天才キットの
☆ 1日1枚 

Fujifilm Finepix4500・・
ゆすらうめ
(「梅もどき」改め)
2003/05/31 SAT
 季節はずれの台風で今日は朝からどしゃ降り。不精な写真家は、こんな日ぐらいはなんとかお散歩しないで誤魔化せないかと頭を絞ったが、もともと大した頭ではないので良い智恵が浮かばない。仕方なく傘をさし、長靴を履いて出かけた。出かけてみれば何かしら良いことがあるもので、マンションの緑地にウメモドキの実を発見。春先に綺麗な花が咲いていた木だ。真っ赤な可憐な実は、食べても美味しいけれど、こんな雨の日の被写体としては絶品である。

【使えるワザ】雨の日の、戸外での撮影条件は最悪であることを覚悟しよう。日中でも暗いので、シャッタースピードが非常に遅くなり、手ブレしやすくなる。こういう細い枝は微風でも揺れるので、被写体ブレもある。今日はまず50枚ほど撮影し、家でパソコン画像を見てみたら合格がなかったので、もう1回撮りに行った。確率1/100ぐらいでやっとゲットした1枚だ。露出はプラスに半段ほど補正してある(その分、余計にシャッターが遅くなる)。薄暗い画像ではこの実の可憐さが出ないし、バックの緑も重くなるからだ。こういう環境で普通に撮ると、全自動ではストロボが勝手に光る。「明るく写るからいいじゃん」と思うのはシロート考えで、ストロボを焚くと小さな画像のようになってしまうのだ。接写モードで自動調光するので、光が届く距離はピントが合った実のところまで。バックまでは届かないのでこのように真っ暗に写ってしまう。それから、デジカメは特に雨に弱いので注意が必要。傘をカメラにさしかけていたので、ボクの体はずぶ濡れになった。
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たこぼうずさんから
 今までに送られて来た、あなたの写真を復活する方法を教えて下さい。「たまちゃん」や「フラッシュの距離」などとても興味があり、おもしろかったのですが、「ああ、そうだな」で削除したのが失敗。すべてをセイブし、保存しておきたいのです。

返信
 作者冥利に尽きるお問合わせですね。バックナンバーがホームページに展示されていますので、そちらからダウンロードしてください。

あやこさんから
 最近購読を始めました。簡易デジタルカメラでもいろんな写真が撮れるんだなあと配信を楽しみにしています。わたしは去年から大学の趣味の写真を受講し、白黒写真を暗室で現像したりし始めたレベルです。今年のお正月にデジカメを買って、気楽に撮ってその場で見られるので大変気に入っています。

 さて、今日の神田川の写真の解説で質問があります。「露出をぐっと切り詰め」るのはどのようにしたらできるのですか?私のカメラは京セラのファインカムS3Lですが、これでもできるでしょうか?それから、「空が入った明るい画角でシャッターを半押しする騙しワザを使った」というのもよく分かりませんでした。大変お手数ですがお教え願えれば幸いです。よろしくお願いいたします。


返信
 「露出を切り詰める」というのは、画面全体を暗めに写すということです。普通の、オート(全自動)ではないカメラの場合は、シャッタースピードを早くするか、絞りを絞ることで露出を切り詰めます。全体を明るめに写すときはその逆をやるわけです。

 ところが、全自動の場合は、こういう操作をカメラが受け付けてくれません。その名の通り、カメラが自動的に露出を判断して、シャッタースピードと絞りの組み合わせを決めてしまいます。

 その決め方ですが、レンズから入ってきた光の明るさをセンサーで計測して、「ちょうどいい」明るさに写るようにするわけです。それによって、カメラの仕組みや露出に関して、なにも分からないアマチュアでも、平均点が取れる写真を写してくれるんですね。

 しかし、カメラ任せのこのやり方だと、たとえば「神田橋下」の写真などは、黒く潰れた橋脚の部分や高架の部分まではっきりと写ってしまい、逆に、水面に映ったビル郡などは白く飛んでしまいます。「ちょうどいい」露出では絵にならなくなってしまうわけです。

 それで、全自動カメラを騙す必要が出てきます。前述のように、カメラはレンズを通して入ってきた光の明るさを計測して露出を決めています。全体が明るすぎると、カメラは「明るすぎるので暗めに写さなきゃ」と、勝手におせっかいを焼きます。逆に、全体が暗すぎると、「いかん!すこし明るめに写すべ」と勝手に判断します。

 それを逆手にとって騙すわけです。「神田橋下」のように、暗めに写して高架部分などを黒く潰してしまいたいときは、最初にカメラに「明るい部分」を見せてやれば、カメラくんは「暗くしなきゃ」と思ってくれますので、カメラを上に向けて、空が画面の半分ぐらい入った景色でシャッターを半押ししてやります。全自動カメラは、シャッターを半押しした時点で、「自分が撮るべき景色はコレだ」と判断し、露出を「ちょうどいい」ところに決めると同時に、ファインダーの中心点のところでピントを固定するようになっています。

 こうして、カメラに別の景色を見せることで露出を決めてしまい、シャッター半押しのままカメラを下げて、実際に写したい水面に向けてシャッターを全押しすれば、カメラは「暗くしなきゃ」と思ったままの状態で写してくれますので、ああいう暗い写真が撮れるわけです。逆光の中で人物を撮るときなどは、この逆をやってあげます。そうしないと、人物の顔が暗くなってしまいますので。

 お持ちのカメラについては知識がありませんので、取扱説明書を見ていただければいいのですが、以上の騙しワザを使わなくても、露出補正という機構がついている全自動カメラも多いので、この機能を使えば騙しワザは必要なくなります。ただし、操作するのに時間がかかるし、補正を元に戻すのを忘れると、次から写す写真が全部補正済みの設定のままになってしまうので、ボクはもっぱらこの騙しワザを使うようにしています。

 なお、この騙し技については、過去に何度か、作例をつけて解説しています。バックナンバーをめくって見られると、もっとよく分かると思います。