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小さな空 2006/02/16 THU（No.1034） 少し大きな画像は「お散歩デジカメ・ブログ版」で。 　今日からまた例の料理撮りである。朝の7時に支配人から電話があり、撮影開始が９時からになったとのお告げ。なんでも、料理長がインフルエンザでお休みだそうだ。今日の料理は子分たちが担当することになるので、営業開始までに余裕を持っておきたいということらしい。邪魔な写真家は、できるだけ早めに厨房から消えてもらいたいということなのだろう。朝が早くなったかわりに午後の仕事時間が短くなるのかと思ったら午後は同じだという。つまり、契約時間の一方的延長なのだった。もっとも、そもそもが契約書なんか交わすような業界じゃないし、口約束は約束じゃないというのがまかり通る世界である。残業手当がもらえていたサラリーマン時代が懐かしく感じられたものだ。 　でも、朝の通勤ラッシュに電車に乗ったら、サラリーマン時代の懐かしさなんて雲散霧消、残業手当なんか要らんから許してくれーと叫びそうになった。この通勤ラッシュ、ボクが脱サラした要因の中でも、最大とまではいかなくてもかなり大きなウェイトを占めていたのである。昨日ほどではなかったけれど今日も暖かな朝だったので、人ごみにもまれながら大汗をかき、大手町で降りたときにはぐったりしてしまった。こんな生活を30年近くもよく続けられたもんだと、今さらながら呆れたキットくんなのだった。 　ちょっと早めに着いたので、地下鉄の出口の植え込みの陰に隠れて一服。上空の小さな空から雨粒が落ちてくる。道行くサラリーマンたちは、なんの感慨もないようなつまらない顔で、脇目も振らずに通り過ぎていく。区条例違反の喫煙男が目に入らないはずはないのに、こっちに視線を向けるものさえいない。お天気はお湿りだが、街の雰囲気は無味乾燥、こんなところに長居していては人間性が曲がってしまうだろう。 　というわけで、今日の１枚は小さな空。フォトショで彩度を落としてある。そうすることで、味気ない街の雰囲気を表したというわけ。フィルムで言えば、ポジの発色よりはネガの発色に近い。鮮やかさだけが写真じゃないということ。 　しかし、ほとんど１日中、芸術性など一切求められない写真撮影を機械的にこなしていると、不思議なもので、自分の心の中のトゲトゲがだんだん鈍ってきて、妙に「いい人」になったような気がしてくる。今日で２日目だけど、イヤになるどころか快感になりつつある。夕方になると疲れが心地よくて、帰りの駅で飲む生ビールが美味いったらない。人間ってのはたぶん、こうやって知らず知らずのうちに堕落していくものなんだろうな。 　口約束では一応明日で打ち上げということになっているけど、子分たちが担当した今日の料理は出来上がってくるテンポが遅く、どうも１日延長になりそうな気配だ。明日は機材の引き上げがあるので車で行くつもりだったけど、この分だとまた電車だな。帰りにビールが飲めることを良しとするか、通勤ラッシュを苦とするか、うーん、難しい。 大きな写真は　⇒　ブログ版。 撮影データ カメラ OLYMPUS Camedia C8080 WZ 撮影日 06/02/16 08:29 ISO感度 100 絞り F3.5 シャッター 1/100 露出補正値 -1.0 ＷＢ 屋外 露光方式 絞り優先ＡＥ 測光方式 評価測光 合焦方式 スポットＡＦ 焦点距離 （35mm換算） 7.4mm （29mm） その他 手持ち撮影 レタッチソフト ちびスナ バックナンバーはこちらで。 ご意見、ご質問などはブログ版のコメント欄にお書き込みください。数日遅れになることもありますが、同欄にてご返事させていただきます。 天才キットが送るメルマガ もどうぞよろしく！ 購読解除はこちら 　 著・キット・タケナガ 「デジタル・写真の学校」 キット＠呑んだくれのブログ お魔女の連載犬マンガが ブログになりました。