明日が上弦の月、次の満月は12日である。満月の日に待宵草(マツヨイグサ)の写真を撮りたいと考えているので、今夜はその予行演習をした。群生して咲いているところを見つけてあったので、午後8時過ぎに撮影開始、終了したのは零時を回っていた。
待宵草、通称月見草と呼ばれるこの黄色い小さな花は、お名前こそ高貴な感じだが、逃げも隠れもしない雑草である。夜を待って咲くという名の通り、かなり暗くならないと開花しないし、朝にはしぼんでしまう1日草。ただ、次から次に蕾をつけるので、ほとんど夏中花が絶えない。一花終わるごとに背が伸びて、しまいには人の背丈ほどにもなる。
やるせなさの代名詞になっている宵待草(ヨイマチグサ)は字順をひっくり返しただけで、同じもの。月見草は残念ながら別種で、白花である。月をバックの写真なら、この本物の月見草の方が雰囲気が出るのだが、残念ながら野辺に咲いているのを見つけるのはかなり難しい。
しかし、藪の中で4時間も汗を流していたら、10ヶ所ほども蚊に刺された。蛇対策に長靴だけは用意していたのだが、蚊にまで気が回らなかったな。本番では蚊対策も考えなくてはいかん。
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【使えるワザ】咲いている場所は4号バイパスの道路脇のヤブ。ほとんど茨城県に近いところ(五霞町)。田舎なので、街灯はなし、真っ暗。明るいうちに下見をしておかないと、どんな事故に遭うか分かったものじゃない。ただ、側道になっている農道に自分の車を止めて、ヘッドライトを上向きにしていれば花には光が当たる。光源はこのヘッドライトと懐中電灯だけということだ。
ピント合わせはマニュアル。レンズから花までの距離を目算でセットしておいて、細かいところは花に懐中電灯の光を当てて確認する。
露出は適当。バックは、カメラの限度一杯の16秒露光でも真っ黒になるから問題ないが、花はちゃんと「黄色」になってもらわなくては困る。露出不足だとオレンジ、露出過多だと白になってしまうからだ。そこで、カメラを目一杯花に近づけてシャッターを半押しし、花だけの露出を測る。この場合、ピントは合っていなくても構わない。絞りとシャッター速度の組み合わせが分かればいいだけだ。そうして測ったシャッター速度の前後をずらして、かれこれ150枚ばかり撮った。ヘッドライトだけ、懐中電灯照射、ストロボ発光(スレーブ主体)などを組み合わせながらだ。150枚で4時間はかかりすぎ?風が止む瞬間を待つ時間がほとんどでした。
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