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陸橋夕まずめ 2009/07/08 WED (No.2286） 　昨日も今日も沈下橋探検は電車利用だったので、行き帰りと、水分補給（生ビール）の間に、本を読む時間がたっぷり取れた。お陰で、宮尾登美子の「蔵（上下）」を読了。上・下巻とも450ページ以上ある大部だが、ぐいぐいと引き込まれて、いつの間にか読み終えていたという感じ。直木賞を始め、我が国の文学賞を総なめ、あまつさえ、紫綬褒章まで貰っちゃった評価は、決して伊達ではなかったということだ。 　全集15巻が出ているぐらいの多作家なのだが、どういうわけか、ボクはこれまで、この作家の本とはあまり縁がなかった。直木賞受賞作の「一弦の琴」、大河ドラマになった「天璋院篤姫」ぐらいしか読んでいなかったのだ。でも、この作家の力量には一目置いていたから、今回、たまたま入った本屋でこの「蔵」を見つけたときは、ためらうことなく手に取っていた。 　新潟の造り酒屋の三代目となる女性の話である。小学校に上がる直前に不治の眼病を患っていることが分かり、14歳で完全失明してしまうのだが、脳溢血で倒れた父親が稼業に執念を失っていく中、16歳にして三代目を継ぐのである。 　家は新潟でも屈指の富農であるが、主人公の失明だけではなく、次から次と家を不幸が襲う。家族はみな、それぞれに悩みを抱えている。しかし、その中でなお希望を失わず、前を向いて進もうとする人々、泣かせ所も多い作品であるが、なぜか、泣かされるよりは力づけられる気がする。読み応えのある名作だ。 　会話はすべて新潟弁である。しかも、時代は大正から昭和初期、古い言葉だ。分かりにくい言葉には字幕が付いているが、それでも慣れるまではちょっと読みにくく感じる。だが、読み終えてみると、これが標準語だったら全然つまんなかっただろうなと思うのである。この辺りも作家の力量なのであろう。 　初出は1993年から翌年にかけ、１年１ヶ月にわたった毎日新聞の連載。読者からの手紙の量で連載小説の新記録を作ったというぐらい、全国的な大反響を呼んだ。後に映画化、さらにＮＨＫでテレビドラマ化、舞台化もされてもいる。 初心者向け撮影会 日時：７月11日（土）午後５時〜７時半 場所：お台場水上バス桟橋集合 会費：1000円 三脚を持っている人は持参のこと。 申し込みは下の「キットにメッセージ」から。 購読解除はこちら 全バックナンバーはこちら 感想、ご意見などはこちらから。 「お散歩デジカメ　Premium Version」 日刊の有料メルマガ 購読料1,050円（月間）はクレジットカードからの自動引き落としです。 普及版と同様、「一日一枚」ではありますが、 有料だけのことはあるな！ という内容になっとります。 写真が上手になりたい人や、 キットのせいで人生を誤りたい人は 購読して後悔することはありません。 ただし、 購読しなくても後悔することはない 仕組みなので、貧乏な方は ご遠慮いただいた方が よろしかろうと存じます。 メルマガ登録・解除 お散歩デジカメ Premium Version >>  サンプル 詳細ページへ powered by まぐまぐプレミアム 今日のプレミア版 【内容】 展示作品：通常版「待合室」 エッセイ：姫宮落とし 今日のポイント：露出オーバー ネット撮影会講評：ナンさんの作品 「雨中の空中戦」 待合室