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山居倉庫冬景色 2007/12/04 TUE（No.1706） 　鬼嫁の実家の菩提寺の住職は、近所でも評判の怠け者であるらしい。なんと、明日の通夜には出てこないというのだ。集落のばあちゃんたちが御詠歌を詠うだけの通夜になる。まったく、なんという坊主であろうかと思うが、文句を言うと、代々の墓をほかに移せと脅されるという。ご先祖様を担保に取っているつもりでいるらしい。 　でも、菩提寺の住職だから、葬式で読経をしてもらう人に替わりはいない。しょうがないというので、うちの和尚さんが、通夜の前夜に、親類だけの内輪の告別式を司ることになった。宗派は違うけれど、真心がこもった告別をしたいと思うのは、親族の偽らざる心境である。 　約１時間半の、厳粛な告別式だった。うちの和尚さんは仕事がないときは日がな一日ネットゲームにウツツを抜かしているような人間だが、仕事となると人が変わったみたいに真剣になる。義母も、これで安心して極楽に旅立つことができるだろう。 　これが昨夜のこと。今日は本式の通夜である。事前に遺体を湯潅し、装束を着せ、化粧を施す。やるのは葬儀場の人だけれど、遺族も手伝わされる。誰しも遺体に手を触れるのは嫌なものだが、この葬儀場では、そうすることによって、遺族に心から故人を送る覚悟を固めさせる方針なのだそうだ。実際、自分たちで極楽への旅路を準備してあげると、悲しさもずいぶん和らぐし、死化粧の義母が、まるで喜びに顔をほころばせているように見えるのだ。 　通夜には300人ほどの出席者があった。驚いたのは、そのあとの通夜振る舞い。普通は、ビールを１、２杯飲んで、ちょっとつまみをつまんで、15分か20分ぐらいで、しかつめらしい顔をして帰るものだと思うが、ここは世間の常識が通用しない庄内である。あちこちで宴会が始まるのだ。1時間経っても、2時間経っても居座っているグループがたくさんある。賑やかに故人を送るなんてものじゃなく、本気で宴会をやるのである。 　結局、最後の客が帰ったのは午前２時。遺族としては、最後まで付き合うしかないわけで、さすがにぐったりしてしまった。明日は朝７時には女性たちの着付けが始まるから、早起きしなきゃいけない。やれやれだ。 大きな画像はこちら。 購読解除はこちら 「お散歩デジカメ　Premium Edition」 日刊の有料メルマガです。購読料は１ヶ月1,050円。　　　 【主な内容】 １日１枚の参考写真とエッセイ RAW現像やレタッチの技法 撮影技術解説 ネット撮影会の作品と講評、など。 購読申込みはこちら。 購読料はクレジットカード、もしくは ジャパンネット銀行 からの自動引き落としです。 今日のプレミア版 未舗装国道 【内容】 展示作品：ダミー版「未舗装国道」 エッセイ：休載 今日のポイント：休載 ネット撮影会講評：休載 お散歩ネット会員のための 現　像　講　習　会 日時：12月8日（土）午後３時〜５時 会場：新宿・東京ビジネスホテル 会費：1,200円 講師：キット　タケナガ、市川ソフトラボラトリーのSILKYPIX開発担当者 受講希望者は前日までに、GREEのお散歩ネットコミュニティの「イベント」に参加表明すること。