火星がお近くにお越しらしい。何万年ぶりの大接近などと新聞に書いてあったのだが、自他共に認める天文音痴のボクには、そもそも火星などという「点」がどうして地球にすり寄ってくるのか、その理由も分からないし、近くにきたからといって「・」であることには変わりはないのだから、まあ、なんの関心もなかった。
ところが昨夜、専用喫煙室(ベランダ)でタバコを吸っていたら、薄曇の夜空にピカピカ光っている「・」を発見した。薄曇だから他の星は当然見えもしないのに、こいつだけがキラキラしているのだ。
はは〜ぁん、これが噂の火星ちゃんだな、とピンときたのは、ボクが新聞記事をちゃんと覚えていたからに他ならない。天文音痴だが、記憶力は希に素晴らしいことがあるのだ。
さっそくカメラと三脚を引っ張り出してきて1枚。テレビの前で大の字になって居眠りしていた鬼嫁に、「おい、火星が見えるぞ」と教えてあげたら、「それがどうした」と言われてしまった。
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【使えるワザ】今日の写真は、老人と目が悪い読者には「?」であろうが、よ〜く目を凝らして見ると、ちゃんと「・」が写っているのだ。
こういう小さな「・」なので、長時間シャッターだとノイズが出て、それとの区別がつかなくなる恐れがある。したがって、シャッター速度はマニュアル設定の1秒。普通にカメラ任せのAEにすると、最長の4秒近いシャッターになってしまうところだ。お台場撮影会で1年分ぐらいの夜景を撮ったので、ボクのカメディアでは2秒になるとノイズが出ることが分かっていた。ノイズリダクション機能をオンにしていてもダメなのだ。
絞りは開放(f2.8)、さらに+2の補正をかけている。いくらすぐそこまで来ている火星といったって、めっちゃ明るいというわけではないから、できるだけカメラに光を取り込んでやらないと、単なる真っ黒けの写真になってしまう可能性が大きいからだ。
長時間露光で星の軌跡を写した写真は何度も撮ったことがあるが、1個だけ写っている風景写真ってのは初めてだな。
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