Kit the genius'
☆ 1日1枚 

Fujifilm Finepix4500 Camedia C-4100

湖面を染める夕陽 2003/10/29 WED
 昨夜も今朝も天気予報は東日本一帯がピーカンということだったので、他の予定を全部キャンセルして茨城のひたち海浜公園にコスモスを撮りに行った。ところが、現地は重たい雲が垂れこめた曇天で、おまけに風が強く、撮影になんかなりゃしない。まったく意気消沈の体で引き上げてきた。
 一昔前と比べると、最近の天気予報は確率が格段に向上しているという。しかし、まあ100%当たるとは期待していないにしても、こうも見事に外れると文句の一つも言ってやりたくなるものだ。もう引退しているが、オヤジがかつて天気予報でメシを食っていた手前、ボクはオヤジの悪口は言っても天気予報の悪口は言わないようにしていたのだが、こういう季節ものの撮影はやり直しが効かないことが多いので落胆の度合いが大きい。
 帰途に多少西の空が明るくなってきたので、途中の牛久沼に寄り道をして夕陽を撮った。帰宅して鬼嫁に聞いたら、奥多摩は予報通りピーカンだったそうだ。鬼嫁は今日、おばさん友達と連れ立って高尾山に登ってきたのだ。そして、4000円もする昼飯を食ったという。ボクはコンビニお握り1個だぞ、コノヤロ!
【使えるワザ】 蜘蛛の巣だらけになりながら竹薮の中から撮った。画面のほとんどが木立ちで覆われているので、カメラの露出計は当然「暗い」と判断して明るく写そうとする。そうはさせじと大幅なマイナス補正。カメディアは最大で-2.0までしか補正できないのが悲しいところだ。現場の感覚では-3.0ぐらい補正したかったのだが、マニュアルで絞りとシャッター速度をセットしなおしている時間はないので、そのままで撮った。出来上がりがまあまあだったので一安心。
 ホワイドバランスを曇天にセットし、WB補正機能を使って色温度の感度を下げている。赤をやや強めにし、青を弱くしているわけだ。おまけに彩度を最大に上げ、コントラストも強めている。つまり、夕陽と、夕陽を映した湖面をできるだけ赤く描写しようとしているのだ。これで大体見た目に近い絵になった。
撮影データ
カメラ Camedia C4100
撮影日 2003/10/29
ISO感度 100
絞り値 F8.0
シャッター 1/40
露出補正値 -2.0
WB 曇天
R(+), B(-)
その他 絞り優先AE
コントラスト+3
彩度+5
バックナンバーは
「天才キットのフォトギャラリー」
に展示してあります。

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▼馬齢藷さんから▼
 馬齢藷です。
 熱心なキット先生の写真を見ながら、未だにオート・半押しのみでやっています。カメラはキャメディアC730UZで、年末までには取扱説明書を読み始めるつもりです。写真を見て、最初に露出補正値とコントラスト・彩度を予想していますが、めったに当りません。
 私の場合、パソコン(ノート)やテレビの画面で見て良さそうなのを、普通のプリンターでA4印刷していますが、画面の色では良さそうでも印刷の色は全然違ってしまうので、露出補正等が適正ではないことを前提にしてもがっかりしますが、特にウインドウズでは仕方のないことのようですね(いくらか補正する方法はあるようですが)。

 さて、先日の「夕焼けの川面」の色に関してですが、夕焼けの赤色系を含めて太陽は赤色だと単純に思っていましたが、実際は黄色が強く出るようで、印刷すると黄色っぽい太陽になります。この写真でも、普通にプリントすると川面の色がもっと黄色みが強くなるのでしょうか、お伺いします。

 また、「休日」の写真は、補正を-1.7で、コスモスにレフ版を当てると、真っ青な空に明るいコスモスの花で、人と建物が黒くなるということでしょうか?

