Kit the genius'
☆ 1日1枚 

Fujifilm Finepix4500 Camedia C-4100
ヘアピン棚田 2003/09/30 TUE
 新潟県の津南町というところに泊まった。長野県との県境にある町である。山間部なので、そこら中棚田だらけだ。
 今日は正午ごろ自宅を出て川越から関越道に乗り、湯沢から一般道を走った。埼玉県内ではすでに半分ぐらいの田んぼですでに稲刈りが終わっているが、このあたりは標高が高いこともあるのだろう、まだほとんど手がついていない。出かける前に松之山町の役場に電話して確認したら、「今週末が稲刈りのピークでしょう」ということだった。雲ひとつない秋空のもと、色づいた田んぼが、あっちにひとかたまり、こっちにもひとかたまりと、山々の深い緑の中で黄色く輝いている。山あいを走る国道はほとんど車も通らないので、道端に停車して撮影するのも楽だ。
 普段はたいがい道の駅で車中泊するのだが、地図を見てもそれらしいものが近くにない。津南町の役場に寄ったついでに聞いてみたら、この宿を紹介してくれた。「しかわたり」という無人駅の前にある商人宿で、それはそれはうらびれた宿だが、ご主人はなかなか親切な人だし、食事も温泉もいい。ただし、撮影中に宿に泊まると、朝出が早いので朝食にありつけないこともある。明日は午前4時半に食事、5時出発の予定。幸い、ご主人はいやな顔一つせず、「いいですよ」と言ってくれた。


使えるワザ 国道353号の道沿いにある極小の棚田である。山を下る道がヘアピンにカーブする懐部分が二段に耕されている。下の田んぼはさし渡し3メートルぐらいしかなさそうだ。去年、三重県で直径50センチぐらいの、洗面器みたいな田んぼを見たことがあるが、ボクの記憶ではそれに次ぐ小さな田んぼである。
 車が通ってくれないと絵にならないのでしばらく時間がかかった。国道なのに交通量がとても少ないからだ。たまにエンジン音がしたかと思うと軽トラックだったりする。軽トラックじゃ絵にならない。できれば真っ赤なオープンカーでも通ってくれたら最高なんだが、こんな山の中じゃ無理だろうな。
 黄色い田んぼはけっこう反射率が高い。手前に生い茂るススキの穂も陽射しを反射している。こういう場合はプラス補正というのが常識だが、日陰になっている背景の山や集落部分はこの際まともに写る必要はない。写って欲しいのは田んぼとカーブする国道の部分だけなので、あえて補正していない。常時設定の-0.7のままだ。プラス補正して、田んぼの黄色が飛んでしまっては元も子もない。それでも、まともに陽射しを浴びている白い車は飛んだ。
撮影データ
カメラ Camedia C-4100
撮影日 2003/09/30
ISO感度 100
絞り値 F4.0
シャッター 1/200
露出補正値 -0.7
WB オート
その他 シャッター優先AE
コントラスト+3
彩度+1
バックナンバーは
「天才キットのフォトギャラリー」
に展示してあります。
毎日、多数のメールが寄せられるので、直接のご返事は原則としてご勘弁いただいています。数日遅れになることもありますが、下のコラムに掲載してご返事とさせていただきます。ただし、実名は掲載いたしません。ご了承ください。
天才キットが送るメルマガ


もどうぞよろしく!
このメルマガの購読解除はこちら

読者からのメールや質問やヤジ

砂名ちゃんから
 キット先生、こんにちは。9/26付の「黄色い風船」に感動しました。私の大好きな映画、アルベール・ラモリス監督(仏)の「赤い風船」を彷彿とさせます。全体のコントラストを上げ、風船を際立たせ、まるで風船が生きているかのように表現する…洋の東西を問わず、「天才」の美意識と発想はスゴい! しかもアスファルトに映った梢の影の、なんと儚げで美しいこと…。ラモリス以上です。
ちなみに「赤い風船」は、拙誌でも紹介しましたが、カンヌ映画祭短編グランプリを受賞しています。たわいもない、感想文で失礼いたしました。

