Kit the genius'
☆ 1日1枚 

Fujifilm Finepix4500 Camedia C-4100
湖畔の夕べ 2003/09/15 MON
 今日は早起き。今回の本目的である棚田の撮影にでかける日だ。飲んでばかりの日々を送っているボクも、こういうときは真人間に戻るのだ。
 目指す頴娃(えい)町までは約2時間。佃(つくだ)の棚田を訪ねる。薩摩半島の南岸、開聞岳の裾野に広がる茶畑の中に、そこだけ取り残されたように水田が残る一帯だ。いや、そのはずだった。
 ところが、行ってみると水田はほんの数枚を残すのみで、ほとんどの田んぼが薩摩芋畑に変わっていた。昨今の芋焼酎ブームで薩摩芋の品薄が続いていて、作れば売れるという売り手市場なのだそうだ。醸造元との契約栽培なので、けっこう良い金になるらしい。稲と違ってそれほど手間もかからない。傾斜地の狭い田んぼを苦労して耕しても、良くて収支トントンという稲作から転換するのは当然といえば当然なのだ。昔は稲が育たない痩せた土壌に薩摩芋を植えたものだが、時代も変わったということだろう。
 午後2時過ぎまでその一帯で撮影し、昼食後は池田湖の湖畔にある尾下の田芋田(おさがりのたいもだ、別名坂下の棚田)を訪ねる。カーナビや地図があっても道に迷うようなところにある秘境の棚田である。池田湖の対岸に夕日が沈む時間帯を狙った。風のない薄曇りで、夕焼けが綺麗だ。時期的に開聞岳とはかなり離れた方角に夕日が沈むのが残念だ。開聞岳の向こうに夕日が沈む冬場は棚田には何も植わっていない。あちらを立てればこちらが立たずというわけ。それでも、いい写真が撮れた。

使えるワザ フィルムカメラ、デジカメを問わず、カメラマンが一番悔しがるのがこういうシチュエーション。夕焼けの色をちゃんと写そうとすると手前の棚田や集落の部分は暗く潰れてしまうし、手前をちゃんと写そうとすると夕焼けの色が薄れてしまって雰囲気が台無しになる。つまり、陸地部分と空の部分との露出差がありすぎるわけで、一方を立てればもう一方が立たずということになってしまうのだ。
 こういうときにハーフNDフィルターが使える場合もあるが、このフィルターは明るい部分と暗い部分の境い目がほぼ一直線というときでないと使えない。結局、いろいろな露出設定で数を稼いでおいて、両者がなんとか妥協できる線で収めるしかない。-1.0という補正がこの風景での妥協点だった。
 ボクのカメディアにはカラーバランスの調整機能がついているので、ややレッドを強めに設定した。強くしすぎると緑の部分の発色が悪くなるので、「心持ち」程度にするのがコツ。レッド・エンハンサーというフィルターを使う手もある。もちろん、後でレタッチソフトでカラー補正をしてもいい。その場合も、特に意図的なカラーバランスの崩しを狙うという場合以外は、レッドもグリーンも微調整程度に抑えておかないと不自然な画像になってしまう。
撮影データ
カメラ Camedia C-4100
撮影日 2003/09/15
ISO感度 100
絞り値 F5.6
シャッター 1/100
露出補正値 -1.0
WB オート
その他 絞り優先AE
コントラスト-1
彩度+3
バックナンバーは
「天才キットのフォトギャラリー」
に展示してあります。
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読者からのメールや質問やヤジ

八っちゃんから
 キット先生今日は、八ちゃんです。
 まもなく67歳になりますが、まだサラリーマンしています。朝6時15分に家を出て、帰りは大宮駅に着くのが8時から9時30分くらい、それから家まで約4キロを45分かけて歩いています。血圧を始め各種成人病の兆候があるので、酒をやめずに体脂肪をへらすためです。先生もくじけずがんばってください。

 前置きが長くなりましたが、昨夜帰りに歩きながらまん丸い月を見ていたら、薄い雲を透して火星が見えたので、家についたら食事もしないでカメラの準備、すっかり「お散歩デジカメ」の影響を受けてしまいました。かってに弟子になったつもり。
 カメラはチエコさんがお台場撮影会の一週間前に入手したと言っておられたのと同じCAMEDIA C-750です。私はお台場撮影会の一週間後に入手しました。雲の帯がなかなかどいてくれないので、じっと待っていたら先生のおっしゃる鬼が缶チューハイを持ってきてくれました、いい嫁です。

 いざファインダーをのぞいてみると、35ミリフィルム換算380ミリと言うだけあって、思ったよりも大きく見えたけど、そこで迷った。こういう場合の構図はどうするのだろう、雲がなくなってみると真っ暗な空に白い月。
 日の丸弁当みたいなのや、テレビのアンテナを入れたり、露出を変えながら20枚くらいシャッターを切って、食事の後にパソコンで見たら露出オーバーで真っ白な月が多かった。拡大してみると火星が一応球状に見えるのは月が白飛びに、月が程よく写っているものは火星が貧弱でした。
 今日「大接近」を見てすっかり嬉しくなり書き込みです、構図がおなじだったからです。私の方が時間が遅く火星が月の右下にきていました。