 もう1つ、光量が同じなら、シャッターを遅くするのと絞りを明けるのとは、写る色が実際に全く同じなのでしょうか。お伺いします。
▼返信▼
 デジカメの画像を印刷すると、パソコンの画面で見た色と違った色になるのは誰しも経験していることではないでしょうか。これには、大きく分けて3つの理由があります。

 1つは、液晶画面やブラウン管で見ている色は光の三原色の組み合わせであるのに対し、印刷された色は色の三原色を組み合わせてあるということです。組み合わせる素材が違う以上、完全に同じ色にならないのはむしろ当然なわけで、これは昔から印刷、出版業界の悩みの種でした。印刷技術がずいぶん向上した現代でも、まだ解決されていない問題です。ボクらは、自分の写真が出版物に出るときには、「色校正」というのをやりますが、いくらやっても完全に満足できる結果になったことは皆無といって良いほどです。ましてや、家庭用のプリンターで印刷するわけですから、満足度が低いのは止むを得ないということになります。

 2つ目は、メーカーによって特定の光の信号にどの色を割り当てるかというノウハウが違うことです。カメラの受光部(CCD)が感知した光は信号に変換されて記録されますが、その信号化の際にもメーカーによる違いが出ます(デジカメによっても発色傾向が違うのはそのため)し、信号を取り出してブラウン管などに表示させるときに、特定の数字の羅列にどういう色を割り当てるかもメーカーによって考え方が違います。最近はこの違いをなくすために業界標準(sRGBという)を採用する動きが一般的になりつつありますが、それでも完璧にはほど遠い状況なのです。

 最後は、表示された色を見る環境です。試しに、お持ちのパソコンの明度を変えてみて下さい。それだけで、画像の発色が大きく変化するでしょう?でも、パソコンの明度を変えたからといって、プリンターがそれに対応して印刷の色を変えてくれるかというとそうではありません。同じ画像をブラウン管で見るのと液晶画面で見るのとでも違います。液晶画面に至っては、見る角度によっても色が大きく変化します。また、印刷する用紙によっても発色が違って見えるでしょう?極端なところでは、部屋の明るさが変わっただけでも違って見えるし、蛍光灯の下で見るのと戸外で太陽光の下で見るのとでも違いますね。

 このへんのカラーマネージメントに関する話はかなり専門的になるし、ボクなどにもよく分からない領域もありますので、このメルマガの技術顧問であるミズくんが答えてくれた7月13日の回答も参考にしてください。

 次に、夕焼けの写真を印刷すると黄色味が強くなるということですが、必ずしもそうではないと思います。確かに、夕焼けの色は赤というよりはオレンジ色に近い色ですので、黄色の成分がかなり入ってはいますが、印刷したときにだけ黄色味が強くなるとしたら、それは前述した3つの理由によるものだと思います。

 「休日」の写真に関するご質問は、その通りです。レフ板で照らされていないものはすべてかなりアンダーな描写になってしまいます。

 シャッターを遅くすることと絞りを開けることは、いずれも露出を変える手段ですから、理論的には露出が同じであれば、色は同じであるはずです。ただし、絞りを開けるとボケる範囲が拡大しますので、ボケたところはある程度周囲の色が交じり合った色になります。シャッターを遅くすると光の干渉が起こることがあるので、それによっても発色が変わる場合があります。
▼ぽかりちゃんから▼
 Kit先生、いつも何かとお世話になってる(つもりの)ぽかりです。
 今日、待望の切り番プレゼントのお写真が届きました。本当にどうもありがとうございました。感謝感激。すばらしいです。大事に飾らしていただきます。

 今日はめずらしく早く家に帰ってきたら、郵便局から配達不在の通知が来てて、即電話して、「9時までに行きます」との返事。そわそわ、わくわくそわそわ。結局、9時ジャストに来られました。無関心を装っていた母が、写真を見るなり「きれいねぇーーーー」「これ、台所にかざろう!」と勝手に配置まで決めようとするので、「私の部屋に飾るんだから!」と抗議。で、母曰く「もう一枚もらいなさい」だって(笑)
 で、プレゼントの経緯を母に説明したのですがパソコンを知らない母は???で、その後、母子二人で仲良くKit先生のインターネット写真鑑賞をしました。本当にどうもありがとうございました。
▼返信▼
 ははは、面白いお母さんですね。例の300連発技でもう一枚ゲットしてください。
▼玉パパさんから▼
 伊勢は朝から雨で鬱陶しい一日でした。
 この空気を吹き飛ばしてくれる写真が届きました。有難うございました。届く前から指定席を作っていましたので早速飾らせて頂きました。想像していたように部屋がパット明るくなりました。

