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万一の備え 2009/08/16 SUN (No.2325） 　マンションのベランダや通路に、蝉の死骸が横たわっている季節になった。正しいかどうかは知らないが、地上生活の寿命７日間といわれる蝉だから、死に場所まで選んではいられないってことであろう。今年は、例年に比べて付近の蝉は少ないようだが、それでも、毎朝５、６匹は死んでいる。間を置かずに掃除のおばさんが片付けてくれるのだが、午後になるとまた目につくようになる。中にはまだ虫の息で生きていて、か細い声で鳴いているようなのもいる。無常を感じるひと時だ。 　ところで、その蝉だが、羽が透明なクマゼミなどは、きわめて美味である。中国や東南アジア諸国では常食されている食材なのだ。 　料理法は簡単素朴。逃げないように羽をむしっておいて、生きたまま熱したフライパンであぶる。苦し紛れの鳴き声が喧しいが、そのうちに徐々に死に絶えて、最後の１匹の鳴き声が途絶えたら火を止める。塩コショウをパラッと振りかければ出来上がりだ。そのまま食う。パリッとした歯ごたえは、ちょうど小エビのから揚げのような食感だ。ビールのツマミに最高！虫食いの習慣は日本にもあるけれど、たとえばイナゴなどのように、天日干しをしたりする手間がかからない。便利な食材なのだ。 　採取はだいたい子供の仕事。国によっても違うが、100匹で10円前後が相場になっていて、物価が安い東南アジア諸国では、それでもけっこうな現金収入になる。せっせと蝉取りをしているガキどもは、決して遊んでいるわけじゃないってわけ。野原に椅子を置いて、長い竹竿を持ち終日座っている年寄りを見かけることがある。竹竿の先にはトリモチがついている。蝉を取っているのである。動けなくなった年寄りも、現金獲得のためにこうして働くわけである。 　味をしめたボクは、マンションの緑地でいろんな蝉を捕まえて、国産蝉も食えるかどうか確認してみた。ミンミンゼミはＯＫ。アブラゼミはちょっと癖があった。やはり、羽が透明なクマゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシなどが美味しい。もっとも、この試みが鬼嫁に見つかったときの恐怖感が忘れられないから、その後は味わう機会がない。通路やベランダの蝉の死骸を見て、ああ、もったいないと思うのは、ボクだけであろうか。 　ところで、アメリカの「Bits & Pieces」というサイトで面白い画像を見つけた。ゲテモノ食いのボクも、さすがにこのキノコだけは、触って楽しむだけにしておきたいと思ったのであった。 購読解除はこちら 全バックナンバーはこちら 感想、ご意見などはこちらから。 「お散歩デジカメ　Premium Version」 日刊の有料メルマガ 購読料1,050円（月間）はクレジットカードからの自動引き落としです。 普及版と同様、「一日一枚」ではありますが、 有料だけのことはあるな！ という内容になっとります。 写真が上手になりたい人や、 キットのせいで人生を誤りたい人は 購読して後悔することはありません。 メルマガ登録・解除 お散歩デジカメ Premium Version >>  サンプル 詳細ページへ powered by まぐまぐプレミアム 今日のプレミア版 【内容】 展示作品：通常版「飛行船」 エッセイ：リメンバ〜しまね 今日のポイント：動かないものは真ん中 ネット撮影会講評：休載 飛行船