返信
 みなさん、健康維持にはけっこう気を使っておられるようですね。鹿児島で会った同窓生たちの中にも、ダイエット薀蓄をひとくさりぶつような医者がいたりして、そいつには「お前はもうすぐ死ぬ」などと言われましたよ。酒、タバコ、パソコンだね、問題は。

 月を写すときは露出はかなりマイナスにしないと、兎が写りません。おっしゃるように、火星が貧弱になってしまうので、なんとか妥協点を見つけるしかないですね。


Eマガへの書き込みより
 デジカメ歴3年の私、いろいろ参考にしたいと思います。

返信
 キャリア3年はボクより2年も長いです。こちらこそ、いろいろとご教授ください。

アンヨシさんから
 初めてメールします。アンヨシです。参加したいけれどどうしようかなと思っているうちに、Kit先生が「お散歩デジカメは明日から18日まで休刊」というので、これは大変と思い参加させていただくことにしました。よろしくお願いします。高麗の駅に10時に行っています。

返信
 参加歓迎です。今回の撮影会は日高のhermesさんがいろいろとセッティングの苦労を買って出てくれました。参加者は今のところ10人ほどです。

alberataさんから
 「大接近」すごいですね。私も、感動を覚えつつこの月をじっと眺めていましたので、キットさんの写真でまた見ることが出来てうれしいです。
 先日は壁紙をありがとうございました(お礼メール届きましたよね? 最近、不達だったことがあるので)。鹿児島で焼酎ざんまい(「村尾」ですか?)、いや仕事ざんまいとのこと、お身体をいたわりつつ無茶やってください。
 ところで、ご意見、ご質問のボタンは、またまたマックに反応していなくて寂しいです。


返信
 焼酎はいくつもの銘柄を楽しみました。同窓生に酒屋のおやじをやっているのがいるので、なんだか聞いたこともないような壷酒もいただきました。割らずに生のままで飲んだらその美味しいこと!
 どうも、alberataさんのMACとは相性が悪いようで・・・。
投稿写真をけちょんけちょんにけなすコーナー
まりちゃんの投稿写真
 キット先生、ロンドンのまり子です。
 週末撮った写真をお見せしたくてメールを書いています。先日のキット先生の写真を真似て撮ってみました。画面いっぱいに埋め込むように最初撮ろうとしていたのですが(先生のパクリで。。)、距離があったため、ズームでも上手くできず、結局ちょっと引いたこの写真の方が良く撮れてました。

 最近、無料のオンラインアルバムに凝っていて、で私の週末の成果が見られます(ご興味ないとは思いますが。。。 注)個人アルバムなのでゴミ写真もかなり載せてます(笑)。その為、登録をして頂かないとビューが出来ないようになってます。このサイトからプリントのオーダーが出来たりと、すごく便利なんですよ。日本にもこういうサイト、有りますよねきっと?! 

 カメラはカメディアC-4000(日本バージョンC4100と同規格だと思います)です。7年前、結婚祝いに義理の兄がCAMEDIAのデジカメを購入してくれた以来、CAMEDIAシリーズはC4000で3代目。私のお気に入りです。C4000は先生が使用されていたので興味を持ち、その後、色々調査した結果、"Value for Money"と色々なサイトで絶賛されてたので購入しました。使いこなせるように頑張って勉強しなければなりませんね。


講評
 木の葉や梢を下から空に抜いて撮る、というと、大概は木の葉の色や形の美しさ、面白さにばかり眼が行くものですが、この手の写真の真骨頂は、実は光と影が織りなすパターン模様なのです。薄い木の葉を通してくる透過光は柔らかな色合いと透明感を与えてくれますが、そのような葉も2枚重なれば濃い緑色になり、3枚、4枚と重なれば黒く写ります。光を通さない梢は黒い線として写ります。こういう濃淡の組み合わせが自然界にしかないパターン模様を描き出すわけです。

 まりちゃんの作品も、画面の右上のあたりにその美しさが写っています。この木がなんという木か知りませんが、大きな葉なので葉脈の美しさも一役買っていますね。
 ただ、残念なのは背景に被さっている別の木の梢です。まあ、あるものが写ってしまうのは仕方ないと言えば仕方ないのですが、できるだけ背景がすっきりしている方が、パターン模様も映えるでしょう。

 それから、露出を少し詰めすぎですね。空に抜く構図なのでプラス補正は必須ですが、多少補正しすぎるぐらいの方が透過光の透明感が出ます。参考写真はボクが鹿屋で撮ったものです。これで補正は+2.0です。

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撮影会のお知らせ
9月21日(日)の撮影会は埼玉県日高市の巾着田です。
関東一の彼岸花の群落を撮影します。
天候不順な今年ではありますが、
例年並みの美しさが見られることを期待しましょう。
下見をしてくださったhermesさんによると、
「多分OK」との感触のようです。
詳細はこちら
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