夜中に解熱剤を3度も服用したので、たぶん胃の中はザラザラだろうが少なくとも明け方になって熱は下がり、やっと少しだけ眠ることができた。今日は蔵王の地蔵山頂まで登ることになっている。ターゲットはモンスターである。
蔵王温泉のロープウェイ乗車口のあたりでは、時おり青空が空の一角に顔を出すようなお天気だったが、山頂は予想通り、ガスっていてまったく視界がきかない状態だった。零下15度の風がまともに吹き付ける。とてもじゃないが撮影できるような状態ではない。でも、別にがっかりすることはない。こういう風にお天気が悪いところだから樹氷が発達してモンスターになるわけなので、青空をバックに撮れるなんて幸運は10日に1度あるかないかが常識なのである。風邪でひーひー言っている状態のボクにいつもの神通力が発揮できるはずもなく、ロープウェイの乗車賃2,500円はドブに捨てたも同然であったが、写真家なんて職業にはこういう運不運はつきもの、いちいち落ち込んでいたら身が持たんのだ。
ロープウェイを途中の樹氷高原駅まで下ると、多少はましなお天気になる。山頂のモンスターはここでは見ることができないけれど、フツーの樹氷ならいくらでも見られるので、持ってきたスノーシューを履いてそこらへんを歩いてみた。けれども、やっぱり体調がついていかない。10歩歩いたら息が上がり呼吸困難になるような按配で、なんとか100歩ぐらいは頑張ってみたけどさすがにそれが限界だった。このあたりでも気温は零下10度ぐらいはある。息が苦しい、寒い、その上、解熱剤で頭がボーッとしているでは撮影にはならん。さっさと諦めた。このあたりの諦めの良さはキットくんの美徳とするところなのである。
午後は会津に戻り、昨日撮ったSLの上りを撮影。零下7度、強風で舞い上がった地吹雪で前がよく見えないぐらいの悪天候である。こんなときに野外で待機するなんて気力はこれっぽっちも残っていない。まっすぐ翁島の駅を目指す。ずうずうしくも、駅舎からぬくぬくと撮ろうというのである。隣りの磐梯町駅や磐梯高原駅と違ってこの翁島は吹けば飛ぶようなちっこい駅なので、てっちゃんの姿もあまり多くなかろうと踏んだのだが、目論見どおり、ホームの待合室はがらがらでボクらしかいなかった。三脚を窓の外に立て、そこからケーブルレリースを室内に引き込んで一丁上がりという、他の人がそんなことをやっているのを見たらけちょんけちょんに罵ってやる撮影法を堂々とやってしまう、節操のないキットくんなのであった。
今回の参加者は全部で11名、車3台に分乗であったが、他の2台は基本通りに野っ原で撮ったそうだ。いやいや、ご苦労さん!キミたちみたいな正しいカメラマンがいてくれて、ほんと良かったと思っている。
磐梯熱海温泉のかんぽの宿に集合し、温泉に入ってから解散。新潟に帰るけんちゃんや東北方面のゴン太らは吹雪で大変だったみたいだけど、東京方面はなにごともなくご帰還。帰りも後部座席で熟睡させていただいたボクが「なにごともなく」などと言うのは口幅ったいところではあるが、みなさん午後11時前後には帰宅できたみたいで、最後まで強行軍にならずに安心した。ボクは、家に戻って鬼嫁の顔を見たらまた熱が出た。 |
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撮影データ |
カメラ
CANON EOS1D MarkII
EF 28-135mm IS USM |
撮影日 |
06/02/12 16:28 |
ISO感度 |
100 |
絞り |
F8 |
シャッター |
1/50 |
露出補正値 |
-1/3 |
WB |
晴天 |
露光方式 |
絞り優先AE |
測光方式 |
評価測光 |
合焦方式 |
スポットAF |
焦点距離
(35mm換算) |
135mm
(176mm) |
その他 |
手持ち撮影 |
レタッチソフト |
ちびスナ |
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