Kit the genius'
☆ 1日1枚 

Fujifilm Finepix4500 Camedia C-4100
トンネルの怪人 2003/09/12 FRI
 昨夜はケオくんをホームステイ先から誘拐して、ボクと同じ「アジア太平洋農村研修センター」に泊まってもらった。会うのは2年ぶりなので、積もる話もあるし、焼酎はうまいし、ずいぶん遅くまで起きていた。フェアウェルパーティーの喧騒が明け方まで続いていたので、どうせ眠れやしなかったのだ。英語ではなく日本語で会話ができる。発展途上国はどこでもそうだが、勉学の機会を与えられた若者は決してそれを無駄にはしない。6年間も英語を勉強して片言もしゃべれないどっかの国の若者たちとは気構えが違うのだ。
 午前中は、小雨が降ったりやんだりのお天気。湖(ダム湖)の周りの集落を訪ねて回った。山の中まで舗装道路が続いているのが信じられないケオくんは、道中ほとんど無言で、ただ目を見張っていた。田んぼに出ていたばあさんと立ち話をしたが、鹿児島弁がまったく理解できない彼は、日本語会話能力に対する自信を失ったようで、ちょっと意気消沈気味。
 午後になれば台風の影響がかなり薄れると天気予報が言っていたので、それを頼りに、昼から佐多岬に向けて出発。途中、例の土砂降りが続いたので半分諦めていたのだが、着いたときには雨は上がって青空が覗いていた。残念ながら台風一過とは行かず、岬からの視界はほとんど効かない。それでも、初めて海を見たケオくんは大感激の面持ちだった。南の方向を見ながら、「シンガポールまでどのくらいの距離ですか?」と聞くので、「飛行機なら6時間、泳いだら6年」と答えてやった。
 夜は、地元で歯医者をやっている同期生のSくんが飲ませてくれた。40年近く会っていなかったのに、会ったとたんに二人とも高校時代に戻ってしまう。同期生っていいね。松茸づくしの料理と芋焼酎、矢でも鉄砲でも持って来いってんだ、コノヤロ。しかし、研修センターの門限が10時なので、早めに切り上げなくてはならなかった。蛇の生殺しとはこのことだね。

使えるワザ 佐多岬有料道路の終点の駐車場から岬の突端までは約30分の歩き。途中にトンネルがある。風が吹き抜けるので、歩いて汗まみれになった体には何よりありがたい。
 トンネルの中で出口に向けてカメラを構えたときには、トンネルの中を写したいのか、トンネルの外を写したいのかで露出設定がまったく異なる。画面の中に占める暗い部分の割合が極端に大きいので、露出計はとにかく明るく写そうとする。そうすると、トンネルの外の景色は完全に飛んでしまって、一体何が写っているのかさえ分からなくなる。露出補正を大きくマイナスにしてやると、外がちゃんと写り、トンネルの中の部分は真っ黒になる。反対に、プラスに補正してやるとトンネルの中がある程度描写されるが、外は真っ白になる。
 この写真では、狙いは外の景色ではなく、トンネルの中の照明に照らし出された人物だから、ややプラスに補正してある。ただし、人物をシルエットで写すのが目的だから、ストロボは使わない。モデルになったY先生は自分を写してくれたと思っているだろうが、お生憎様、あなたはシルエットモデルなのでした。
撮影データ
カメラ Camedia C-4100
撮影日 2003/09/12
ISO感度 100
絞り値 F2.8
シャッター 1/4
露出補正値 -1.0
WB オート
その他 オートAE
コントラスト+1
彩度+1
手持ち撮影
バックナンバーは
「天才キットのフォトギャラリー」
に展示してあります。
毎日、多数のメールが寄せられるので、直接のご返事は原則としてご勘弁いただいています。数日遅れになることもありますが、下のコラムに掲載してご返事とさせていただきます。ただし、実名は掲載いたしません。ご了承ください。
天才キットが送るメルマガ


もどうぞよろしく!
このメルマガの購読解除はこちら

読者からのメールや質問やヤジ

タダヨシくんから
 6日の「そよ風」は秋の色が本当に綺麗です。水の漣にゆれる金波とワインカラー(ロゼ)。揺れるススキの葉に涼しさを感じます。私ももっと出歩いて撮り捲らなければ…へたな鉄砲も…。
 KIT先生の撮影データには−補正が多いのですが、理由はどのへんにありますか?私の頭には黒い建物は+、白い花は−ぐらいの知識しかありません。
 今使用中のディマージュS304を、今月発売のA1に買い替えを検討中ですが、A1はどのように評価されますか?


返信
 タダヨシくん、それは逆ですよ。黒いものはマイナス、白いものはプラスです。
 画面に黒い(暗い)ものが多いときは、カメラの露出計が「これは暗い被写体だから、明るめに写してあげよう」と余計なおせっかいを焼きます。つまり、カメラが勝手にプラス側に露出設定してしまうのです。それを補正するためにマイナスにするというわけですね。昔の写真学校では、これを「クロマイ」という言葉で生徒たちの頭に叩き込みました。今はクロマイなどという抗生物質の名前を知っている人はほとんどいない時代なので、いったいなんと教えているんだろうとは思いますが・・・。