 私たちはマクロ写真が大好きです。特に他の人には気付かれずひっそりと咲いている小さな花を主役にし喜びを感じています。カメラもパソコンも超初心者の跳んでる高齢者です。早く投稿が出来るように頑張ります。毎日のご指導ありがとうございます。
▼返信▼
 駄作ですが、喜んで頂いてなによりです。次の切り番も狙ってくださいね。
≪撮影会ネット・Kit-Photoグループ≫
 撮影会ネットは、キットの撮影会に参加した人たちのメーリングリストです。

●まだ撮影会には参加していないけれど、いずれ参加する方向で家族会議中の方、
●参加したくはないけれど、ひょっとしたら弾みで参加してしまうかも知れないという恐れを抱いている方、
●人から誘われたら断りきれなくて参加してしまいそうだという意志薄弱・優柔不断な方、
●とにかくなんにでも口を挟まないと気がすまない方、

 なども入会できます。
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投稿写真をけちょんけちょんにけなすコーナー
▼AKIさんの投稿写真▼
 KIT先生、はじめまして。AKIといいます。
 1年ほど前にはじめてデジカメを購入。現像なしに画面で見れるのが楽しくて、パチャパチャとシャッターを押してます。
 これは近所の公園で撮ったものです。夕方ですが、秋の空の青さが吸いこまれそうな色で、樹の葉っぱがキラキラきれいでした。影絵のような画面のなかで、幼い女の子の動きが無邪気であると同時に、どこか妖しい感じがして撮ってみました。ご講評、よろしくお願いいたします。

 カメラ:Nikon CoolPix5000
 撮影データ:露出モード/絞り優先オート、露出補整/-1.3、コントラスト/+、F4 1/726


講評
 失礼ながら、わずか1年ほどのキャリアとは思われない見事な作品です。おそらく、フィルムカメラでのご経験がかなりあるとお見受けしました。

 こういう、子どもの仕草や情景に惹かれた感性もさることながら、それを特定の意図を持って絵にしたワザがすばらしいと思います。普通ならカメラ任せの露出で撮ってしまうところを、-1.3と大幅なマイナス補正をかけ、コントラストを上げて、子どもの姿をシルエットにすると同時に、青空の深い群青色を強調することで、まるで絵本の中の1ページのような、メルヘンあふれる作品に仕立て上げました。補正したらどういう結果になるかが前もって分かっていなければ、こういう写真は撮れるものではありません。構図も完璧です。恐れ入りました。100点!

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撮影会のお知らせ
 11月の撮影会は、東京・立川市の昭和記念公園です。有名な銀杏並木を始めとして、さまざまな紅葉が見られる都会の穴場です。
秋の一日、のんびりとお散歩気分の撮影を楽しみましょう。

日時: 11月16日(日)午前10時ごろより各自勝手に入場して撮影を始めてください。
受付: 公園内のバーベキュー広場で午前11時ごろより受付けを開始します。撮影の途中で立ち寄ってください。
集合: 午後零時半に受付け場所に全員集合してください。昼食はバーベキューパーティーです。
用具: 予備の電池、予備のメディア、雨具、防寒具、三脚
(受付場所にて、パソコンへの画像取り込みいたします。メディアが一杯になった方はどうぞ。)
講評会: 午後4時ごろから、場所を移して講評会を行ないます。会場は決定次第通知します。
会費: 5000円(バーベキューの費用含む。講評会会場費は別途)
交通: JR青梅線西立川駅すぐ前
URL: 昭和記念公園のHPはこちらです。

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