松之山の茅刈りボランティアに参加した。去年に続いて2度目の茅刈りだが、こういう作業は慣れるということはないもので、去年同様くったくたになった。
お散歩ネットから参加したのは相沢くんとKhanさん、それにボクの3人。相沢くんは春の茅葺きボランティアに続いて2度目、Khanさんは初参加である。おそらく紅葉狩り渋滞と思われる関越を北上し、集合時間にわずかに遅れて松之山に着いた。今回はボクらを含めて約30名の参加である。遠くは名古屋から参加してくれた娘さんや、高校生、大学生も混じり、平均年齢が下がった分、去年よりは作業も相当はかどった。お天気も秋晴れだし、茅場の周囲は紅葉真っ盛りだし、野良で食べるお昼やおやつは美味いし、言うことなしの休日になった。
ところで、茅葺きの「茅」というのは、地方によっていろんな材料を使うが、もっとも一般的なのが「ススキ」である。新潟・松之山でも茅刈りと言えばススキ刈りなのだ。ご承知のように、ススキというのは群落する植物だから、毎年刈り取る場所を決めておけば、刈った後の地面には日光が届くようになるのでススキの株が太るし、翌年のススキは背も高くなる。そうすると、茂っている間の地面には日の光が届きにくくなるのでススキ以外の雑草は徐々に駆逐されていくのである。このようにして、茅葺きのための茅の、ある意味で養殖場のようになった場所のことを「茅場」と呼ぶ。東京中央区の、証券取引所がある町は茅場町だが、ここも江戸時代から明治の時期までは正真正銘の茅場だったのだ。
しかし、日本全国で、もはやそういう本物の茅場はすっかり姿を消してしまった。茅の需要がないからだ。そのため、空き地があればどこにでも生えてくる、厄介者のススキに高値がつく。辛うじて残っている茅葺き民家の一番の悩みが、そのススキの高値なのだ。屋根を全面葺き替えすると、1千万円単位で札束が消えていく。そんなお金をかけるぐらいなら、近代的な住宅に建て替えてしまえというのが、茅屋が消えていく原因なのである。
松之山のボランティア団体「茅屋」は、消えゆく茅葺きの風景を何とか後世に残そうという意思で活動している団体である。ボランティアのタダ働きで刈った茅なら、市価よりうんと安く分けて上げられる。去年は、ボクらが刈った茅で、4軒の茅屋根が補修された。補修作業も「茅屋」のボランティアがやった。いずれも、ボクらの茅がなければ取り壊される運命にあった茅屋だ。普段、カメラより重いものを持ったことがないロートルの写真家なんぞが参加しても、さほどの役には立たないだろうけれど、茅屋のある風景の写真を撮っておまんまを食べさせてもらっているからには、この程度の恩返しはしなきゃいかんだろう。 |
|
大きな写真は ⇒ ブログ版。 |
|
撮影データ |
カメラ
OLYMPUS
Camedia C8080 WZ |
撮影日 |
05/11/05 12:53 |
ISO感度 |
100 |
絞り |
F3.5 |
シャッター |
1/1600 |
露出補正値 |
-2/3 |
WB |
自動 |
露光方式 |
絞り優先AE |
測光方式 |
評価測光 |
合焦方式 |
スポットAF |
焦点距離
(35mm換算) |
35.6mm
(140mm) |
その他 |
手持ち撮影 |
レタッチソフト |
ちびスナ |
バックナンバーはこちらで。
ご意見、ご質問などはブログ版のコメント欄にお書き込みください。数日遅れになることもありますが、同欄にてご返事させていただきます。 |
天才キットが送るメルマガ
もどうぞよろしく!
購読解除はこちら
著・キット・タケナガ
「デジタル・写真の学校」 |