返信
 「赤い風船」って映画は観たことがあるような気がするんだけどな。どこでどうして観たのか、そのへんの記憶がない。砂名ちゃんのメルマガを読んで、デジャヴ感があったから、確かに観たはず・・。
 でも、風船ってヤツは、どことなく懐かしい記憶を呼び起こさせるものだよね。ゆったりと時が流れていた子ども時代の時間感覚を思い出させてくれるからなのかも知れない。

けんちゃんから
 キット先生、こんにちは。「小さな沢」の写真を講評していただいた「けんちゃん」です。
 御丁寧な講評をいただいたうえに、お知恵を授かりありがとうございます。夜景や望遠端で撮影する時に、レリーズ代わりにタイマーを使ったことはあったけど、一脚と雲台の組み合わせは思いもよりませんでした。早速わが家の小鬼嫁におねだりします。

 ご指摘のコントラストの甘さと、オーバー気味の露出については、このたびは構図やシャッタースピードを考えるのが精一杯で気がまわりませんでした。新しいカメラにも少し慣れてきたし、毎日色々な技を教えていただいているのだから、もう少し頭を使わなければいけませんね。

 また、先生には仕事が増えて大変だと思いますが、土砂降りの中の巾着田撮影会を楽しまれた皆様と、先生の作品の掲載を心待ちにしています。これまでに雨上がりや、「ぶわぁ〜」と水滴を吹き付けて撮ったことはあるけど、雨の中での撮影はほとんどないので、どんな作品が拝見できるのかとても楽しみです。


返信
 うーむ、弱った。そうなんだよな、巾着田の写真をアップしなきゃいけないんだ。写真は全部揃っているし、表紙もできてるんだけど、肝心の講評原稿が・・・。

ネムちゃんから伊良湖のじいちゃんへ
 じいちゃんまで励ましてくれてありがとう。

 2月の撮影会には参加するつもりですが、まだ決定ではありません。恐らく1月ぐらいにならないとはっきりしないと思います。けど参加するとなったときは、宜しくお願いしますよ。ただし、お酒の相手は、キット先生にお任せしますけどね。

 最後にナムちゃん(お坊さんみたい。南無ちゃんってか)じゃありませんよ。ネムちゃんです。これからも宜しくお願いしますね。

伊良湖のじいちゃんからネムちゃんへ返信
  いやいや!!
 HP黙ってみたよ。刷り上がりを見る繊細な感性は理解できます。かつて、100ブンの1を測定するマイクロメーターから1000ブンの1を読んでいた時代を思いだしたよ。

 しかしアイコンに異議アリ!可愛い小ネムちゃんの画像を公開したらダメだよ。これが原因で拉致されたらどうするの!!!奥さんに何て言うの。拉致されるのはアホな親父がいいよ。

よしつぐさんから
 キット先生、「お散歩デジカメ」を毎日楽しみにしております。
 私は、教育者というか、教育アウトサイダーというか、48歳のときにある有名企業から教師になりました。以来、16年になりますが、どういう因果か荒れ放題の高校と中学校を1年間という短期間で、ごく普通の学校に戻す実践をしてきました。その手法を「テトラS」と申します。そういうことで、66歳の今頃になって、全国各地の中高校を歩いて、いらぬお節介を出しています。アマの教育者を名乗っていますが、どういうことか教師の勉強会に引っ張り出されています。

 そういうことで、パソコンも、これまた素人の私が、無理にHPを出す羽目になり、果てはメルマガまで始めてしまいました。メルマガはHTMLで契約したのですが、どうしても写真などのファイルを貼れずにごまかしのページを恥ずかしながら出しております。

