お散歩デジカメ

Kit the genius'

☆☆☆　1日1枚　☆☆☆
☆☆☆　1日1枚　☆☆☆	Fujifilm Finepix4500	Camedia C-4100

孤独

2003/10/07 TUE

　昨日の昭和記念公園に続いて、今日は草加公園。なんだか公園づいている。「公園には似つかわしくない風体のおやじ」ではあるが、お散歩にはひろ～い公園が一番手ごろである。１日曇り空で、撮影意欲が湧かない。こういう日は、カメラのことは忘れて、ひたすら歩く。つまり、本来の健康維持目的に戻るわけだ。
　しかし、世の中そうそう話がうまくは進まないもので、公園の池のほとりでなんだか悲しそうな中年男性を見てしまったものだから、むらむらっと来てカメラを構えてしまった。さっきからじ～っと水面を見つめたまま、身じろぎもしない。きょうび、リストラ組が巷に溢れていて、こういう感じの中年男性は図書館などに行くとたくさんいるが、公園にも暇そうな中年男性が最近は多い。そういう人々の一人だろうか。こっちも、最近はあんまり仕事が回ってこない暇人だから、まあ、なんとなく気持ちは分かるよな。
　子どもの手から逃げていったのだろうか、真っ赤な風船が水面に浮いている。男性の孤独感を一層深めるような非情な赤だ。

【使えるワザ】最初に撮ったのが右の写真。いつもの癖で、つい上下左右に無駄な空間を作らない構図にしてしまう。まあ、９割がたはこれでいいのだが、この場合は、噴水が目立ちすぎては困る。「楽しく人々が集う場所」としての象徴的な意味があれば事足りる脇役だからだ。
　というので、多少引き気味にすると、今度は空が入る。これもまずい。画面が明るい感じになっては男性の孤独感が薄まった印象になってしまう。
　そこで、カメラを両手で持ち上げ、万歳をする格好で写した。上部に木の梢を被せるようにしたわけだ。これで、画面がいかにも重苦しい感じになった。
　もちろん、風船と男性の位置関係があまり離れてはいけない。画面の上を視線が漂わないように、ある程度ご近所に配置してやる必要がある。ただし、男性と風船は陰と陽の対照を比喩しているわけなので、近すぎてもいけない。微妙な距離感が大切になる。

撮影データ
カメラ	Camedia C4100
撮影日	2003/10/07
ISO感度	100
絞り値	F4.0
シャッター	1/60
露出補正値	-0.7
ＷＢ	曇天
その他	絞り優先ＡＥコントラスト+1 彩度+1

バックナンバーは
「天才キットのフォトギャラリー」
に展示してあります。

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▼八ちゃんから▼
　今日は、今日の「穴の底」ですけどね、横位置の写真を揃えるために意識して横にしてませんか？四角い物体を斜めに構図されているので、安定などは考えられないのですが、反時計回りに90度回転して縦位置にしてみても同じようにみえます。先生の作品を批判する気持ちなど毛頭ありません。この写真をぐるぐる回してみても、どこが上でどこが下か見分けがつかなかっただけです。

▼返信▼
　ははは、暇だねえ、八ちゃん！確かに、そう言われてみて実際に自分でもぐるぐる回してみたら、ちょうど左90度に回した縦位置写真も座りがいいですね。でも、わざと横位置連続記録を樹立しようとして横にしたわけじやないですよ。写すときに横位置で構図を決めて写したから、そのまま載せただけです。ぐるぐる回しの秘伝を知っていたら、左90度を採用したかも知れませんね。

　しかし、今日で連続８日横位置が続いています。あと一日でタイ記録、あさってには新記録ということになる可能性があります。特に明日は水上のコスモス山なので、横位置になりそうな予感がします。意識して縦を撮るようにしようかな。

▼のりおくんから▼
　毎日お散歩デジカメ楽しく拝読しています、お忙しいのにさすがはプロ、綺麗な画面、洗練された構図勉強になります。先日の白い壁の前の曼珠沙華と木の陰、あの様な写真を撮ってみたいものです。

　今日、昭和記念公園に11時頃から１時半頃までコスモスの丘とみんなの広場をぶらブラうろウロしてみましたが、Kit先生らしき方を見付けだせませんでした。hanaさんとのデートは出来ましたか？私は一人寂しく、満開のコスモスのなかから一輪ひっそりと咲いている花を撮ってきました。青空が欲しかったのですが残念でした。先日、講評頂いた折りＰＬフィルターを推奨頂き買い揃えて持って行ったのですが・・。またの機会にお会いするのを楽しみにしています。

