このメルマガはHTML形式で配信されており、テキスト形式では画像が表示されません。メールソフトの受信設定をご確認ください。

非常口 2009/09/08 TUE (No.2348） 　今日の本は大沢在昌の「帰ってきたアルバイト探偵」。文庫で600ページはかなりの厚さだが、昼飯とその後のコーヒーの間に読み終えた。読みやすいし、面白い。 　13年ぶりのリュウくん復帰である。「アルバイト探偵」は、1991年の第５作「アルバイト探偵・拷問遊園地」でシリーズ終了と見られていたにもかかわらず、2004年に突如よみがえる。91年時点で高校２年生であったリュウくんは、13年後になっても高校生のまま、ただし、１年留年して４年生、18歳という設定になっている。時代背景は13年分をしっかり経過しているのに、登場人物は２歳しか加齢していないのである。まあ、このシリーズの主人公が30歳のオヤジでは格好がつかない。読む気も起きない。やはり、どこかあどけなさが残る少年が、国際陰謀の渦の中に巻き込まれて、切った張ったの活劇を演じるところに、このシリーズの醍醐味があるのである。 　大沢在昌と言えば、新宿署防犯課の鮫島警部が主人公の「新宿鮫」シリーズに代表されるシリアスハードボイルドが定番料理だが、この「アルバイト探偵」シリーズのような、コミカルタッチのハードボイルドも、実に手際よく料理してくれる。 　六本木のとある再開発区画で白骨死体が発見される。ＤＮＡ鑑定の結果、核爆弾を日本に持ち込んだ武器商人の死体であることが分かる。死体は出たが、核爆弾は見つからない。その核爆弾を巡って、警察、中国公安部、ロシアマフィア、米国の狂信団体などが、三つ巴四つ巴の争奪戦を繰り広げる。リュウくんと父親の冴木涼介は、奇妙な縁でこの騒動に一役買うのである。 　ストーリーは奇想天外だが、同じ奇想天外でも、こないだ駄作と断定した門田泰明「黒豹列島」とは出来が違う。メジャーリーガーとマイナーでくすぶっている選手とは、そもそもの才能がダンチなのである。どこか007のノリを彷彿とさせるこのシリーズ、退屈しのぎには持ってこいなのだが、忙しくても読むのを止められないのがちょっと困りものなのだ。 （キット評価：★★★★☆） 購読解除はこちら 全バックナンバーはこちら 感想、ご意見などはこちらから。 「お散歩デジカメ　Premium Version」 日刊の有料メルマガ 購読料1,050円（月間）はクレジットカードからの自動引き落としです。 普及版と同様、「一日一枚」ではありますが、 有料だけのことはあるな！ という内容になっとります。 写真が上手になりたい人や、 キットのせいで人生を誤りたい人は 購読して後悔することはありません。 メルマガ登録・解除 お散歩デジカメ Premium Version >>  サンプル 詳細ページへ powered by まぐまぐプレミアム 今日のプレミア版 【内容】 展示作品：通常版「緑の煙突と鉄塔」 エッセイ：定期点検 今日のポイント：休載 ネット撮影会講評：ナンさんの作品 「夏の花園」 緑の煙突と鉄塔