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群れ雀 2008/12/18 THU (No.2084） 　今日は、突然飛び込んできた頼まれ仕事の資料読みでつぶれたが、昨日は３冊本が読めた。百瀬しのぶ「フルスイング」（上・下）と伊集院静「機関車先生」だ。くしくも、両方共に学園ものであった。 　「フルスイング」のほうは、今年の１月から２月にかけてＮＨＫ総合テレビで放映された連続ドラマのノベライゼーション。落合やイチロー、小久保など、30人以上のタイトルホルダーを育てた伝説の打撃コーチ、高畠導宏をモデルにしたドラマで、59歳にして引退後、福岡県の高校教師に転身、60歳で急逝するまでの1年間の教師生活の話である。フィクションではあるが、実話が素材になっているだけに真実味がある。 　上下２冊だが、文字が大きいので１冊分の時間で読める。実は、小さい文字が読みづらくなっている親父向けに買ったものなのだ。89歳の老人に学園ものというのもなんだが、どうせ時間潰しなのだし、面白ければジャンルは問わない人なので、本屋で見つけてすぐ購入した。 　で、面白いかどうかを検証するために読んでみたわけだが、予想以上に面白かった。ただし、涙腺が弱い人は、人前では読まないほうが無難。真実味があるだけに、余計泣けてしまう仕組みになっている。 　「機関車先生」は、文学賞総なめの作者の手によるものだけに、まあ、ハズレはないだろうと思って購入したのだが、案の定当たりだった。どちらかというと児童文学に近いジャンルに属するだろうと思うが、子供だましではない。舞台が瀬戸内海に浮かぶ小島の小学校ということなので、壷井栄の「二十四の瞳」を思い出させる作品だ。 　こちらも泣ける。あのハードボイルド作家大沢在昌すら泣かせてしまったというのだから、いわば折り紙つきだ。時代設定が昭和30年半ばごろというのも、ボクの年代には既視感、親近感がある。人物設定やストーリーはベタだが、児童文学だと思えば許容範囲だし、なんたって、伊集院静の筆だ。文章のリズム感や描写能力だけでも、十分に観賞価値がある。 大きな画像はこちら。 購読解除はこちら 全バックナンバーはこちら このページの最下段に「SILKYPIX」バージョンアップのお知らせがあります。 「お散歩デジカメ　Premium Edition」 日刊の有料メルマガです。購読料は１ヶ月1,050円。　　　 【主な内容】 １日１枚の参考写真とエッセイ RAW現像やレタッチの技法 撮影技術解説 ネット撮影会の作品と講評、など。 購読申込みはこちら。 購読料はクレジットカードからの 自動引き落としです。 今日のプレミア版 綾なす水面（みなも） 【内容】 展示作品：通常版「綾なす水面（みなも）」 エッセイ：宛名書き 今日のポイント：かき回し役 撮影会講評：けんちゃんの作品 「冬枯れの径」