▼返信▼
　ちょうどコスモスの丘の撮影中に本降りになってきたので、そこは早々に切り上げて、hanaちゃんと人気のない、藪の中方面を散策してました（怪しい？）。あっ、その前に、ビールをひっかけたりしていたので・・・。でも、４時過ぎまで公園内にはいましたよ。

▼coralさんから▼
　先日（9/9）の「大接近」や、10/3きよみさんの投稿を見てはたと気が付いたのですが、暗い部分に写っているものが見えません。9/9「大接近」はお月様のみの写真ですし、きよみさんの写真は、右下に大岩があることしか分からないのです。Photoshopに取り込みなおして、明るくしたところ、ようやっとそこに火星やカップルを見つけることができました。これもPCの設定が原因ですかね？もしかしたら同じような状況で見ている人も多いのでは？と思いメールしてみました・・・あ、NetScapeが問題なのかなぁ？

▼返信▼
　メーラーのせいじゃないですね。モニターの明度調整じゃないでしょうか。少し明るめに変えてみてください。多分、見てはいけない秘密まで見えるようになると思います。

【どうでもいいお知らせ】
10月9日（木）の午後6時から8時過ぎまで、洋行帰りの伊良湖のじいちゃんを東京・新橋でご接待します。この際、変人２人が揃ったところを見てみたいという人は、ど～ぞおいでください。ただし、おごりではありませんので、自分の飲み代は持ってくるように。場所はこちらです。事前申込みの必要はありません。たまたま暇だったら来てね。ボクとじいちゃんは今回が初対面です。ですから、初めての方も臆することはありません。少なくともボクは、吠えたり噛んだりしません（普通は）。

も一つお知らせ

　撮影会に参加したことがある人たちのために、「撮影会ネット」のメーリングリストを立ち上げました。お互い顔見知りになって、交流が盛んになってきているようなので、ボクを介しての意思疎通ではどもならんじゃろ、というのが立ち上げの動機です。まだ２日目ですが、会話と画像が飛び交っています。

　で、
●まだ撮影会には参加していないけれど、いずれ参加する方向で家族会議中の方、
●参加したくはないけれど、ひょっとしたら弾みで参加してしまうかも知れないという恐れを抱いている方、
●人から誘われたら断りきれなくて参加してしまいそうだという意志薄弱な方、
●とにかくなんにでも口を挟まないと気がすまない方、
　などの入会も受け付けます。「ご質問」からメールアドレスとハンドルネームをお知らせください。

投稿写真をけちょんけちょんにけなすコーナー

▼エンジンマンの投稿写真▼

　エンジンマンです。先日のキット先生の温かいご指導に感激して、凝りもせずに再度送ります。ところはポーランドの首都ワルシャワの南300キロにある、クラコフという町の中央広場でのワンショットです。
　広場の中にどういうわけか井戸があり、大勢の街の人達や観光客の中で、鳩たちまでも全然関係ないといった感じの、そんな小父さんが自分だけは黙々と水くみをしている姿を見かけました。すこぶるアンマッチな状況に惹かれて夢中でシャッターを切ってしまいました。カメラはキャメディアＣ－2500Ｌです。ご講評をお願いいたします。

▼講評▼
　夢中でシャッターを切りたくなる光景ですよね、確かに。でもご本人が夢中だった割には、あまり感動しない写真ですね。「ああ、なるほど」とは思っても、印象に残らないというか、写真そのものが語りかけてこないんですね（今日はあんまり暖かくないぞ！）。

　それは、写真が「説明写真」になってしまっているからですよ。写真展などに行って何十枚という写真を見て回っていると、詳細に目を凝らさなくてもつい立ち止まってしまう写真ってのがあるでしょう。つまり、印象で人の目を捉えてしまう写真。「おや、なんだ！」でもいいし、「おっ、すごい」でもいい、とにかく足が止まる、見る、説明が聞きたくなる、そんな写真ですね。

　この光景に目を奪われた、そこまではいいんですよ。いい感性してます。ただし、それからの作業は冷静でなくてはいけません。このおやじをどのように写したら強い印象の写真になるか、ということを考えるのです。こないだの修道女の写真のように、被写体そのものが魅力的で、被写体が語りかけてくれる写真ならばワザはそれほど必要じゃないんですが、こういうシーンはまず見せなければいけないんですね。ボクなら、多分、

　［１］もっと右に寄って、ほぼ完全な逆光になる位置にしゃがみこんで、
　［２］縦位置でズーミングして引き寄せ、
　［３］影を手前に大きく入れ、
　［４］露出はアンダーにして影の黒さを強調、
　［５］表情が分かる程度のシルエットで撮る、

　と思います。背景の観光客などのディテールは潰れますし、建物などは完全にシルエットになるでしょうけど、その方が余計なものが見えなくなるのでいいのです。

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