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北風の狼藉 2008/11/19 WED (No.2055） 　昨日のこの欄で郵便ポストのことを書いたら、ラオスでの郵便事情のことを思い出して、懐かしい気持ちになった。もう10年ほども前のことになるけれど、東南アジアの秘境ラオスにハマっていたことがあって、1年の半分以上を現地で過ごすということが、数年続いていた。 　なんたって物価が安い。だから、日本にいて遣う小遣いの１ヶ月分もあれば、半年ぐらいゆうゆうで暮らせたのだ。タクシーとガイドを雇って、国中を旅して回る生活だったが、どんなものでも食べられるという条件さえ満たせば、ある意味、贅沢三昧の日々だった。 　で、そのラオスの郵便事情だが、制度として存在するのは大都市の郵便局までで、そこから先はない。ということは、当然ポストなど存在しないから、一度も眼にしたことはなかった。もちろん、集配もなければ配達もない。 　大都市の住民は、週に一度ぐらいの割で郵便局に行くのが生活習慣。窓口に行かなければ、自分宛の郵便物が受け取れないからだ。差し出すときも窓口に足を運ぶ。 　田舎には、その郵便局さえない。ではどうするか。ビエンチャンの中央郵便局は、田舎方面に行くバスの運転手に郵便物を託すのである。運転手は、集落を通り過ぎるごとに、ちょっとだけバスを止め、そこらへんを歩いている村民に郵便物を手渡す。 　その村民は、自分の集落宛のものは持ち帰って、宛先に手渡すのだが、それ以外の集落、つまり、バス路線から外れた集落の分は、タクシーの運転手や、たまたまそっち方面に行く車をみつけて、それに託すのである。 　なので、郵便物は、宛先に届くまでの間には、信じられないぐらいの日数がかるし、なんの関係もないアカの他人の手を、何人も渡り歩くことになる。手紙はまあいいとして、小包などは紛失して当たり前、ちゃんと届けば奇跡と思うだろうが、ボクが日本から出した小包は、100％届いていた。治安の良さに関しては、日本を凌ぐ国なのだ。 　出すときはどうする？心配ない。読み書きができる国民は６割しかおらず、ほとんどは大都市に固まっているから、田舎の少数民族が手紙を出すなどということは、まず、ほとんどないのだから。切手を買う金もないし、第一、鉛筆と紙さえ、持っている人はほとんどいないのである。 大きな画像はこちら。 購読解除はこちら 全バックナンバーはこちら 「お散歩デジカメ　Premium Edition」 日刊の有料メルマガです。購読料は１ヶ月1,050円。　　　 【主な内容】 １日１枚の参考写真とエッセイ RAW現像やレタッチの技法 撮影技術解説 ネット撮影会の作品と講評、など。 購読申込みはこちら。 購読料はクレジットカードからの 自動引き落としです。 今日のプレミア版 銀杏の並木道 【内容】 展示作品：通常版「銀杏の並木道」 エッセイ：天気は早くも冬型 今日のポイント：とっさの一枚 撮影会講評：髭正さんの作品 「真夜中の怪人」