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久野瀬橋 2009/05/31 SUN (No.2248)


 茨城県を流れる久慈川の、うんと上流、袋田の滝で有名な袋田駅(JR水郡線)のある集落の、上流側の外れにある冠水橋である。橋脚はコンクリートだが、その他の材料は木材。水面からの高さは1メートルぐらいしかなく、まさに沈み橋、おそらく、年がら年中沈んでいるのであろう。
 聞いたところによると、国内には一級河川だけで410ヶ所、その他の河川も含めると、ほとんど無数と言っていいぐらい沈下橋があるんだそうだ。
 沈下橋というのは、増水時に水面下に潜ってしまうということなので、河川敷のない川には、基本的にない。この橋のように、上流域にあるのは稀だ。
 ところで、普通の橋、いわゆる「抜水橋」「永久橋」というのは、堤防と堤防を繋いで架ける。したがって、増水しても水に浸かることはない。ただし、川面だけではなく河川敷も跨ぐことになるので、長さが長くなるし、水面からの高さも高くなる。当然、建築費が嵩む。そうそう滅多やたらに増やすわけにいかない。
 そこで、無橋区間は、増水したら通行できない不便さはあるものの、通常なら使用できる沈下橋に頼るわけだ。高さも低く、長さも短くて済む。いわば、柳に風の発想である。というより、近代建築技術が出てくる以前は、橋というのは数年に一度は流されてしまうのが常識であったから、流れに逆らうという考え自体が無駄だと分かっていたのであろう。
 抜水橋は川を一跨ぎしてしまう。道路とあまり変わらないイメージだ。だが、沈下橋は違う。いったん堤防を越えて河川敷まで下り、そこから水面ぎりぎりの高さを渡るわけで、親水性というか、まさに川と一体化したような気分を味わう。アナログ感覚なのだ。
 しかも、流されるということを前提に造ってある(ことが多い)ため、造作がレトロだ。架け替えることになっても安上がりで済むということを、したたかに主張しているようでもあり、また、いかにも地域住民の生活の道であるという土着性を滲ませている。実際に渡ってみると、道ではなく、橋を通行したということが実感できるのだ。いいねぇ。ちょっと腰を据えて取り組んでみたい素材だ。

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