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ジョグおじ 2009/07/12 SUN (No.2290） 　来週の水曜日、７月22日に皆既日食が出現する。昔々なら宮廷お抱えの由緒正しき陰陽師が予測する事柄だったのだろうが、現代では新聞、テレビ、そこいらへんのおっさん、おばさんなどから容易に予測情報が得られ、しかも、日にちどころか、時間まで正確に教えてもらうことができる。 　今回の、日本で見られる皆既日食は46年ぶりなんだそうだ。ボクは（ここからは自慢話）、2003年11月にレイキャヴィクで金冠日食を見たことがあるから６年ぶりということになる（ここまで）が、日本国内に限るならば、次に見られるのは26年後だそうだから、世界中を追っかけて回る、世に言う日食マニアでない限り、今回が今生最後のチャンスということになる。26年後といったら86歳、それまで生きていることはあり得ない。 　そう思って去年、皆既観測帯に入っているトカラなどの鹿児島県南方諸島に宿を求めたのだが、時すでに遅く、屋根のあるところはどこも満員、来るなら野宿を覚悟せよ状態であった。 　しょうがないから、今生最後は諦めて、東京から部分日食を見ることにした。８割ぐらいは太陽が隠れるそうだから、まあ、冥土への土産話としては、鼻持ちならぬ自慢話の一歩手前ぐらいで済むであろう。地獄の居住者たちに嫌われなくて済む。 　問題は観測小道具である。昔、ボクらがガキんちょだった頃は、ガラス板にローソクで煤をつけて、それで観測したものだ。当時は学校でもそう教えていた。 　でも、今は違う。んなもんで見てみろ、目が潰れるぞ！と、国立天文台以下、あらゆる専門家が警告を発している。肉眼で見るだけでもヤバいのに、ましてや、望遠鏡やカメラレンズで見るとなると、もっとヤバいらしい。 　フィルターで有名なケンコーが、この機会逃さずにおくものか、とばかり、ＮＤ10000なるフィルターを発売した。その名の通り、露出倍数１万倍という、見た目には単なる真黒な板というフィルターだ。透かして見ても何も見えない。でも、これを使えば、普通の晴れた天候下なら、太陽が絞りＦ8、シャッター1/1250秒で写せるという。もし、このフィルターなかりせば、ボクのカメラは最高で1/8000秒までしかないから、Ｆ128まで絞らなければ撮れないということになる。不可能だ。 　というわけで、ネットで探した。どこをどう探しても売り切れ、まったく見つからない。と思って諦めようと思ったそのとき、あったんだよ、たった一軒だけ売り切れていないショップが。早速注文した。値段は１万４千円、たった一度しか使わないことが明らかなのに注文してしまったのは、やはりそこはプロ根性、と言っておこう（ああ、恥ずかし〜）。 　ただ、問題がある。表示ではあることになっていたけど、ホントにあるかどうかは不明。あったとしても、それが、当日までに届くかどうかも不明。場合によっては、日食が終わった後で届く可能性だってあるわけだ。単なる真黒な板が、遅れて届いても困る。困るけれども、注文しないと間に合う可能性もない。 　まあ、どの道、人生は賭けだ。写真家などというヤクザ商売は特にそうだ。遅れて届いてしまったら、ヤフーのオークションで売ることにしよう。買う人は、・・・・・、いないか・・・。 ケンコー「PRO ND10000」 日食撮影にあわせて発売されたNDフィルター 購読解除はこちら 全バックナンバーはこちら 感想、ご意見などはこちらから。 「お散歩デジカメ　Premium Version」 日刊の有料メルマガ 購読料1,050円（月間）はクレジットカードからの自動引き落としです。 普及版と同様、「一日一枚」ではありますが、 有料だけのことはあるな！ という内容になっとります。 写真が上手になりたい人や、 キットのせいで人生を誤りたい人は 購読して後悔することはありません。 ただし、 購読しなくても後悔することはない 仕組みなので、貧乏な方は ご遠慮いただいた方が よろしかろうと存じます。 メルマガ登録・解除 お散歩デジカメ Premium Version >>  サンプル 詳細ページへ powered by まぐまぐプレミアム 今日のプレミア版 【内容】 展示作品：通常版「路上遊戯」 エッセイ：静かな日曜日 今日のポイント：視線の流れ ネット撮影会講評：ナンさんの作品 「お出迎え」 路上遊戯