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緑陰 2009/04/23 THU (No.2210)


 阿部龍太郎の「海神(わだつみ)孫太郎漂流記」と高橋大輔「ロビンソン・クルーソーを探して」を読んだ。2冊ともいわゆる漂流ものといわれるジャンルの本である。
 漂流ものと言えば、少年の頃にだれしもが、「十五少年漂流記」や「ロビンソン・クルーソー」を読んで、心ときめかせた経験を持っていよう。非日常の極致とも言うべき体験の中で、生き延びるために勇気と知恵を振り絞り、運を呼び寄せて数々の苦難を乗り越えるプロセスは、それがもしフィクションではなく、史実に基づいた話であったなら、どんな冒険小説も及ばないほどの興奮と感動をもたらす。
 ボクは実際、なにが一番好きかと問われれば、答えは一つ、漂流ものである。大黒屋光大夫を扱った井上靖の「おろしあ国酔夢譚」は中学時代に読んで、ものすごい感銘を受けたし、「ジョン万次郎漂流記」は高校時代に3回も4回も読んで井伏鱒二のファンになった。もちろん、ロビンソン・クルーソーは童話を卒業して岩波文庫版を取り寄せた。
 「ロビンソン・クルーソーを探して」は小説ではない。冒険家高橋大輔が、実在したロビンソンの足跡をたどるノンフィクションである。実際にクルーソーが孤独な日々を過ごした島に渡り、一人だけでキャンプ生活をしながら、彼が作った小屋や見張り場所を探すくだりなど、著者自身の冒険物語として読んでも面白い。
 「海神」の主人公孫太郎も実在の人物である。乗り組んでいた船が遠くインドネシアまで流され、乗組員のほとんどすべてが死んでいく中、最後まで生き延びて帰国を果たすのである。帰国してからのお上による事情聴取が古文書として残っているらしく、それが下敷きになっている。もっとも、半分は事実、半分はフィクション、小説なんてそんなものだと思わなければ読めたもんじゃない。
 あまり著名とは言えない著者であるが、なかなかどっこい、上手な書き手だ。文学賞とは縁がないようだが、新聞や雑誌の連載はけっこう依頼されていたようで、デビュー作がいきなり週刊新潮の連載だし、たとえば日本経済新聞に連載された「信長燃ゆ」なら、読んだ人も多いだろう。この「海神」も「小説すばる」の連載をまとめたものである。

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[5]デジカメを抱っこして寝るようになり、家族に疎外される。
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赤くなる。
ちなみに、この方々は、すでに人生を棒に振ってしまいました。
    
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[4]この普及版と併せて、プレミア版のエッセイも毎日読むことになるので、キットに感化される度合いが倍加し、人格崩壊速度が速まる。
ちなみに、この方は、すでに人格が崩壊してしまいました。