 ボクがカメラの常時設定を-0.3か-0.7にしているのは、[1]デジカメ画像を少しでもリバーサルの色調に近づけたい、[2]白く飛んでしまう部分はリタッチでも修復できないので、そういう部分を減らしたい、という理由です。
 プラスでもマイナスでも、上下1段ぐらいまでの露出外れなら、簡単なレタッチ作業でほぼ完全に修復できます。もちろん、レタッチすることを前提にして写真を撮ってはいけませんが、二日酔いなどで万一自分の勘が狂っていたときのための用心です。
 しかし、-0.3や-0.7程度のマイナスであれば、ほとんどレタッチの必要性はありませんね。デジカメの画像はフィルムの画像に較べるとかなり明るめの描写になっているので、ボクの好みにはこれぐらいでちょうどいいのです。もちろん、背景を空に抜くとか、画面上に強く輝くものがあるというようなときにはプラス補正にしますし、暗い影になっている部分を綺麗に描写したいというようなときもプラスにします。

 ディマージュA1は前評判がいいようですね。コンパクトながら一眼デジカメ並みの機能を搭載しているということで、ミノルタも力が入っているようです。ボクは、ファインダーがチルトする(角度が90度変えられる)という点と、ファインダー視野率100%というのがとてもいいと思っています。ファインダー視野率が100%あれば、液晶モニターはほとんど使う必要がなくなりますので、電池の持ちが格段に向上するはずです。値段がいくらぐらいになるのか、気になりますね。

alberataさんから
 KITさん、こんにちは。さっそく壁紙を送ってくださってありがとうございました。家の外はギラギラと暑そうですが、私のパソコンは零下の世界になりました。

 でも、KITさんは、また被写体探しに歩いていらっしゃるのでしょうか。一般市民を撮影されるとき、いつも何と表現されるのか気になります。
 元気いっぱいの、早足おばちゃん、カヌーを漕いでいるおっさん、白い傘をさした女の人、どっかの物好きが犬を連れて散歩、…微妙に敬意の度合いが違うのはなぜ?と思いつつ。私もKITさんのカメラに間違って写ってしまって「ちんたら歩くおばはん」などといわれないように、関東周辺へ出かけるのは避けるようにします。

 また楽しいメールを読ませていただくのを心待ちにしております。


返信
 このところ、デスクワークが忙しくて撮影どころじゃなかったです。ほんとのお散歩写真だけでストレスを紛らわしてました。明日からは九州で撮影と焼酎三昧、わくわくしてます。

日の丸シヤッターマンさんから
 お散歩デジカメ切り番が踏み逃げ、なんとふとどきな、俺も狙っていたのに今度こそはと。トップページ29999番まで行って、よしいただきとカァチャとしたら、あれ〜30002番ダア〜。気持ちわかるよね〜。こ〜なったらメンコええをカチャ・カチャ・カチャ・数百回すれば切り番は、俺のものだー。

返信
  いやあ、久しぶりの踏み逃げ事件、おかげさんで、こっちは小遣いが助かったけど、狙ってたほかの人たちは悔しいよネ。次ぎの切り番を少し早めに達成できるように設定します。日の丸さん、がんばって!

うしべさんから
 デジカメのキリ番「11111」踏んだんですけどぉ〜
 もしや、タイムオーバーですか???


返信
  丑兵衛さんだったんですか、犯人は。また逃げられたかと思っちゃいました。よかった!2度目なので手順はお分かりですよね。写真、選んでください。
 ところで、次の切り番が早くも達成間近ですよ、あと数日かな?次も狙いましょう!
投稿写真をけちょんけちょんにけなすコーナー
JUN1さんの投稿写真
 「驀進」見せていただきました。先生の作品は迫力がありますね。また撮りたくなってきました。

 今回の作品は雨のトゥインクルレースです。馬が写っていたほうが雰囲気が出たでしょうか。よろしくお願いします。データ:Canon PowerShot G3、1/40、f2.0、露出補正なし。


講評
 遠くの光が霞んでいて、いかにも雨の感じがよく出てしますね。向こうのスタンドにいる観客たちがかろうじて見えるので、白く光っている走路に馬が走っていれば競馬場の雰囲気はもっとよく出たと思います。ボクら、東京周辺の人間にはここが大井競馬場だということが分かりますが、行ったことがない人には分かりませんからね。

 手前に柵を入れる必要があったかどうか、ちょっと疑問です。遠近感を求めるのなら、この写真の右手に写っているオレンジ色のイルミネーションのすぐ横か真後ろから撮ってみてはいかがでしょう。イルミネーションの隙間から望遠で狙うとか、どうです?カラフルな前ボケが生きるかも知れませんよ。試してみたくなりますね。

表示されない場合はこちら

撮影会のお知らせ
9月21日(日)の撮影会は埼玉県日高市の巾着田です。
関東一の彼岸花の群落を撮影します。
天候不順な今年ではありますが、
例年並みの美しさが見られることを期待しましょう。
下見をしてくださったhermesさんによると、
「多分OK」との感触のようです。
詳細はこちら
お問合わせ、お申込みはから、

表示されない場合はこちらからどうぞ。
アンチウィルスソフト「ノートン」をご使用の方へ

ノートンのセキュリティ機能がブロックするため、「問合わせ」「投稿」などの送信機能が遮断されます。また、ホームページの掲示板への書き込み送信もできません。これを解決するためには、「ノートンのアイコンをクリック」⇒「オプション」⇒「インターネットの欄の電子メール」⇒「スキャンする対象」と進み、「発信電子メールをスキャン(推奨)」という項目のチェックを外します。「OK」をクリックし、ノートンのウィンドウを閉じます。以上の操作で送信機能が働くようになります。