 さて、話がそれました。そういうことで教育啓蒙サイトを出しております。その中で、「感性教育」を促すページがあり、そこに先生のバナーを貼り、リンクさせて頂きました。「読むべし」と「正体」を拝見し、お心の広さに敬意を表しつつ、事後報告申し上げる次第です。
 サーバーの都合で、以前のURLが使えなくなり、新ドメイン取得時に「日本語ドメイン」に色気を持ったのが運の尽きで、検索エンジンにも今のところ引っかからなくなっております。そういうことで、行方不明になったサイトを愛読者にお教えするのに躍起になっているこのごろです。
 どうぞ、上記の件お許しくださいますように、お願い致します。

返信
 アクセスするのにちょっと手間取りましたが、貴HPを拝見しました。写真の掲載に関して、わざわざお知らせいただき恐縮しています。どうぞご自由にお使いください。
投稿写真をけちょんけちょんにけなすコーナー
みーちゃんの投稿写真
 いつもメルマガ楽しみにしてます!みなさん仰ってますが、やっぱり毎日の習慣になっていたメルマガが数日止まると寂しいですねー(^^)まとめて数日分来たときは読むのもタイヘンだったけど、先生はもっとタイヘンですよねー。でもやっぱり数届くメルマガの中でこれが届くと真っ先に読んでるし。もう習慣ですわ(笑)

 ところで、久々に講評をお願いしてみようと思います。実は、店で従業員写真コンテストなるものをやってまして、一人いくつ出してもOKなので既に3点ほど出したのですが、これも出してみようかな??とちょっと迷ってるものですから。

 HPに載せてるものなんですが、日没時の知床、プユニ岬から海面と流氷を撮ったものです(カメラは3年くらいまえのEOS Kiss)。数日の撮影で、持参したISO400のフィルム5本を使い切ってしまい、間に合わせに、しかもケチってISO100のものを買ったのでそれで撮ったものです。低感度ゆえに、色が全然綺麗に出ていませんが、かえってそれが水墨画みたいで面白いかな?と思って以前TOPにも貼ってみたところ、意外にも?好評だったのを思い出し、これもコンテストに出してみよっかな?なんて考えてるんですが・・いかがでしょう?あまり恥ずかしいものは出したくないし(笑)(従業員対象のものだから、バックルームの机の上にぽーんと置いてあって、見ようと思えば誰でも見れるし(笑))

 あ、ちなみにこの写真は、紙焼きプリントをスキャナで読み込んだのではなく、ネガをフジカラーCDにしてもらってあったのでそれからHP用に縮小したものです。撮影時は・・・だいぶ前なのでかなり忘れたんですが、絞り優先でF11くらいにしたよーな・・・気がします。。。すでに記憶の彼方なんで・・スンマセン(^^;)

 一人何点出してもいいとは言っても、6ツか4ツで出さないといけないので、作品が返ってきた(つまり落選した)時の事を考えておかないと、あまり何点も引き伸ばしても全部は部屋に飾れないしねぇ(笑)(しかも店長曰く、4ツだと通りやすいそうなので、出すなら4ツに伸ばさないといけないし(笑))

 そうそう。そのコンテストに、HPに載せてる、エゾリスが正面向いてる写真(HP載せてる段階では周りをだいぶトリミングしてます)も出してみたんですが、店長が、いいねぇ、って言ってたので、逆に惜しくなってきがよーな気が(笑)だって入選したら原版(つまりネガ)を渡さないといけないので・・・。絵にもよりますが、花なんかの写真ならまた条件を狙えば近いのは撮れるだろうけど、野生動物が、しかもこっちを向いてくれている写真など、おそらくもう2度と撮れないだろうし。狙って撮れるもんじゃないだけに、ネガ取られたら困るなぁ・・・なんて取らぬ狸の皮算用してるのでした(爆)。

[第2便]
 さっきメール送ったんですが、スミマセン、名前忘れてました。みーです。。(^_^;)(-_-;)


