ネムちゃんの作品


ピーカンの青空に白い浮雲というような天気ならいざ知らず、空の分量が多すぎて、逆に重苦しい写真になってしまった。空気感を描写するなら、空はもっともっと少なくていい。 ミズくんの作品にも同じカットがあった。彼の場合は、もう少し広めに切り取っていたが、それでもかなり画面が窮屈だった。こういう風に切り取るなら、いっそのこと、わざと水平を傾けて、真ん中のハラキリを斜めにしてやれば良かったのではないか。
斜面を覆う茶畑のたたずまいが良く描写されている。空をあえて入れなかったのが良かった。 構図は上出来。斜めの線が生きている。ちょっと手前がボケ過ぎたのが残念だ。ピント位置を4、5メートルぐらいのところにして、絞りをF16からF22ぐらいまでぐっと絞れば、手前にもピントが来る。
うまく切り取ったが、ちょっと単調すぎた。こういうパターン画像の場合は、壁紙などにするのならそれでもいいが、作品として見せたいのなら、何かアクセントが欲しい。 空気感がよく描写された1品。なかなかの出来だ。
手前はボケて当たり前だが、やりすぎはダメ。これでは、ボケが邪魔になってしまう。絞りをもっと絞れば、流れる水も流水らしくなるし、手前のボケも大人しくなる。 着眼点はとてもいい。ミズくんにも同じような作品があった。水平がきている分、ネムちゃんの勝ち!

なかなかの感性の持ち主と見た。この写真は、手前とバックがボケているのが命。棚田に付き物の石垣を主役にするなんざ、只者じゃないね。100点!
上が100点なら、この作品は120点。解説はいらない。迫力のある感動的な写真だ。ただし、こういう写真は壁紙向きじゃないね。半切ぐらいに焼いて額装しなさい。賞品はないけど、今回の講師賞!

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