午前4時に起床、4時半に家を出て5時半にのりおくんを拾い御殿場に向かう。約束の8時には30分ほど早く着いた。ゆっくり間に合ったわけだ。でも、遅く出ても間に合ったかというと、そうではないところが東京。通勤渋滞が始まってしまうと1時間どころか、2時間、3時間の遅れも覚悟せねばならなくなる。東京を抜けなければならないルートのときは、早朝か深夜にさっさと通り過ぎてしまうというのが鉄則なのである。
としさん(静岡支部長)とメメちゃんもすでに到着していて、そのまま富士演習場に向かう。今日は、御殿場駐屯地の戦車部隊が実弾演習をやるというので、とし隊長のお世話で撮影許可を貰ってあったのだ。
9時から始まった実弾射撃は、午前中3時間、午後2時間の都合5時間、28台の戦車と4台の偵察装甲車が入れ替わり立ち代りで射撃の腕前を披露してくれた。動いていない、ただ鎮座ましましている戦車なら何度も見たことはあるが、実践さながらに走り回り、その上、大砲をぶっ放すなんてのを見るのは初めて。その重量感と迫力、それにスピード感には圧倒されてしまった。
射撃となると、文字通り肝をつぶすという感じ。ズドーンというような重たい音ではなく、パンと弾けるような軽快な音なのだが、その音量が半端じゃないし、砲口から炎がほとばしったと見ると、次の瞬間には体全体に衝撃波が襲い掛かる。手に持ったカメラがその衝撃波で大きく揺さぶられ、ファインダー像が乱れに乱れるのである。音が聞こえるのはその後。と言っても、射撃をしている戦車とボクとの距離はほんと目と鼻の先なので、実際にはこの3つが一時に襲い掛かってくるわけである。腹に響くという言葉があるが、そんな言葉では言い尽くせないぐらいの臨場感がある。
撮影はもちろん連写、連写、ただそれだけである。戦車の車体を撮ったところでしょうがない。狙いは、実弾を発射した瞬間、砲口から炎がほとばしる一瞬を捉えることにある。ところが、これができない。難しいなどという範疇を超えているのだ。
「撃てっ!」という司令部からの命令は、戦車の車長には無線で伝えられるのだが、それと同時に、見学している他の隊員たちにも聞こえるように、スピーカーで大きく響くようになっている。なので、「さあ、始まるぞ」というのは分かるのだが、撃てと言われて、せーので一斉射撃をしてくれるわけではない。一度に4台ずつ戦車がご登場になるのだが、その4台が、号令のあとにてんでばらばら、それぞれに照準が合ったところで発射するので、そのタイミングが5秒後なのか1分後なのか、まったく見当がつかないのだ。もちろん、発射したところを見てからシャッターを切ったのでは遅いわけで、狙った戦車がそろそろ撃つかなというところで連写し始めなくてはならない。
でも、連写の限度枚数に到達する時間はわずか2、3秒、その間に撃ってくれなければ、保存が完了するまで2、3分の間、カメラは休止状態になる。仮に、その2、3秒の間に撃ってくれたとしても、射撃の瞬間なんてストロボの発光時間より短いぐらいなので、ボクのマークIIの秒間8枚連写でさえ、その間隙を抜かれてしまうのだ。
結論は、700枚近く撮って、当たりは5枚しかなかった。画像取り込みに2時間、その後はせっせと削除作業である。非効率の最たるものだ。でも、この撮影は病みつきになること請け合い。面白いったらありゃしないのだ。 |
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撮影データ |
カメラ
CANON EOS1D MarkII
EF 75-300mm IS USM |
撮影日 |
06/03/09 14:15 |
ISO感度 |
100 |
絞り |
F5.6 |
シャッター |
1/800 |
露出補正値 |
-1.0 |
WB |
晴天 |
露光方式 |
絞り優先AE |
測光方式 |
評価測光 |
合焦方式 |
スポットAF |
焦点距離
(35mm換算) |
110mm
(143mm) |
その他 |
手持ち撮影 |
レタッチソフト |
ViX |
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