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ゲートボール日和 2006/04/04 MON (第4号)
 京都をうろついている間にお仕事撮影が急遽決まった。携帯で連絡を貰ったのだが、当日が帰京の翌日で助かった。撮影会を早めに切り上げて、ボクだけお先に失礼なんてことにならなかったのは何よりである。
 しかし、午前1時に帰宅して画像取り込みをやり、明け方やっと寝たと思ったら7時には起床である。強行軍が一日延びたと思えばなんてことないのかも知れないけれど、頭を遊びモードから仕事モードに切り替えるのが骨だ。
 場所は荒川の河川敷運動場である。撮影対象はなんとゲートボール。先々月から某スポーツ財団の依頼でマイナースポーツシリーズの撮影をやっているが、過去2回はディスクゴルフとダブルダッチという正真正銘のマイナースポーツだったのに、いきなりゲートボール、年齢層を限定すれば超メジャーなスポーツである。
 不思議だなと思っていたが、選手たちを見た瞬間に謎が解けた。なんと、全員が高校生だったのである。都内にただ一校だけ存在する高校のゲートボール部が取材対象であった。マイナーすぎて気の毒になるぐらいのもんだ。
 しかし、思った以上に難しい撮影だった。この高校というのが男子校である上に、この年頃の男の子というのは、ボク自身もそうだったから分かるのだが、とにかく無口、無表情、シャイである。
 それに加えて、このスポーツはとにかく動きが少ない。動きのバリエーションといえば自分の球を打つときのゴルフのパッティングみたいな動作と、別の球を弾き飛ばすときの動作の2種類限定なのだ。
 しかも、校則で練習中といえども制服着用ときた。競技用の制服ではなく、通学用のいわゆる学生服である。動きがほとんどないスポーツだし、体力作りなどもまったく不要なので、学生服で支障はないわけだ。とは言え、写真にはなりにくい。
 それでもお仕事はお仕事、文句なんか垂れていたら次から来なくていいよと言われてしまう。なんとか工夫して、どうにか見られる写真をでっちあげた。上天気の温かい河川敷で3時間、難しいのを別にすれば、寝不足なのもいつしか忘れるぐらい気持ちのいい仕事だった。ギャラは安くても気分のいい仕事というのがあるのである。

 ところで、予想外に早い創刊号配信という仕儀になって、普及版まで頭が回らず、昨日配信の3号目までは同じものを配信してお茶を濁したが、考えてみると、これはヒジョーにまずいことのようである。
 というのも、このプレミア版は印税仕事なわけだから、著作権はボクにあるにしても版権はまぐまぐが所有している。ボクが勝手に無料配布していいものではないのだ。まだまぐまぐにはバレていないみたいだけれど、あまり野放図に続けるとメッ!されてしまう。
 というわけで、非常に不本意ながら、普及版(無料版)同時配信はこの第4号までで打ち切り、次回の第5号からは普及版は普及版仕様のものを出すことにする。悪く思わんでくれい。
 
撮影データ
カメラ Canon EOS20D
レンズ EFs 10-22mm USM
撮影日 06/04/04 11:17
画像ファイル RAW
ISO感度 100
絞り 8
シャッター 1/800
露出補正値 0
WB 屋外
露光方式 絞り優先AE
測光方式 中央重点分割測光
合焦方式 スポットAF
フラッシュ OFF
焦点距離 10mm
(35mm換算) (16mm)
その他 手持ち撮影
現像ソフト SILKYPIX
レタッチソフト PhotoShop EL
縮小ソフト PhotoShop EL
現像データ
露出補正 +0.47
WB 昼光(快晴)
調子 標準
カラー 標準・フィルム調V1

今日のワンポイント
【トリミング前提】
 実はこの写真、最初から左のようにトリミングすることを前提に撮っている。
 トリミングは一般的には禁じ手である。少なくとも、写真を志そうという人間が、トリミングすればいいやという安易な姿勢でシャッターを切っていてはどうしようもないので、ネット撮影会でも禁止ということになっている。
 ボク自身も普通は絶対にやらない。トリミングしなければ見られない写真などは駄作も駄作、どんなに貴重なシャッターチャンスを捉えたものであっても無条件にポイなのである。
 しかし、たとえば報道写真の世界では、トリミングはごく一般的に行われている。
 なぜか。それは、カメラやレンズの性能を超えた部分を、「伝える」という目的のために切り捨てるからである。芸術性などは二の次でいいのだ。
 この写真の場合、いくら16mmの超広角といっても、左のような構図を最初から狙えば、ゲートは被写界深度から外れてしまう。いくら絞ってもダメなのだ。砂粒の数を数えてみれば分かるが、レンズ先端からゲートまでは10センチぐらいしかない。
 今回のお仕事は報道写真撮影だから、左のような構図が欲しいと思ったらトリミングを前提に撮るしかない。きわめて例外的なことではあるが、そういう場合以外はトリミングしちゃダメだということを述べたくて、あえてこの作例を掲載した。


  3月のお題=「モノクロ」
掲載は4月10日号からです。
■ 4月のお題:「花」=花そのものではなく、花を脇役にした作品を目指してください。
デジカメで撮影された単写真、一人3枚まで。
■ 撮影期間:4/1〜4/30
■ 応募締切り:5/1
■ 読者は無料で1枚応募することができます。
2枚目以降は、1枚につき1,000円の講評料を申し受けます。
■ 応募要領はこちらをご覧ください。


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著・キット・タケナガ

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