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百花繚乱 2009/04/30 THU (No.2217)


 普及版のこのコラムが、最近とみに書評コラムみたいな様相になりつつある。1日も欠かさず書かなきゃいけないノルマであるし、写真はとにもかくにも職業だからなんとかなるにしても、書く方はいつも四苦八苦する。今になって思うに、6年前、このメルマガを発刊したときに、写真だけにしておけばこんな苦労をすることはなかったわけで、なまじ色気を出してコラム欄を設けたために、自縄自縛に陥ったわけである。
 ということで、ネタ探しに汲々とするする日々を送っていると、読んだ本について書くのが一番手っ取り早いという結論になる。安易に流れるのは、持って生まれた性格だから、単に自分に正直なだけなのだ。
 今日は、1年ほど前に一度読んだ「壬生義士伝」を再読し始めた。言うまでもなく、浅田次郎の最高傑作である。この本を読んだあと浅田次郎にハマり、かれこれ20冊ばかり読んだわけだが、それによってボクの浅田観がずいぶん変わった。その変化した視点からもう一度読み直してみたいと思ったのである。とにかく、最高の傑作、なのだから。
 著者の作品には、すべてに共通する一本の柱がある。短編であろうが現代物の長編であろうが、あるいは、中国歴史物であろうがおちゃらけものであろうが、一貫して変わらないその真髄は「他人に対する真摯な心」である。
 そういう意味で、この「壬生義士伝」は、それがもっとも強烈に前面に出た作品と言っていいだろう。
 主人公は盛岡藩を脱藩し新撰組の隊士になった吉岡貫一郎。足軽の極貧生活から妻子を救うため、現代風に言えば新撰組に単身赴任したのである。仲間からは守銭奴、出稼ぎ浪人と嘲られるが、剣の強さは無類だし、殺伐とした隊内において、彼が他の隊士たちに注ぐ眼差しは限りなく優しい。稼ぐ金は、残らず盛岡の妻に送金する。
 今日のところは、やっと上巻だけを読み終えた。筋はまだ忘れていないから、いつもよりさらに読むのが早い。ただ、最初読んだ時には筋を追うほうに気を取られ(すごく面白いから・・・)、貫一郎の生き方に貫かれた「他人に対する真摯な心」、義侠心、あるいは愛といってもいい、一番肝心なところを深読みしていなかった。今回読み直してみて、浅田節の泣かせ所では、著者の目論見通り見事なぐらい泣けた。読みながら嗚咽するほどであった。
 この小説、2002年にはテレビ東京の新春10時間ドラマとして、渡辺謙主演で放映され、同年、滝田洋二郎監督、中井貴一主演で映画化、日本アカデミー賞の最優秀作品賞、最優秀主演男優賞など、各賞を総なめにしている。前年の最優秀作品賞が「たそがれ清兵衛」、翌年が「半落ち」だから、かなり高品質の映画だと思われる。DVDも買うことにしよう。おっと、その前に下巻を読まなきゃね。

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ちなみに、この方々は、すでに人生を棒に振ってしまいました。
    
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ちなみに、この方は、すでに人格が崩壊してしまいました。