峠巡りの富士山撮影会で御殿場周辺を回ってきた。午後1時過ぎぐらいまでは綺麗な富士山が見えていたけれども、昼食後は雲に隠れてしまい、予定では由比・さった峠の夜景まで撮ってくるつもりだったのに、午後4時前には現地解散になった。しかし、富士もさることながら、今日は強い北風が吹いていたので空気が澄み渡り、箱根から見る駿河湾、太平洋が殊のほか美しかった。東京都内を抜けるのに時間を食ってしまい、大観山の集合時間に30分遅刻したけれど、それが幸いして、一足先に駒ケ岳に向かった先発隊には撮れなかった太平洋が撮れた。早起きが報われた気になった。
今日の1枚がその写真である。写っている島影は伊豆大島と初島。箱根からこんなにくっきりと伊豆大島が見えることは、年間を通しても滅多にない。しかも、上空を雲が覆い、その雲の切れ間から射しこむ陽光で海が輝いている。今月のネット撮影会のお題「空」の教材写真として願ってもない景色なので、いろんな切り取り方で写してきた。
掲載したこの写真の他に、ブログ版に2枚、同じような写真を載せている。同じような写真ではあるけれど、空の扱いに関してはまったく違う。
ブログ版の「おまけ・その1」は、空を入れることの意味を考えずに、単に「入ってしまった」写真である。メインの被写体である島影の上空を厚い黒雲が覆っているので画面が重苦しく感じられるし、海の輝きも、その黒雲のお陰で色あせて見えてしまう。こういう撮り方をするぐらいなら、「おまけ・その2」のように、空は単なる背景として必要なだけ入れてやればいい。もっとも無難な取り扱いである。黒雲の部分を画角から外せば、上から覆いかぶさるような重苦しさはなくなるので邪魔にならない。
で、メルマガに掲載したこの写真は、上部に黒雲を入れると同時に、手前に陸地部分も入れてある。「おまけ・その1」とは画面下部に陸地部分が入っているかどうかだけの違いしかないわけだが、この陸地部分が入ることによって、メインの島影が額縁の中に入れられたような形になり、鑑賞者の視線は頼まれなくても自然に島影の部分に吸い寄せられるようになる。これを「額縁効果」というが、こういう構図になれば上部の黒雲は邪魔になるどころか、立派な「役割」を持つようになるのである。
写真撮影では常にこの「空」の入れ方が問題になる。空が入ってしまったために台無しになる写真もあれば、空のお陰で作品が輝きを増すこともある。同じ入れるにしても、入れる分量によって作品の味わいが大きく変化する。シロートは普段あまり意識しないで単なる背景扱いをしていることが多いのだが、このことを念頭に置いておくだけで、写真がずいぶん変わってくるはずだ。
今日の撮影会には14人の会員が集まった。あまり大っぴらにせず、少人数で実施しようという気持ちだったのだけれど、わざわざ富山から6時間もかけて出てきてくださったこうのまつさんを筆頭に大勢が集まってくれたお陰で、思いのほか楽しい撮影会になった。下見のときとは違って、前半だけでも富士が顔を出してくれたし、夕食の台湾料理はめっちゃ美味かったし、なーんも文句のない一日であった。 |
大きな写真は ⇒ ブログ版。 |
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撮影データ |
カメラ
CANON
EOS1D MarkII
EF 28-135mm IS USM |
撮影日 |
06/02/04 10:40 |
ISO感度 |
320 |
絞り |
F11.0 |
シャッター |
1/1000 |
露出補正値 |
-2/3 |
WB |
オート |
露光方式 |
絞り優先AE |
測光方式 |
評価測光 |
合焦方式 |
スポットAF |
焦点距離
(35mm換算) |
53mm
(69mm) |
その他 |
手持ち撮影 |
レタッチソフト |
ちびスナ |
バックナンバーはこちらで。
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