも、職場で処理する卵が1日当たり2トン、個数にして約36万個、そのうちの少なくとも2割は消費者の目にさえ触れないうちに生ゴミと化してしまうのを日常的に眼にしているからだ。ボクらが育った年代というのは、子どもの頃は卵なんて貴重品もいいところで、風邪を引いて寝込んだときぐらいしか口には入らなかった。なんでも、戦後60年でもっとも値上がりしていない商品が卵なのだそうだ。工場にたった3人しかいない正社員の一人、まだ30歳ぐらいの若造が昼休みにいみじくも口にしたけれど、コンテナごとひっくり返してみたら度胸が据わりますよ・・・というような心境にはどう転んでも達する自信がない世代なのだ。
その世代のおっさんが、いくら職場の決まりとは言え、ダメ卵を次から次にゴミバケツに投げ捨てている。生ゴミになるのは、運送中に心ならずも割れたりヒビが入ってしまったもの、色の悪いもの、汚れがきついものなどのほかに、加熱後に処分されるものもある。加熱したために割れたものや、形が不揃いなものなどである。
まあ、割れてしまった卵は仕方がないとしても、形や色が悪くたって味が悪いわけではない。汚れていたとしても、殻を食べる人はいないのだから、なんら問題はないはずなのだ。けれども、いったん商品として店頭に並んでみると、確かに、そういう卵は売れ残るだろうし、ことによったらクレーマーの格好の餌食になって、賠償責任まで負わされる恐れすらある。たとえば黄ばんだシミがある卵。黄ばみが出るのは、鶏さんが出産した直後に卵を回収しないために、排泄物が付着して殻の内部までそれが染みとおったことが原因なのだが、そういう卵がたまたまクレーマーのお買いになるところになると、「排泄物で汚れた卵をオレに食わせるのか!」などという難癖になるわけである。染み透ったといったって表面部分だけだし、しかも加熱してあるのだからなんてことはないのだが、そういう可能性があるというだけで企業というものはビビる。
あるいは、キミたちが温泉タマゴを買うときのことを考えてみよう。1パックに3個の卵が入っていると仮定して、その3個のうち1個だけが真っ白ではなく妙にピンクがかっていたり、変な模様がついていたりしたら、おそらく半分以上の人が別のパックに手を伸ばすだろうし、下手をすればそのパックだけが売れ残るかも知れない。そうなれば、店主からクレームが来るに違いないのだ。
ことほど左様に、商品にするというのは大変なことなのだ。見かけは関係ないと割り切ってくれる消費者が増えない限り、こういう無駄が続いていく。考えてみれば、別に生みたくもないのに、ひたすら毎日出産だけを強要されている鶏さんにしてみれば、苦労して生んだのにポイかよ!とケツをまくりたくもなるんじゃないだろうか。中には、「このところちょっと便秘気味でさぁ」とか、「生理が遅れちゃってるの」というような鶏さんだっているだろう。「毎日同じ食べ物じゃ飽きちゃうわ。たまには寿司でも食べたいわね」というような欲求不満の鶏さんもいるに違いない。そういう鶏さんだもの、形が悪かったり妙な模様が入った卵を出産したって責められはしないじゃないか。
みなさん、多少形が悪くても汚れていても、卵の味は同じです!鶏さんの苦労に報いるためにも、どうか賢い消費者になってあげようではありませんか・・・・というのが、今日の考察の結論であった、ちゃんちゃん。 |
大きな写真は ⇒ ブログ版。 |
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撮影データ |
カメラ
OLYMPUS
Camedia C8080 WZ |
撮影日 |
06/01/04 08:26 |
ISO感度 |
50 |
絞り |
F3.2 |
シャッター |
1/250 |
露出補正値 |
-2/3 |
WB |
晴天 |
露光方式 |
絞り優先AE |
測光方式 |
評価測光 |
合焦方式 |
スポットAF |
焦点距離
(35mm換算) |
35.6mm
(140mm) |
その他 |
手持ち撮影 |
レタッチソフト |
ちびスナ |
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