まぐまぐとの話がまとまり、新たにプレミアム版(有料版)の「お散歩デジカメ」を発行することが正式に決まった。一応、叩き台になる提出用サンプル誌は作ってあったのだが、正式決定を受けて、ちゃんとした宣伝版を大至急作る必要がある。今日はその仕事で息つく間もなかった。新しいヤツのサンプルだけではなく、この従来版を模様替えしてものも作っておかなくてはいけない。いったんテンプレートになるものができてしまえば後は楽チンなのだが、なんでも最初が一番難しい。内容はある程度固まっていたのだけれど、デザインをどうするのか、どういう形で継続性を持たせるのか、そういうところを考え考えしなければ作業が進まない。タバコの本数もずいぶん多かった。
なんとか夕方までにサンプル誌を二つ作り上げ、夕食を挟んで今度はネット撮影会の運営方法を検討、投稿規程を作り変えた。終わってみたらもう10時近い。今日の一枚を撮っていなかったので、間に合わせでブツ撮りをやった。
言わずと知れた卵である。暮れから正月にかけて苦しめられた記憶がようやく薄れてきたので、普通の目で卵が見られる。それをいいことに手軽な被写体として選んだというわけ。
でも、卵を写そうと思ったのは単なる思い付きじゃない。実は深い訳があるのだ。今月のネット撮影会のお題は「モノクロ」だが、モノクロといえば卵なのである。昔、ボクがまだ修行中だった頃、大先生から卵を写せと何度も言われた。暗室作業の勉強なのだ。
デジではなく、フィルムで撮るモノクロ写真というのは、撮影、現像、焼付けという一連の流れの中で作品を作っていくことであるわけだが、この3つのステップのうち、もっとも難しく、しかも、もっとも比重が重いのが焼付けというステップなのだ。撮影というステップはたかだか写真を撮るだけのことで、そこでは技術よりも行動力や感性が成果を決める要素になる。現像は、液温と時間さえ間違わず、ちゃんと攪拌しさえすればいいだけのことだ。ところが、焼付けという作業は奥が深い。技術の研磨が非常に大切な要素なのである。精細な手の動きやコンマ秒単位のタイミングの測り方など、経験を積まなければ到達できない領域があるし、もちろん、時間的にも労力的にも一番きつい。
その技術を磨く上で、この「ただの卵」の写真を焼く作業がとてもいい勉強になる。もともとが白いものだし、バックも白だから、ライティングで表現された陰影だけが写真の出来不出来を決める。その陰影をどうやって焼き付けるのか、卵の質感を損なわず、しかも、誰が見ても卵以上のものではないいう焼き方は、一晩暗室に篭ったぐらいでは極めることは不可能なのだ。
デジではそれを画面上でやることになる。レタッチしながら昔馴染んだ酢酸の匂いを思い出した。印画紙を何枚も無駄にしながら、明け方になっても満足の行くプリントができず、眠い眼をこすりながら出勤していったものだった。 |
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大きな写真は ⇒ ブログ版。 |
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撮影データ |
カメラ
CANON EOS20D
EF 28-135mm IS USM |
撮影日 |
06/03/22 22:19 |
ISO感度 |
100 |
絞り |
F8.0 |
シャッター |
1/30 |
露出補正値 |
-1/3 |
WB |
屋外 |
露光方式 |
絞り優先AE |
測光方式 |
中央重点分割測光 |
合焦方式 |
スポットAF |
焦点距離
(35mm換算) |
120mm
(192mm) |
その他 |
手持ち撮影 |
レタッチソフト |
SILKYPIX
PhotoShop EL |
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