講評
 あわてもののみーちゃん、久々の登場です。
 えーっと、写真の講評に行く前に、いくつか気付いた点を・・・。

 ISO100のフィルムが低感度だから発色が悪いということはありません。むしろその逆だと考えていいと思います。
 感度の違いというのは、フィルム面に塗ってある感光物質の多い少ないなんです。感光物質が少ないと少ない光の量で露光できるので高感度、逆に、感光物質の量が多いとたくさん光が必要なので低感度というわけですが、お気づきのように、低感度フィルムは感光物質が多い=粒子の数がたくさん=デジカメで言えば画素数が多い、ということなんですね。ですから、発色傾向は同じであっても、よりきめの細やかな画像が得られるということなので、プロが低感度フィルムにこだわるのはそれなりに理由があるってわけです。
 低感度フィルムが安いというのもちょっと違います。ネガの場合、どうしてもアマチュアのコンパクトカメラ用需要が多いので、ISO400が量産効果で安いのですが、ポジの場合はプロ用途としてISO50とかISO100がたくさん出ますので、逆にISO400の方が高くなっているわけです。800や1600になると、ほとんど需要がないのでもっと高くなります。3200ともなると、フィルム1本で家が一軒・・・なことないか。

 コンテストに入賞して提出したネガ(またはポジ)が戻って来ないってのは無茶だねえ。そんなバカな話は聞いたことないよ。どこの写真屋さんか知らないけど、従業員対象だからってことで、相当無茶なことを要求していると思うね。多分、コンテストで入賞した写真は店頭に飾るとか、ブローシャーやチラシに載せて装飾用、宣伝用に使うんだろうけど、それに見合うだけの賞品が出るの?まして、原版まで没収というのは許せない。
 入賞したとして、提出するのはデュープ版にしたらどうですか。1枚200円ぐらいでできるでしょう?絶対に原版を渡しちゃダメですよ。

 さて、では講評を・・・。
 絞りはF11ぐらいまで絞れば十分です。ただし、いただいた画像はややアンダーですね。海面に朝日が反射しているコントラストの強い画面なので、カメラは強い光を拾ってかなり暗めに写そうとします。そのために、肝心の流氷が岩のように黒くなってしまったわけです。

 この流氷を白く写す必要はありません。それだと、海面が飛んでしまって絵にならなくなります。ですが、少なくとも岩ではなく氷であるということが分かる程度にはしてやらなければ、解説付きでないと分からない写真になってしまいます。露出で半段か、その程度です。プロはこういうシチュエーションでは、1/4段ずらしで8コマ、または1/3段ずらしで6コマは写します。非常に微妙な差がこの場合すごく大切だからです。ちょうどド真ん中に写っている流氷ぐらいの描写が、その上の一番大きな流氷ででるぐらいのところがいいんじゃないでしょうか。

 ああそうだ、原版はネガということなので、紙焼きで多少オーバー目に何枚か焼いてみてはいかがですか。ポジと違って、焼く段階で多少の融通が利きます。僕が言わんとするところが分かってもらえると思いますよ。明日残業して試してみて下さい。

表示されない場合はこちら
撮影会のお知らせ
10月18、19日(土・日)の撮影会は初の東北シリーズです。
申込みは今日で締め切りです。
詳細はこちら
お問合わせ、お申込みはから、

表示されない場合はこちらからどうぞ。
アンチウィルスソフト「ノートン」をご使用の方へ

ノートンのセキュリティ機能がブロックするため、「問合わせ」「投稿」などの送信機能が遮断されます。また、ホームページの掲示板への書き込み送信もできません。これを解決するためには、「ノートンのアイコンをクリック」⇒「オプション」⇒「インターネットの欄の電子メール」⇒「スキャンする対象」と進み、「発信電子メールをスキャン(推奨)」という項目のチェックを外します。「OK」をクリックし、ノートンのウィンドウを閉じます。以上の操作で送信機能が働くようになります。