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レストランにて 2009/09/30 WED (No.2370） 　我が家では朝日新聞を長年購読している。新聞を替えるとオマケの景品が貰えるので、隙を見せると鬼嫁が別の新聞を契約しようとする。でも、この点だけは、いかに暴力の嵐に吹かれようとも譲らない。 　新聞を読むのは大好きだ。しかし、ボクは新聞の論調をそもそも信用しない。長年同じ新聞を読むのは、そうすることでその新聞社のクセが分かるようになり、新聞のウソを感知しやすくなると思うからだ。慎重に読むというスタンスを崩したくないのである。テレビでも雑誌でもそうだが、人は、警戒心を忘れると、つい無批判に人の意見を受け入れてしまう。言葉より文章、文章より写真、写真より映像のほうがその陥穽に陥りやすいので、テレビは最初から見ない。 　その朝日新聞に、とてもいい記事が載っていた。ＮＨＫの報道局記者主幹を最後にテレビ解説者に転じた池上彰が担当しているコラム、「新聞ななめ読み」の一文だ。「背景の”思想”伝える努力を」と題されたそのコラムで、池上は次のように述べている。 　「日本の新聞の政治面は政治面ではなく政界面だという批判がある。政治の中身や背景を報道するのではなく、政治家の人間関係や派閥の衰勢という狭い世界ばかりを伝えている。テレビにも当てはまる。絵になるニュースは大きく報道するけれど、その背景となっている事情や政治的考え方（思想や哲学）についてはほとんど報道しない。」 　その例として、池上はいくつかの例を引いているが、その中の一つ。 　「たとえば民主党が打ち出した子ども手当。この考え方の基本には、党の”子どもは社会で育てるもの”という”思想”がある。だからこそ所得制限をしないで一律に支給しようという発想が生まれてくる。その思想の是非を論ぜずに、子ども手当はバラマキだという議論ばかりを取り上げていては、政治面の記事に深みは出ない。」 　八ツ場ダムについても、「絵になる現場があり、絵になる反対派が存在することから、新聞もテレビも中止をめぐる動きは細かく報道するが、どうしてダム計画ができたのか、中止しようとする発想の背景にある思想とは何か、きちんと伝える努力を怠っている。そもそもダム計画のきっかけになったカスリン台風の話すら、各社はほとんど触れていない。」 　まったく、胸がスカッとするご指摘である。最近のマスコミは、現象面だけは正確に、正直に伝えてくれるから、その意味でのニュース価値はあるけれども、伝えられていない現象（マスコミが、アホな民衆には伝える必要がないと勝手に判断した現象）も必ずあるはずだし、そもそも、現象が惹起した背景にある事情や思想まではなかなか伝えてくれないから、結局、現象を解説する新聞社の意見の部分が独り立ちしてしまい、結果、それが事実に対する見方を歪めるのである。 　新聞は社会の木鐸であると言われる。けれども、その木鐸さんは、過去、人々を騙し、欺く歴史を繰り返し刻んできたではないか。騙されまい、欺かれまいという姿勢を持ち続けない限り、安易にマスコミに接するのは自殺志願をするのと同義であろうと思う次第。半分寝ぼけ眼でテレビをだらだらと見ている鬼嫁なんぞは、もっとも騙しやすい国民と言えよう。 購読解除はこちら 全バックナンバーはこちら 感想、ご意見などはこちらから。 「お散歩デジカメ　Premium Version」 日刊の有料メルマガ 購読料1,050円（月間）はクレジットカードからの自動引き落としです。 普及版と同様、「一日一枚」ではありますが、 有料だけのことはあるな！ という内容になっとります。 写真が上手になりたい人や、 キットのせいで人生を誤りたい人は 購読して後悔することはありません。 メルマガ登録・解除 お散歩デジカメ Premium Version >>  サンプル 詳細ページへ powered by まぐまぐプレミアム 今日のプレミア版 【内容】 展示作品：通常版「渋柿がいっぱい」 エッセイ：アイルランドの写真 今日のポイント：晴れちゃった ネット撮影会講評：休載 渋柿がいっぱい