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線路際の道 2009/05/10 SUN (No.2227）


　電車賃を2150円、飲み屋を４軒、生を８杯、時間を10時間使って、本を３冊読了した。これらの消費に関しては、プレミア版に明細が記してある。お散歩のつもりが、読書日になった経緯である。
　読んだ本は、佐藤賢一「ジャガーになった男」、清水義範「間違いだらけのビール選び」、小峰元「アルキメデスは手を汚さない」。いずれも文庫本で、普通の厚さである。
　はっきり言って、「ジャガーに・・・」は退屈した。直木賞受賞作の「王妃の離婚」と同様、中世ヨーロッパの物語である。小説すばる新人賞を受賞した作品だが、物語自体は確かに血沸き肉踊る筋立てなのに、文体がボクに馴染まない。読みにくいのである。
　小峰元の作品は江戸川乱歩賞を受賞した作品だが、受賞時に異論も多かったというだけあって、評価が分かれると思う。ボクには、ミステリの謎が軽薄だし、人物描写も浅いし、語りも平板、青春推理小説という分野の嚆矢として評価が高く、記録的なベストセラーになったという理由が、まったく理解できない駄作であった。
　「間違いだらけの・・・」は絶品であった。清水義範といえば、「蕎麦ときしめん」で10回ほどぶっ飛び、「国語入試問題必勝法」で笑い死にしそうになった経験があるので、その手の本だと思って購入したのだが、あにはからんや、真面目な？短編集であった。
　そのはずである。この著者の作品は、上記２作をはじめ、いわゆる「ユーモア推理小説」などという訳のわからん独自分野や名古屋弁小説が超有名で、真面目に作家をやっているとは思われていないのであるが、その実、普通の市井の人間の暮らしにネタを取った、味わい深い短編を量産しているのである。
　そういう短編が、この本には11編収められている。ユーモラスな味わいがある作品、人間性にほろっとさせられる作品、展開に驚かされる作品など、バリエーションも豊かだ。読んだ後の後味（読後感とも言う）が、とても爽やかな一冊であった。世の中に失望している人は必読である。

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［５］デジカメを抱っこして寝るようになり、家族に疎外される。
［６］朱に交われば赤くなる。
ちなみに、この方々は、すでに人生を棒に振ってしまいました。
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ちなみに、この方は、すでに人格が崩壊してしまいました。
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