ベランダに健康を害しに行く途中、鬼嫁と眼が合ったのが運の尽きだった。昨日ボクが一人で千鳥が淵の桜を見てきたことを知っている鬼嫁が、黙って見逃すはずがないことぐらいボクだって承知、伊達に30年も奴隷を務めてきたわけじゃないのだ。だから、ほとぼりが冷めるまではできるだけ接触を避けるというのが鉄則であるはずなのに、ついうっかりしてしまった。「私もお花見に行きた〜い」、あ〜あ、案の定である。
こういうときに「忙しい!」などと言うのは愚の骨頂である。いったんは引き下がっても、断られたという事実はしっかり鬼嫁の貸借対照表に根を下ろしてしまっている。次の要求のときにその借金が何倍にもなって上乗せされるのである。したがって、睡眠時間を短縮する程度のことで補いがつく要求ならば、負担が重くならないうちに呑んだ方が身の為なのだ。
千葉のJIROさんが、印西の小林牧場と成田の房総風土記の丘の桜開花状況を知らせてくれていたので、この際だからそこに行ってみることにした。ボクは写真が撮れるし鬼嫁は花見ができる。一石二鳥ではないか。しかし、掃除だ、洗濯だ、布団干しだと、日課を片付けないと動こうとしない鬼嫁相手のこと、出発は午後になってしまう。小林牧場着が2時、風土記の丘着が4時、ろくに撮影なんかできはしない。大半は車の運転をして過ごしたというのが今日の実感だった。
しかし、まあ、桜は見事だった。小林牧場は東京競馬場のトレーニングセンターなのだが、広大な敷地にいろんな種類の桜が植えられていて、しかも、かなりの樹齢になっている。エドヒガンが満開、ソメイヨシノが五分咲きといったところだった。風土記の丘は大半がソメイ。移築された古い農家の景色とよく似合う。こういう移築民家を見せるところは全国にたくさんあるが、ここのいいところは、現代的なものが視界に入らないように作ってあるところ。写真を撮るときに、現代的な物体が画角に入ることを心配する必要がないからイライラすることがない。広大な敷地なので、これから新緑の季節にかけてはいい撮影ポイントだと思う。
写真は小林牧場の本馬場の裏手にある調教馬場である。坂道訓練の馬場にエドヒガンが大きく枝を張り出している。これにサラブレッドでも加われば言うことなしだが、トレセンの馬運動は午前2時に始まって夜明けには終わってしまい、日中は馬の子一匹姿を見せないのである。替わりに、花見の客がわんさか通る。人影がファインダーから消える一瞬を待つ辛抱強さが勝負の分かれ目になる。 |
|
大きな写真は ⇒ ブログ版。 |
|
撮影データ |
カメラ
CANON EOS20D
EF 28-135mm IS USM |
撮影日 |
06/03/30 14:20 |
ISO感度 |
100 |
絞り |
F11 |
シャッター |
1/30 |
露出補正値 |
+1/3 |
WB |
マニュアル |
露光方式 |
絞り優先AE |
測光方式 |
中央重点分割測光 |
合焦方式 |
スポットAF |
焦点距離
(35mm換算) |
47mm
(75mm) |
その他 |
手持ち撮影 |
レタッチソフト |
SILKYPIX
PhotoShop EL
縮小専科 |
バックナンバーはこちらで。
ご意見、ご質問などはブログ版のコメント欄にお書き込みください。数日遅れになることもありますが、同欄にてご返事させていただきます。 |
購読解除はこちら |